Fiat 500 夏バテその後

チンク嬢が全く動かなくなって、その原因が始めは暑さによるコイルの故障と疑ったが、すったもんだの挙げ句にコンデンサーだと判り、無事エンジンがかかるまでの顛末は先の投稿で述べた。

元のコイル不良は濡れ衣だったが、ハーレー・ダヴィッドソン用の2気筒同時点火コイルに替えた結果、エンジンルームがスッキリしただけでなく、ディストリビューターが不要になり故障や不調の原因が僅かながら減った。さらに、気持ちエンジンの回転がスムーズになったような、力が出るようになったような、、、

よしっ!これで直った・・・ と思ったのもつかの間。次々と異常が発生。

1,電極の折損

オリジナルの真鍮製電極ボルトはナットから飛び出ていないので見えない

エンジンルームの写真を撮っていたら、コイルの電極ボルトが触りもしないのに、ポロっと折れた、、、。明らかにトルクのかけすぎが原因。ボルトが真鍮だということ忘れて鉄のネジくらい締め付けちゃったようだ。

修理後、手前のボルトが長くなり、根本にもナットが付いているのが判る

あまりに恥ずかしい失敗に慌ててしまい写真を撮らなかったが、折れた部分に穴を開け、元と同じM5のタップをたててステンレスのボルトを植えた。

2,配電盤ターミナルの接触不良

コイルの取り付け中に1次側入力電圧が10Vと低いのが気になった。他の場所でも電圧降下があり、ワイパーがのろかったり、ヘッドライトが暗かったり、ウィンカーを出すと極端な電圧変動がおきていた。どこかに接触不良があるにちがいない。怪しいのは配電盤。

電圧はアイドリングで14V近くでている。

まるでスパゲッティのように絡みあうリード線をかき分けて配電盤のネジを増し締めをしたら電圧降下が減り、ワイパーの速度に勢いが戻った。ライトは以前LEDに換えたのでであまり効果が見えないが、ウインカーを点けても極端な電圧変動はなくなった。

3,増し締めの弊害

ところが、増し締め直後にヘッドライトが消えなくなった。ライトスイッチを切ってもダメなばかりか、メインスイッチを切っても何をしても点きっぱなし。配電盤の増し締めしたときに圧着端子のどれかが共回りしてショートしているらしいが、スパゲッティの下に20個くらいあるターミナルのネジを1個ずつ確認しなければならなかった。怪しいのも、そうでないのも全て緩めて、締め直したら直った。ヒューズが飛ぶような短絡がなくてよかった。

4,スターター不調

しかしその直後、今度はスターター・モーターが回らない。そのうちメインスイッチを入れてもメーターのランプ類や燃料ポンプも作動しなくなった。ライトと同じようなショートを見過ごしてるのかと、配電盤のスパゲッティ状リード線をいじったが何も起きない。諦めて作業していた後席から前席に戻ろうとすると燃料ポンプのカチカチ音が聞こえ、インディケーターランプ類も点灯。へ?勝手に直るか?

ネバネバになったビニールテープ

どうやら前席と後席の間に移植されたメインスイッチのケーブルに触れると接触不良が直る。。。メインスイッチはフロアパンのセンタートンネル上にあり、冬期は暖房の熱気に曝されるのに普通のビニールテープが巻かれていた。前のオーナーの電気に対する感性を疑うな。ていうか、だいたい配電盤、関係ないじゃん。なのに今急に起きる故障かね。が、今更言っても始まらない。ネバネバになったテープを外して電極を押し込んだら導通が回復。耐熱性の高い配線用のテープを巻き直した。

5,ワイパー停止位置異常

今回の一連の故障とは関係ないけど、先日修理したワイパーの自動停止でひとつ問題があった。ホームポジション(一番下)で止まらず、行き過ぎて少し上がってしまう。いや、少しじゃなく、視界に入って邪魔。ワイパーモーターに着いてるギアボックスのウォームギアのズレが原因だろうが、また燃料タンクの奥にあるモーターを外す作業は面倒だな、、、

ワイパーモーターのクランクとリンケージアームを外したところ
グリス漬けのギアとスイッチング・カム。

しかしもう、毒を食らわば皿までとモーターを取り出して分解してみたら、ギアではなくクランク軸を留めるナットを緩めるだけでクランクアームの角度を変えられた。モーターとリンケージを戻して試運転したら、ワイパーの位置ズレは改善した。

