メガネのレンズ入れ替え。

まだ40代だったころ、なんか視力が衰えたような気がして眼科に行って検査したら1.2だった。。。 まあ、若い頃は2.0以上あったので隣のバス停のバスの番号が読めたくらいだったから、医者に「問題ありませんよ。その歳なら良いほうです」とか言われても今ひとつ納得がいかなかった。したら医者が僕の不満そうな顔を見取ってか「老眼かも」とか言いやがった。「その歳」だの「老眼」だのと年寄り扱いかい!そう言われるとこんどはこっちが「でも新聞はメガネ無しで読めるんですけど、、、」と反論して、何しに医者に行ったのか判らんようなことに。

新聞など、ある程度既知の情報が並んでいたらぼやけた文字も脳が補完して読めてしまうのだとか。それまで老眼イコール遠視だと考えていたけど、遠近の調整がある程度できてもフォーカスの移行に時間がかかるのも遠視の症状だ、とも教えられた。どれも心当たりがあるので渋々納得し「そろそろメガネを作ったほうがいいですよ」とのアドバイスに従うことにした。

処方箋をもらい、メガネ屋さんへ。ジョン・レノンの丸メガネがいいなあ、とか思いながら物色していたら、なんとJohn Lennonというブランドの眼鏡があるじゃん。ご本人のメガネのデッドコピーというわけでもないけど、まあ、いい感じだったので買うことにした。まん丸レンズじゃないのを選んだ。形は非常に気に入っていたが、何分メガネを使う習慣がないので、結局はしまい込んだままになってしまった。

50になって北海道から引き上げて、西陣の町家で暮らし始めてまもなく、薄暗い階段下の上り框のところで何かを踏んづけた。その前日におっされーのつもりでほぼ伊達メガネとしてかけて外出した件の老眼鏡だった。片方のレンズが無残に割れていたが、幸いフレームにひどいダメージがなかった。

どうせ伊達メガネ代わりならレンズなんてどうでもいいやと、一番ゆるい安物老眼鏡を百均で買ってきて、そのプラレンズを残ったガラスレンズから型取りして切り出した。多分0.8とかそんな程度のレンズなので、これまた伊達メガネ同然。それが20年近く使えるとは。特に最近は、本当に老眼になってきて、ジョン・レノンメガネ以外にも百均の老眼鏡が家のあちこちに点在している始末。ただジョン・レノンのは特別で、伊達ばかりじゃなく原チャで出かけるときなどにゴミや虫よけゴーグル代わりに重宝していた。白状するとスマホ見るのにも、、、

しかし、使用頻度が増えたため、安物でコーティングもなにもないプラレンズは傷と曇りが目立ってきた。そこで、同じ手を使ってまたレンズをでっち上げることに。そう考えていたら、突如、何も触ってないのにレンズがぽろりと外れた。何と、レンズを固定する微小なビスの頭が折れていた。ぼちぼち寿命か?と思いながら、針金で固定する方法とか考えたけど、ここはひとつ、餅は餅屋で、家から遠くない小さな眼鏡屋さんに持っていった。

メガネ店のご主人曰く、今どきのメガネはチタンで錆びないけど、これは少し緑青が浮いているから、直しても長持ちしないかも、だって。また折れ込んだネジを抜くのも、そのあまりの細さで、大きいネジを逆タップ立てて抜くようにはいかないとも。それでも、なんとかネジを撃ち抜いて、大きめのタップでネジを切り直せば使えるようにはできる、と修理を引き受けてもらえた。この手の修理は、最近はあまりやらないのだとか。百均メガネと違い、ちゃんとしたメガネ屋さんで扱うものは材質も製造技術もずっと良くなってるから、簡単には壊れないのだろう。つまらない、金の取れない修理なんだろうけど、嫌な顔せず、ていうかむしろ腕の見せどころとばかりに詳しく説明してくれて、翌日には完成していた。

ともかくメガネが直ったので次はレンズ。プラスチック製で、サイズが十分大きく、度数の低い百均老眼鏡をなんとか探し出した。枠からレンズを外し、裏表に傷よけのマスキングテープを貼り、元のレンズをテンプレートにして輪郭を転写し、糸鋸で切り出し、縁をベルトサンダーで整え、周囲の厚みをメガネ枠の溝に嵌るよう削った。それをネジが直った枠に取り付けて完成。(あわよくば遠近両用2焦点に、とトライしたが、それは失敗)

新しいレンズのメガネをかけて、このスッキリした透明度、、、どっかで感じたことがある。と思ったら、いつぞや台風で割れたFIAT500のウインドシールドを新品に取り替えた時と同じだった。(次は老人性白内障で濁った水晶体を人工レンズに入れ替えるときだろうな。W)


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