XL250SのヘッドライトLED化とオーディオパイロット移設

1970年代に乗っていたころから、XL250Sのヘッドライトは暗く、その上、ハイ/ローの切り替えで一瞬暗くなるので、あまり気持ちの良いものではなかった。それは現在の車体でも同じで、ランプをハロゲンにしてもあまり変化はなかった。

で、明るくて反応のよいLED化をしたかったのだけれど、XL250SのヘッドランプはPH8という口金で、且つ昔のオフ車によくあった交流、しかも6Vという、今ではなかなか無いもの。他のランプ類はメーター照明に至るまでLED化が済んでいて省エネもいいところ。お陰でバッテリーは9年持った。それはともかく、ヘッドライトをなんとかしなければ。

ということでPH8の口金を諦め、自動車でも一般的なH4のタイプで探してみた。交流6Vに対応したものがいくつか見つかった。そしてライトの反射鏡がそれに対応し且つXL250Sの小さな径のライトハウジングに収まるものを探す。なんと旧モンキーのヘッドライトはミラーだけでなく、リングまで共通のようだと判った。モンキーはカスタマイズする人がある程度いてアフターパーツのマーケットはXL250Sとは比べ物にならないほど豊富。やろうと思えばマルチリフレクターにもできるほどだ。(ちなみに、ロービームのカットオフラインを無視すれば、Fiat 500の小さなヘッドライトとも同じ径であることが判った!)

M&Hマツシマ ハロゲンバルブ 6V35/35W クリアー PH8 7 ライト
Amazonより(商品ページへのリンクあり)
結局、モンキー用とは謳われてないが、明らかにそれを狙ったと思われるちゃっちいプラスチックケースの付いたH4用のライトアッシーを購入。ハウジング部は要らないので、ミラーだけ取り出してXLに移植した。(メッキリングはピカピカできれいだったけれど、どうもすぐに錆びるという評価が購入したAmazonに出ていたので、メッキングでコーティングしたものの予備に回すことにした)

Amazonより(商品ページへのリンクあり)
オリジナルのライトリング(写真よりはもう少しきれいなので、このまま使用)
左上が使わなかったリング、右上が同じく不使用のハウジング、右下はオリジナルのミラー、左下に新しいミラーに取り付けたH4のLEDヘッドランプ。LEDランプは大きなファン以外にも外部ユニットもあって嵩張るので、オーディオパイロットの居場所が無くなった。

LEDランプは、やはり電球色(ハロゲン色)でないと雰囲気でないしねえ。。。というわけで、こういうの買った。通販で買って、届いてから気づいたんだけど、これPH8にもできる。(笑)

Amazonより(商品ページへのリンクあり)

元々、XL250Sのライトハウジングは小さくて、中は配線とコネクタでぎっしり詰まっている。そこへ他のランプ類をLED化した時にウインカーリレーも電子化したために「カチカチ」音を出すためのオーディオパイロット(初めて聞いたときは音声ナビか何かだと思ったW)もねじ込んであったが、LEDヘッドランプには空冷ファンが付いていて、もう絶対入らない。仕方なくオーディオパイロットに出ていってもらうことになった。

シンプルなオフロードバイクの、それも今どき当たり前のライトカウルなんぞも無いスパルタンなXL250Sは、むき出しの部品をライトステー当たりにタイラップか何かでぶら下げるしかない。防水も考えないと、、、。で、ふと辺りを見たら錆止め剤のスプレーのアルミ空き缶が目に入った。オーディオパイロットよりほんの少し大きい径で、これで防水ケースが作れる、と直感。底から数センチのところで切断してオーディオパイロットを突っ込んで縁をカシメ、黒く塗ったら出来上がり。ライトステーとライトの隙間にちょうど収まった。

オーディオパイロットがライトハウジングの外に出たことで、カチカチ音が聞きやすくなったというオマケ効果までついてきて、めでたしめでたし。

あ、そんで、LEDヘッドライトは、思ったほどは明るくならなかったが、ハイ/ローの切り替えは、LED特有のキリッとした切り替わり方で、まあまあ良しと。


XL250Sのリアショック

XL250Sも購入・レストアしてからもう9年になるか。。。

レストアしたてのホヤホヤ写真
2021年2月の現状。写真の色味が悪いので古びて見えるが、リアショック以外はまだまだ全然元気。

もともとリアのショックアブソーバーは抜けてスカスカだった。路面の荒れにボヨンボヨンと揺れるので、乗り心地が悪いだけじゃなく危なっかしい。色々探してみたが、長さが40cmを超えるXS250Sのショックはタダでさえ普通じゃないのに、今となっては40年以上も前の部品は新品どころか中古でも程度の良いものは手に入らない。なんとなく姿形を似せたものはあるにはあるが、倒立(ダンパーが上に来る状態で取り付ける)での使用ができなかったり、微妙に短かったりと、これもしっくり来るものがない。

