Day 03 text / 0822

ウラジオストク上陸。2時に接岸したのに下船まで2時間かかる。船上で待つ間、初日に同室だったドイツ人とイギリスのグループに再会。同じ列車に乗るそうで、イギリス人はモスクワまで通し乗車して。少し心強い。

下船の列で一緒だった背の高いポーランド人の青年は19歳で大学入学を待っているとか。彼を見て日本の大学生の女子がまたキャアキャア言っている。英語で話しかけているが、学生の英語力ってこんなものかいな、、、

フェリーターミナルの無料Wi-FiでSIMな買える携帯通信会社の「メガフォーン」を探す。鉄道駅の直ぐ横にみつかる。フェリー下りて通関したターミナルをでた前が駅。

SIMはあっけなく買える。英語のできるお兄ちゃんが対応して、まるまるっちいお姉さんがあらかじめロシア語にしておいたiPad miniをちゃちやっと設定してくれる。SIMはひと月間7GB4G対応で795ルーブル。

小銭がないので、5ルーブルはもういいだろ?と言われる。ロシアでは5ルーブルあっても何もかえないよ。って。。。まあ、そうなんだろうけど、、、。まあ、いいか。

帰り際に安いLightningケーブルを見つけ購入。また釣り銭がない。今度は10ルーブル。申し訳ないと思ったのか、にいちゃん曰く「10ルーブル分をSIMにチャージしてあげる、って。ありがたいけど、、、それなら15ルーブルじゃね?ま、いいんだけどさ。

ロシアの釣り銭事情ってこんなもん?

それはさておき、下船に時間がかかったのとSIM購入に手間取って、ウラジオストクの市内観光の時間がなくなった。列車は夜中の11時55分だけど、日が暮れてから知らない都市を彷徨う趣味はない。行きたかった港を見下ろす鷲の巣展望台やアルセーニェフ博物館はあきらめて、駅から歩いて行けそうなアルセーニェフの家博物館に向かう。アルセーニェフは、黒澤の「デルスウザーラ』に登場するキャピタン・アルセーニェフのこと。

駅からダラダラ坂を登って、左へそれる道を入った突き当たりの右手にある。東海もそうだったが、表通りからはガラッと雰囲気が変わる。まだ、古い木造(ログ造り)の家が残っていて、すぐ背後に迫る高層ビルディングと不釣り合いなコントラスト。こぢんまりとしたレンガ造りのアルセーニェフの家もその並びに建っている。内容も外観同様あっさりと控えめだが、それがまた僕には好もしく感じられる。

アルセーニェフの行った未開地の探検や困難な調査は事実だが、映画はもちろん、アルセーニェフ自身が書いたデルスウザーラの記述にはそれなりの脚色があると言う。展示されている探検の用具や調査資料の間にある写真の中で、デルスウザーラの姿、面がまえは、それがあながち誇張とは思えない、威厳を放っている。Kungsledenへ行く前に良いものを見れた。(会えたというげきか。)

鉄道駅に戻り、荷物を預ける。駅ホテルの受付が預り所になってるが、後でわかったんだけど、パックパックのウェストベルトに付いてるポケットからサングラスがケースごと無くなっていた。受付の係員は引き換えのタグを確認して出し入れする客を部屋に入れるけど、ずっとそこに着いてない。手間取ってるふりをして他人の荷物ををゴソゴソやることは十分可能。ウラジオストク駅の荷物預かりは、荷物こそなくならないけど、中身はやられる可能性あり。ここに限らず、バックパックを預ける時、特に小物はポケットでなく、簡単に開けられないメインの気室に入れておく必要がある。しばらくこういう旅をしていないから、高い授業料を払うハメになった。

日が傾いてきたので駅前のスーパーマーケットというスーパーで長旅の買い出し。旅程の半分、4日分のカップ麺、パン、ソーセージ、チーズ、ドライフルーツ・ナッツミックス、ジャムなど。カップ入り味付け乾燥マッシュポテトを探すが見つからない。手元にあるかんりゃくなロシア語ガイドにはそんなものをは出てこない。単語集からなんとか「乾いた」、「潰した」、「顆粒の」、「ジャガイモ」、「コップ」を見つけ出し、店員さんつかまえてそれらを並べて発音んしたら、通じた。

めでたく買い物ををおえてレジにいたら、キツい語調の英語が聞こえてきた。日本人のカップルが、ロシア語が読めず、パッケージの絵を見て買ったけど中身が思っていたのと違うと怒っている。開封してしまっているので返品も交換も断られたらしい。 問題は彼らにあるのだが、声を荒げて
どこまでも英語で押し通してる。かわいそうなので、何とかマネージャーをお願いします、(これくらいのロシア語は口から出て来る)とレジの人に頼んであげたが、もう話がこじれてしまってるので、ニェットの一点張り。そのうち、カップルは「こいつら頭い」とか、係員のことを指差し「これ」とかアゴで「あれ」言い出した。さすがに付き合いきれず、グッドラックと言って別れた。ポルトガルから列車を乗り継いて来たとか。旅慣れているのか、スレているのか、、、彼らの口から英語がポンポン出るが、言葉の一つ一つに思いやりも品も感じられない。コミュニケーションは言葉だけじゃないのになあ。なまじ英語なんぞ喋れると返って苦労するのかも。

また駅に戻る途中で、果物を露天のオヤジさんから買う。ロシア語で値段訊いても、数字が聞き取れない。話してるのはロシア語に違いないけど。 全くわからないので身振りと筆談。数字はほぼ世界共通。めでたくお金を払ったら「タマーム」と言ったような気がした。へ?トルコ人?違うよなあ。目の前の信号が青にかわって僕はそのまま駅に向かう。でも、もうちょっとつっこんでトルコ語で聞いてみればよかったな。。。

ところで、駅舎に入るには手荷物のレントゲン検査と、金属探知機ゲートの身体検査がある。飛行場にあるのと同じ。プラットフォームは「外」ということで外部から出入り自由。駅舎内は蒸し暑く、涼みに何度か出入りしているうちにiPadの入ったバッグがない。待合室に置き忘れたのか、どのゲートのコンベアから取り忘れたのか。。。もう盗られてしまるかも、という不安であせってあちこち駅舎の中や出入り口を駆けまわる。三つ目のゲートに来たら、警備の人が僕の顔を見るなりニッと笑って、バッグ掲げる。預かってくれてたんだ!ありがとう!

その後、預けたバックパックを取りに行って、サングラスがなくなってることが発覚するのだが、これは完全に盗難。でも僕に隙があったからで、まだまだ旅の心構えができていないと思い知る。旅はまだ三日目。始まったばかりなのに濃ゆい教訓に満ちている。

はあ、今日も長い1日だった。

あ、今日はまだ終わって なかったわ。無事、じゃなく、満身創痍でモスクワ行き列車099Эに乗り込む。通路向こうの4人席ではみなロシア語を話してる。こちら側は二人掛けで、向かい合わせの若者は少し英語が話せる。どこから来た?と尋ねられ日本からと答える。二人とも荷物が多く、やり場に困っていると、通路の向かい側から「あの、すみません。よろしければ私の席の下に入れてください。私は6時間で降りますから。」と言う声。細身のロシア人女性が微笑んでいる。しかもべっぴんさん。こういう時は誰でも女性なら綺麗にみえるだろうが、、、。掛け値無しです。笑

日付の変わる少し前にほぼ定刻発車。ちゃんちゃん。


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