旧車 Fiat 500のトレーラー連結検討6

役所の現場の係の人たちはみな親切で、シロートの僕が変な資料を突きつけて、しつこく食い下がっても嫌な顔面せず答えてくれる。アポなしで行ったときは、担当がいないと言われて「避けられたか?」という被害妄想もちょこっと抱いたが、それ以外は連絡をくれと言えば、ちゃんと電話がかかってくるし、ぐだぐだ書いた書類も読んでくれ、検討してくれる。ただ、最後のところでは法律の壁、、、っていうよりお役人の壁を感じざるを得なかった。

今回トレーラーの導入について相談に行くまで、実際に検査を行う「現場」つまり、色んな機械がコースになっているところは、別の「独立行政法人」に分離されていたことを迂闊にも知らなかった。車検で何度も行ってるのに、、、

その審査機構の元の組織である運輸局の出先(運輸支局)が、トレーラーの登録に使う「連結仕様検討書」を吟味するのに使っている現場のマニュアルは「自動車検査業務等実施要領」。そこには軽自動車検査協会が適用してくれたような旧車についての別式は表わされておられず、パソコン画面で機械的に数値を入れたら、その式にしたがって自動計算される。したがって有無を言わさず「軽量非力なFiat 500はダメ」だとなる。

先に発見した「独立行政法人自動車技術総合機構審査事務規程」を示しても、彼らのマニュアルである「自動車検査業務等実施要領」の根拠となる法律「道路運送車両の保安基準の細目」を引っ張り出しても、マニュアルに書いてないことはできないというのだ。

同じところから分かれても、準拠する法律は同じはずだけど、、、。

元の運輸局がダメということを派生した現場の審査機構はOKと言ってるってこと?と、その辺りの関連資料や法律の根拠を出典を示して再度問い合わせたが、やはり「書いてないことはできない」んだって。

まあ、先に書いたようにトレーラーサイドでことを運べばいいだけのことなんだけど、ヘッド車の車検証にけん引能力を書き込んでもらえたら次のようなメリットがある:ヘッドの車検証には曳くことができるトレーラー総重量が何kgまでとだけ書かれるので、それ以下であれば別のトレーラーでも構わない臨時に他人のトレーラーを曳いてもいいし、トレーラーを買い換えて登録する度にヘッド(けん引車両)であるFiat 500の形式をいちいち車検証に書き込んでもらう手間が省ける

たかだかそれだけのことでも、役所が法律の適用を間違っているか、少なくとも見落としているのなら、何とか権利は行使させてほしいもんだ、、、と思った。

しかし、何度か運輸支局や軽自動検査協会へ足を運び、担当の人と直接話をし、また電話でも10回は下らないやり取りがあった、が結局は運輸支局の方は何の進展もなく撤退に終わりそうだ。

とほほ、、、

ただし、合法的なけん引は行えるんで、ま、いいんだけどね。。。(マケオシミ)


旧車 Fiat 500のトレーラー連結検討5

陸運支局という国交省の出先の役所はユーザー車検でよく行く車検場のあるところだ。先日もFiat 500の車検でライトが暗くて苦労した場所。役所の担当の女性職員はとても親切に法に照らして非力なFiat 500でトレーラーを曳けるかどうかを検討してくれた。

結論から言うとダメだった。しかし、その人が「引っ張る方のクルマに何キロまでのトレーラーならOKと登録するのではなく、トレーラーが小さいのだったら軽自動車として登録すれば、手続きを行う軽自動検査協会で別の式を使うかもしれないのでトレーラー側の車検証にFiat 500で曳く旨を書き込める可能性はある」と自分の守備範囲外の示唆をしてくれた。杓子定規な役所としては珍しいな、と思った。

実際、すぐとなりにあるので行ってみた軽自動検査協会では、規制が緩かった時代の旧車は別の算定方法で登録ができる、という返事がもらえた。(ここまでは前回までの「旧車 Fiat 500のトレーラー連結検討1〜4」に書いた。

1,現行の式:
Gcw≦164.51×kW{121×PS}-1900   (kWまたはPS)

2,旧車用の式(昭和49年3月31日以前登録のクルマ):
Gcw≦220.26×kW{162×PS}-2530

GCW :連結車両総重量 kg =795kg
kW{PS} :牽引自動車の原動機の最高出力 kW{PS} =22PS

1の式では計算の値が762kgで、Gcwの795kgを下回ってしまう。2の式では値が1034kgとなり、Gcwの795kgより239kg上回る。

なので、軽自動検査協会で登録すれば合法的にFiat 500でトレーラーをけん引できることになるのは間違いない。

一方、運輸支局には旧車に対する式は彼女らマニュアルに載ってないので適用できないと言う。つまり「曳いちゃいけない」とは言わないが「曳く能力がないから登録しない」という門前払い。納得行かないのは、引っ張る方(ヘッド)からはできないのに引っ張られる方(トレーラー)からなら大丈夫、ってのが理にかなっていないこと。

で、家であれこれ調べたら、軽自動検査協会が使ったのと同じ「旧車用の式」が普通車を実地検査する車検場のマニュアル「独立行政法人自動車技術総合機構審査事務規程」に出ている。そして、その根拠となる法律は「道路運送車両法」やその施行規則、細則、保安基準などで、具体的には「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示【2003.09.26】別添96連結車両の走行性能の技術基準)」になる。

これ見っけたときはちょっと色めき立っちゃった。

(「独立行政法人自動車技術総合機構審査事務規程」別添8↓) 連結車両の走行性能の技術基準

(道路運送車両の保安基準の細目を定める告示【2003.09.26】別添96(連結車両の走行性能の技術基準↓)道路運送車両の保安基準の細目を定める告示【2003.09.26】別添96(連結車両の走行性能の技術基準)