代替品が手に入らないのなら今ある物を整備するしかないな、と。本来は分解できないタイプのダンパーが付いているけど、オイルとガスのシールを替えてやればなんとかなるはず。調べてみたらオークションでXL250S用と銘打ってシールを売っている人がいた。ダンパーに封入されているガスは、おそらくオリジナルは窒素ではないかと思うけど、オフザロードを攻めるような乗り方はしないから空気で十分。オークションの説明にはチューブレスタイヤの空気バルブを取り付けた画像もあった。バネの圧縮変更に加えて空気圧の調整も行えたら微妙なセッティングも可能になる。まあ、このシールは純正部品じゃないけど、他車用でもサイズさえ適合すれば使える。少し高かったけど、ある程度のサポートもするということで買ってみた。と、喜んで早速購入。

ヤフオクより

ショックアブソーバーを分解するにはスプリングを縮めておいて中のダンパーを抜き出すんだけど、正式にはスプリング・コンプレッサーのような専用工具が要る。プロならいざしらず、僕のような日曜整備のシロートは一生に何度も使わないのに高い工具は買えない。しかし、世の中には色々と工夫して、ホームセンターで買える長ネジなど安い材料で自作したり、紐を掛けて捻って絞り上げ、バネを縮めるという人もいる。しかし、僕はそれすら面倒くさくって、バネの両端近くに長い柄のモンキーやパイプレンチを挟み込み、そこれらを長めのFクランプで締め上げることにした。

やってみたら割と簡単に行って、無事にショックアブソーバーの分解ができた。ところが肝心のロッドに錆が出ていて、再生、再利用は難しそうだった。せっかく補修シールを手に入れ、ここまでやって、やっぱアカンというのは悔しいけど、錆を落としてもまたすぐに錆びるし、それを防ぐには硬質クロームメッキに出さないといけない。

シールは無駄になるけど、ま、それは勉強代。それなら、純正じゃなくても代替品のショックで我慢してもいいか、とまた振り出しに戻って、探し始めた。

実は、中古や代替品についてはもう数年前、いや、XL250Sを購入したときから気にかけていて、事あるごとに検索したりしていたが、これ、っていうのには出会わなかった。中古はロッドに錆があればハナから論外だし、見た目が良くってもダンパーの機能がどうなのかは写真では判らないから、なかなか手が出せなかった。ていうか、ロッドが錆びてないのなんて皆無だった。

シールに無駄金はたいてから再生を諦めた途端、オランダのTheo Louwes というバイクショップがXL250Sの中古ショック(下の写真)を売りに出しているのが目に止まった。見た目の程度は良さげだし、機能もしっかりみたいなことが書いてある。後先になるがFiat 500のエンジンマウント強化スプリングもやはりオランダから買ったけど、品質の良いものが安く売られていた。ただ、送料が高い。このショックも2本セット本体税抜(海外販売は無税)€123=16,000円のところ、送料が€60で25,000円ちかくに跳ね上がった。

Shock absorbers XL250S 1978up off road used 405 L
Theo Louwes のウェブサイトより(クリックしてサイトへ遷移)

それでも、こんな状態の良さそうなものは見たことがないし、バイクショップのオーナーの経歴とか書いてあるのを読んだらガチのレーサーだったらしく、今は相当のお年のようだけど、日本製バイクのレーシングパーツとかを製作しているとかだからおかしな物は売るまい(ずっと後のものだけど、Facebookに出てる葉巻くわえて旋盤作業中の写真とか見たら、この人は信じれる!と思う)。ともかく、そのショップがちゃんと動くと言うのだから間違いない、と。

はたして、ほんの数日でモノが到着し、恐る恐る、でもワクワクしながら梱包を開いた。ジャジャーン!ピッカピカで期待以上。一点の曇りもないメッキとガス圧、ダンピング。新品じゃね?と思うほどだけど、消耗品のラバーブッシュが傷ついているところから、これが中古だというのが判る。

念のため一度分解し、傷なども調べたが、全く問題なし。スプリング無しの状態でのダンパーもガッツリ効いている。分解ついでにメッキ部分にはメッキングというクロームメッキ用のコーティングを施し、スプリングにもスプレー塗料で上塗りをして防錆。

さてさて、新しい(っても中古だけど)リアサスを組み込んだXL250Sは、まるで別の単車になったかのような乗り心地でありましたとさ。