Day 22 text / 0910

リッツェム→ヴァッコタヴァーレ→テウサヤウレ

昨日、ヴァッコタヴァーレまで乗せてくれるという人を編み物の先生と思い込んでいたが、どうやらサーミの人たちの手編みミトンに詳しい出版関係の方のようだ。ヨックモック在住のエリカさんという。

Kungsleden再スタート地点まで数十kmの間ずっと、大きな人造湖の横を通る。車の中で水力発電で得られる電気と、その引き換えに、この湖が環境やここに住んでいる人たちに与える影響の大きさと、もっと言えば害に着いてエリカさんに色々話をしてもらう。

ヘマヴァンからここまで来るあいだに、何度かスウェーデンに残されたダムのない主要河川はたった4つしかないと聞かされた。うーむ、、、日本にはダムのない河川が幾つあるのだろう。恥かしながらよく知らない。清流として有名な四万十川はどっかにダムがあったかな、同じ高知の仁淀川はどうだろう。。。思いつかない。

Kungsledenを歩いているから当然、そういう意識の高い人たちと出会うのだろうけど、、、そこへお邪魔している僕は、日本のこと知らないまま、またスウェーデンの環境について調べもしないで来てしまったなあ。。。

エリカさんは出版関係者などではなく、サーミの手編みミトンについて講演をしたり、展覧会をオーガナイズしたりしているそうだ。邪魔になったら人にあげて、と綺麗なパンフレットをもらう。日本まで持って帰りますよ。(スウェーデン語で読めないけど、、、汗)

ヴァッコタヴァレでお別れし、車の道からすぐそばの山小屋で次の小屋の手前にある湖を渡るボートについて訊く。モーターボートは日に2回、夕方は6時半から7時半までの間だけ。それ以外は手漕ぎボートで渡ることになる。

急な道を登り切るとあとはダラダラ平坦。やたらにトナカイがいるが、意外と近くまで寄っていってもあまり警戒するふうでもなく、一度はこちらに向かって群れが走り始め、こっちが驚く。

だんだんと下りになったころ、ちょっと深い谷に道が直交している場所に出くわす。靴を脱いで徒渉かな、一瞬覚悟。川へ向かってちょっと進むとbroと書いた表示がある。どうやらbridgeの事らしい。その指し示す方へ10分ほど川下へ降ると、やはり橋がある。なんだかんだで、2〜30分ほど遠回り。でも、冷たい川を裸足で渡るよりはいいか。。。な

手漕ぎボートは全部で3艘。こちら側に2艘あればラッキー。もしも、1艘しかなかったら、、、先ず、それを使って向こう岸まで渡り、もう1艘を引っ張って戻り、引っ張って来た1艘を残して、また向こう側へ、、、と片道1kmを都合3回漕ぎ渡ることになる。。

果たして、湖岸まで下りてきたら、、、1艘しかない!やっぱりね。。。

ボートの側にモータボートを待つ人が年配の3人、ライフジャケットを着けて待っている。もう1時間半、寒い風に吹かれて待ってるのに、合図してもちっとも来ない、と怒っている。まだ4時なんですけど、、、と言っても聞かない。いや、合図(白いポリタンクを棒の先にかかげる)をしたら今までなら直ぐ来た。サボってるにちがいない、と。

寒そうでかわいそうなので、僕が手漕ぎボートで向こう岸の小屋へ行って、待ってる人がいると言ってきてあげる、とボートに飛び乗る。横風がが強く、かなり風上に向かって漕がないといけないうえに、横波もあって横揺れが激しくメッチャおっかない。

何分漕いだか夢中だったので判らないが、なんとかたどり着く。小屋の管理人さんに直ぐモータボートを出してあげて、と言うが、やることが山積していて時間になるまで行けないとのこと。実は、僕もスケベ心があって、モータボートを出してもらえたら乗ってきた手漕ぎボートを引っ張って帰ってもらえるかも、、、と。でも、そうは問屋が卸さない。ぐずぐずしてると、次のトレッカーが来てボートが必要になるかもしれない。それに、待ってる人らに、迎えは時間まで来ないよと言ってあげないと、、、

ある意味ガッカリしながら漕ぎ戻る。3人に迎えは来ないと説明したら、ここは何度も来てるからそんなはずはない、とカンカン。とくに犬を2頭連れた女性は激しく毒づいている。

僕は事実を伝えただけなのに、なんかいたたまれないので、引っ張って来たボートを岸に引き上げて、取って返そうとしたら、カップルの2人が僕のボートに乗り込んできた。犬が一緒の女性は手漕ぎボートには乗れないけど、自分たちは寒くて待ってられないからって、、、。彼らはどう見ても僕より10歳は上にに見える。まあ、どっちにしても僕が漕いで戻るつもりだったからいいんだけど。。。重い。

3度目となると握力が上がってしまう。背筋や上腕二頭筋はトレッキングに使わないのでまだ元気なんだけど、、、。3人乗りで一つだけ良いことは、重心が下がり吃水が深くなってボートが安定すること。最初の2回ほどは揺れない。それにしても、覚悟はしていたとはいえ、ボート漕ぎでひどく苦労する。

かくして3人は無事に渡り終え、やがて運行時間になって犬連れの女性もモータボートでやってきた。が、もうメチャクチャ怒りまくってる。幸い、犬が一緒の人は別棟のキャビンに泊まらないといけないので、それ以降、彼女の口汚く罵るのを聞かなくても済む。

管理人夫妻は融通の利かない人たちなのかな、と思ったが、そうでもなく非常に親切。待たされた人たちは自分たちの経験と古い情報から離れられず、事情が変わったことについて行けなかっただけなんだな。

どこかロビン・ウィリアムズに似た男性の管理人さんが、施設を案内してくれて、薪小屋の前で「こちらがフィットネスジムで、思う存分エクササイズしてください」と言うが、ボート漕ぎ3本やった今夜は堪忍してね。


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