上、以前の状態↑
下、調整後↓

追記:ギヤボックス内部のナットを緩めて、一旦は症状が改善したが、軸とギヤの嵌合を無視してたので、またすぐズレが発生。以前、左ハンドル車からのモーターに取り替えたことを思い出し、予備に置いていたオリジナルの右ハンドル用モーターを確認したら、微妙に軸とクランクアームの角度が違う。軸だけ以前のものに取り替えてやったら、もちろん嵌合部分もしっかりはめ込んで、かなり改善。しかもズレも生じなくなった。。。ふう

6,燃料ポンプの台座破損

ワイパー修理で燃料タンクをずらすとき、エポキシパテでタンクの横面に接着してある電動燃料ポンプの取り付け金具がモゲてしまった。タンクに鉄板ビスを打つわけにもいかないのでシリコン系の強力接着剤でくっつけた。

破断面に強力接着剤(黒)を塗った

養生テープで仮止め
修理後(あまり美しくない!)

ポンプを外して作業をすれば防げる不注意事故。先のコイル電極折損も、配電盤の増し締めショートも同じように不用意な作業で起きた。ったく、自分自身がマッチポンプじゃね?

7,オルタネーターのプーリー破損

順序は前後するが、先日エンジンに異常が出た時に気づいたのは、今年の車検前に換えたばかりのファンとオルタネーターを駆動するVベルトが異常な減り具合。周辺がすり減ったベルトのカスで汚れていた。

痩せ細り、プーリーの底まで落ち込んだVベルト

クランクシャフト側のプーリー周辺にベルトの粉が付着

プーリーの接触面がサビで荒れているのだろうと、ボルトを外したらプーリー幅調節用のシムの下から鉄板の破片がバラバラでてきた。何枚かあるうちのシムが割れ、さらにプーリーも。。。

おそらく3本あるボルトの締め方が均等でなく、ネジ穴からクラックが広がったのだろう。破壊が走行中だったら結構大ごとだった。。。(汗)。車検前に車屋さんに点検に出したときVベルトを交換してもらったけど、その後に僕がプーリーをいじったかもしれない。記憶が定かでないので誰の責任か判らない(なんて、どっかの官僚やらいろんな怪しい輩が言うような言葉やなW)。プーリーとベルトを新品に交換して、しっかりネジを締めた。

新しいプーリーとVベルト

走行に直接関係ないが上記以外にもウィンドウ・ウォッシャーポンプも交換したし、Fiat 500が動かなかったこの10日間で、いったいどんだけ修理をしたか、、、。しかし、まだ気温の暑さでオーバーヒートする危険を抱えている。街の中をノロノロ走ると、油温が上がり、オイル粘度が下がり、オイルポンプ圧が上がらずに、アイドリングでは油圧警告灯が点灯してしまうから、危ない、危ない。

空冷エンジンだから仕方ない。けど1台しかないクルマなんで夏に乗らないわけにもいかないし、、、治療は先日入手したクーリングファンを大風量タイプに換装するしか他に方法がない。そうなるとエンジンを降ろすことになるので、車屋さんに頼もうと思う。

ポイントをいじったので点火時期の調整も必要になるし、エアクリーナー・エレメントも換えたから空燃比も変わってるだろう。それくらいはウチでもできるが、どうせエンジンを降ろすのだから、その辺はプロに任せて見ようと思う。ついでにプーリーやベルトのことも訊いてみよう。

いやいや、手に余る問題お嬢。。。

 


「Fiat 500 夏バテその後」への2件のフィードバック

  1. 要介護3のお嬢さんは見た目はともかく、後見人にいろいろ創意工夫を強いる素敵なスーパーレディですね!
    否が応でも経験値が上がります! スバラシイ!

    1. もう、モンスター化してるかも、、、
      まあ、手間の3分の1くらいは、自分のヘマで起きてるんですが、、、(笑)

      確かに、失敗することで得られる知識や技術は身につきます。授業料は高くないのですが時間と手間を湯水のように消費します。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

画像を添付 (JPEG only)

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください