医療用の装具 Neck Brace modified

肩甲骨を折った友人が固定具の装着が一人でできず不便だという話を書いたが、僕も首の手術後に同じ思いをしたことがある。

医療の現場は患者の家の事情などまるで考えず、思いやりもへったくれも無いのか。また装具の製作や販売の会社は病院という固定客を相手にしていればそれなりの安定需要があるのでずぶずぶゆるゆるの対応しかしていないんじゃね?と言いたくなる。要は怠慢なのだ。

2015-04-22 00.52.19 HDR僕の場合だが、頚椎をごっそり削り取ったのだから手術後の数ヶ月間は首に固定具を装着する必要があった。しかし、術後のC5麻痺という合併症で右腕が完全に麻痺していたのに、装具は両手を使わないとうまく着けられない。とにかく早く退院したい一心で片手だけでも着けられるように練習をして何とか一人でできるようになった。

2015-04-22 00.58.30余談だが、僕が使った外国製の固定具(Aspen社のVista tx)はなんかヒーローものの被り物みたいなデザインが凄い。それと、ノブを回すだけでアゴ受けの高さ調整ができるなど機能も凄い。病院出入りの医療装具メーカーはこれを輸入して納めてた。メーカーのプライドないのかね?

どうにかVistaを片手で扱えるようになったが、風呂に入るときは耐水性のあるカラーに替えなきゃならない。このカラー(こいつはよく見かけるダサイ日本製)がくせ者で、うっかり外れないようにベルクロで固定し、その上からもう一度逆方向のベルクロで二重に留める方式。どう足掻いても両手が要る。これは練習とか気力とか根性とか念力とかでどうにかなるシロモノではなかった。

C5麻痺はたいてい数ヶ月で自然に消えるということだけど、家に帰っても独り身ゆえ、両手で装具の着脱ができるまで病院に居る、、、なんてことはできないし、、、

でも、こういうことに限ってはぜんぜん絶望しない性格なのと入院中は超ヒマなので、あれこれ考えて片手で完全に固定できるようにカラーを改造することにした。幸い右腕の麻痺は手首から先には及んでおらず、指はまるっきり自由に動いた。

そこで病院の購買で裁縫セットを買い、入院の時に着替えを入れてきたエコバッグの持ち手のベルトを切り取り、別のバッグに付いていた金属のD環を剥ぎ取って、ちくちく針仕事して作った。D環を付けたことでカラーの締り具合も微妙な調整ができる。ベルトがD環から抜けてしまわないように割り箸を縫い込んでストッパーの工夫もした。それがコレ↓

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① 頭から被って首に装着する
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② ベルトを前方に引き絞る

 

 

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③ ベルトを引き切ると、内側のベルクロが自動的に固定される
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④ ベルトを後方に戻し、外側のベルクロも固定する

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