「Kungsleden」カテゴリーアーカイブ

ロシアビザ

ロシアビザを申請してきた。場所は在大阪ロシア領事館。なんでか豊中の中途半端な場所にある。普通なら大阪市内に場所を構えるだろ?大国なんだからさ(笑)、って思うけど。。。

ともかく、阪急とモノレールを乗り継ぐのがめんどうで車で行った。駐車場が見つからなくて、門の近くに立っていたおまわりさんに尋ねたが、テロ頻発の世界情勢の折だし、ましてあのロシアだから物々しい警備を想像してたのに、まるで緊張感ゼロ。警察きらいなんだけど、まあ普通に会話のできるレベルの人だった。帰りにiPhone出して周辺の写真を撮るけどいいよね?って訊いたら「記念にって撮ってる人、けっこういますよ〜」って。和やかにお別れしてきました。

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それよりもロシア領事館の建物がなんだか禍々しい。軽やかに見せるためか真っ白に塗られた頑丈そうな壁が周囲に巡らされている。鉄格子の扉を警官にあけてもらって、中にはいると建物自体も威圧感の塊のようだ。立派な正面玄関には全く開放感がなく、近づくのも拒絶してるみたいに思えた。公式の行事でもない限りここを通る客などいないのだろうな。

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ビザを申請したり受け取ったりするのは、その玄関の向かって右脇にある小さいドア。入り口にインターフォンがあるけど、押しても誰も返事してくれないので、勝手にドアを開けて入った。(せっかく入り口に立派なLCDの案内画面が設置されているのにGUIがぶっ飛んでCUIベースの画面にShell Commandが、、、おいおいシステム丸見えだぜ。

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中は6畳ほどの空間に外人2人、日本人が3〜4人が順番待ちしていて、そこへ僕が加わってなんか狭苦しい。窓口は2つあるけど、1っこしか開いてない。こんな所で立ったまま待たされるのは嫌だなあ、と思っていたら、割りとすぐに、いかにもロシア人って見た目の、あいそのない兄ちゃん職員が対応してくれて、パスポートと、電子申請をしてプリンターで打ち出したビザ申請用紙、ネットで取り寄せたこれまたプリントアウトのバウチャーを渡した。

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ほんの5分ほどの間にどんどん前の人の処理が済み、あっという間に僕の番が来て、ドアから出てきたお兄ちゃんが無言で紙切れを差し出した。すぐに受理されたってわかったので、ホッとしてロシア語で「ボリショーイェ・スパシーバ」(どうもありがとう)と礼を言ったら、「フフゥン」という外人のよく使う返事が返ってきた。受取日を確かめて別れ際に、知ってるロシア語総動員して「ブラガダリュー・ヴァス。ダスヴィダーニヤ。ドーブルィ・ヂェーン、パジャールスタ」って言ったら、無言でニコってした。多分、ちゃんと通じたんじゃなく、なんともケッタイな、、、と思われたのだと思う。(英語では別れ際に「グッディ」とか言うのはおかしくないけど、ロシア語は知らん。。。知らんのに使いたがる(笑)。しかも最後のバジャールスタの「どうぞ」ってのはひょっとしたらお願いするときだけに使うのかもしれない。今思うときっと変なんだろうなあ。。。「どうぞ好い日を」ってつもりだったんだけど。。。)

ロシアの観光ビザは発給まで2週間待つことができたら無料。今日行って明日くれってのは何万円かかかるらしいが、、、 こっちはまだ時間があるので、受け取りは来月の9日ということになった。

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ちなみに、雨の日に在大阪ロシア領事館に行く人は、玄関前の大理石(だったか御影石だったか)の床が濡れて滑りやすくなっているので、ご注意!(僕は危うく転びそうになった)


この線路の向こうには何があるの?

今、シベリア鉄道の切符予を約中。バックでは『さらばシベリア鉄道』が流れている。あれこれ調べてRussian Railwaysのサイトに行き着くまでに、大滝詠一のこの曲も引っかかってきた。

スクリーンショット 2016-07-17 19.41.39Mod昔の連れあいが彼のファンでLPをよくかけていたので、大滝詠一の曲を聴くといつもあの頃の記憶が鮮明に蘇ってきて辛くなるんだけど、、、

一方、親しい友人のミュージシャンが彼へのオマージュとしてカバーしたりパロったりしていて、そういう新鮮なフィルターを通して聴くと、たとえほろ苦い思い出にも懐かしさを覚える。ああ、今はそっちのバージョンを聴きたいなあ、、、 (でもいろんな事情で今すぐここでは無理。ふう、、、)

2016-04-14 12.41.03Mod大滝詠一は何故か折に触れひょこっと顔を出す。この春も、朽ち果てた倉庫の整理をしていたら泥の中から彼女が残していったアルバム『Each Time』が出てきて、どきっ!『ロンバケ』もその辺りに埋まってるに違いなかったが捜さなかった。(カーペンターズの『Now and Then』も一緒にくっついて出てきたけど、それって皮肉?昨日はもう戻らないのにさ、って。)

来月、ウラジオストクの駅に立ったとき、あらためてその線路の向こうには何があるのかと思いを馳せるだろう。シベリアを越えてモスクワ、ヘルシンキ、ストックホルム、さらには15の時に憧れたKungsledenを歩いて最果ての地、ラップランドまで行き着けたら哀しい瞳のトナカイに遭うかもしれない、、、と今から遠い目。


DVD from Sweden via Germany

スウェーデンからドイツ経由で日本着
スウェーデンからドイツ経由で日本着

ドイツに居る友人に頼んでDVDを送ってもらった。まだベルイマンもなにも知らない中学生のころに観たスウェーデン映画。原題は「Kungsleden」(王の道)という。

主人公の男性が元の恋人と10年前に交わした約束で、王の道と名付けられたトレッキング道をたどり先を行く彼女を追うが、その追憶と幻想がやがて妄想となり殺人を犯してしまう。半子共/半大人だった僕には難解な筋立てだった。日本では内容とはかけ離れた「太陽のかけら」という題だった。

性描写があるのに18歳規制はなく、毎朝鼻血を出すようなガキンチョだった僕は半分それが目的で行った。しかし見始めたら、色も明暗もネガ反転されて何がなんだか、、、なセックスシーンも、現実と妄想の区別が付かない複雑なストーリー展開もさておいて、舞台となった王の道の美しさに惹き込まれてしまった。山歩きが好きだった僕には、日本の山道とはまるで違うスウェーデン北部の岩と苔の大地の上を緩やかに延びるトレッキング道はまさに別世界だった。

以来ずっと、いつかスウェーデンに行かねば!王の道を歩かねば!と旅の幻想に耽ってきた。そして気がついたらいつまでも若いと思っていた自分が60代も半ばを過ぎようとしている。なのに若いころに映画の中で見た王の道の情景は半世紀を経た今も新鮮に蘇る。

それが新鮮なのは幾度となく思い返しては反芻してきたからかもしれない。記憶とはそうやって保たれるものだ。溜め込んだ思い出は、引き出しの奥で腐ちるのを免れたとしても、時とともに都合よく熟成されやがては変質するし、古びるのを防ごうと出し入れを繰り返せばその度に断片した記憶の再構築や美化がおきて、やはり変質する。ま、美化であろうが変質であろうが、記憶の精度を競う暗唱大会じゃないんだし、別にいいのだろうけど。。。

やがて歳を取り変質した思い出さえ失くしてしまう前にスウェーデンへ行き、王の道を歩き、映画で見たあの情景の中に身を置いて思春期の自分に会ってみたいと思う。子どもから大人への狭間に憧れた場所へ、成人から老人になりつつある今の自分が時空を超えて旅をするというのも悪くないタイミングだ。

北欧の短い夏が終わる前に、あの頃思い描いたシベリア鉄道に乗ってアジアとヨーロッパを横断して彼の地へたどり着くという夢を実現できたら、と思っている。そして先ず追憶の旅の手始めとしてあの映画「Kungsleden」を今一度観てみたかった。

日本で「太陽のかけら」のDVDやビデオテープのタイトルは出ていないようだ。英語圏では「My Love and I」という題名で公開された英語字幕版があったようだが見つからない。やっと探し当てたスウェーデン語のDVDは日本への出荷ができないという。そこで一旦ドイツの友人宅へ発送し、そこから日本へ転送してもらうことにした。友人はこの夏に日本へ一時帰国するので持って来てくれると言ってくれたが、とてもそれまで待てなかった。今、手元に届いたパケットを開封するのももどかしいくらいだ。一刻もはやく観たい!なのに、急ぎの仕事の真っ最中。ああ恨めしい!(しかし、これが我慢できる大人になったんだなあ、、、ふう)

今日明日にも仕事が一段落する。いや、させなくちゃ。そうすれば心置きなく映画に浸れる。せっかく大型プロジェクターを導入して150インチの大画面スクリーンを作ったのにせいぜいYoutubeしか観てなかった。本格的な映画(残念、ハイビジョン画質じゃないけど)を上映するのはこれが初めて。

(しかし、このダサいジャケットは何じゃ?せっかくの「美しい思い出」が台無しじゃん・・・ (@_@;)
間違えたかと思った。内容までこんな程度でないことを祈るばかり。。。)


今月10日(日)の参院選投票後、夕方から上映会をしたいと思います。一緒に観たい人があったら、どうぞ。無料です。著作権の問題で、たぶん不特定多数には公開できないと思うので小人数の「友人」に限りますが、、、(友人の定義は各自勝手に決めてください)。あと、ここ原谷は学校も郵便局すらもない僻地です。北大路ターミナルからのバスは日に5本しかありません。それでも来たいという希望者はこのメアド↓okaponkoji+kungsleden★gmail.com (★=@)
へ連絡ください。このブログコメントは不可、それにFacebookコメやTwitterもダメです。(Messengerは、、、まあ、OKかな)