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玉井節子展(Tシャツ)
  @ギャラリー 西荻43 

ン十年来の、というか僕が「美術」というものを始めた時の最初の友人(ミーコ)から、毎年やっていたけどコロナ過でお休みしていたTシャツの個展を久しぶりに開くってお知らせが来た。

個展を西荻のギャラリーで実際に見たのは一度きりだけど、、、あれ?見てないか。。。長い付き合いで案内も何度ももらってるし、西荻はちょっといろいろ関わりがあった場所なんで、行ったような気になってるが、、、。あ、京都駅の手芸だかクラフトだかの催しに出品してたなあ。あれは確実に見た。「手芸」が趣味でやってるようなオバサンたちのそれとはまるで異質でレベルの次元が違い過ぎていたのが、めっちゃ場違い感いっぱいで、それはそれでモーレツに異彩を放ってはいた。(笑)

ま、それはともかく、彼女の才能は僕らがまだ学生だった頃から尋常ではなかった。その頃の彼女の油彩作品には、間違って入った美術の学校で生まれて初めて油絵の具に触れた凡庸な僕にはとてもじゃないけど描けない、何かこうドロドロと猥褻なもの(と言っても具体的な変なモノが直截的に描写されているわけじゃない)が画面の其処此処に顔を出しているのだった。(念のために書いとくけど、彼女自身は意識的にスケベなフォルムを描出してはいなかったと思う。そういうモノを見出してしまった僕の方に精神的な問題があったのかもしれないが、、、)

その後、東京に移ってジブリや大友作品のアニメの特効で名を馳せ、南天というアニメーターたちが集う店(お酒が飲める素敵な小さい所で、僕は酒を飲まないけど本当に美味しい手料理って感じの食べ物がいただけた。入れ替わりの激しい吉祥寺で15年も続けたこと、どれだけ凄いことか、、、)を切り盛りし、時代がデジタル化してからもまたPhotoshopどころか3DのMaya(だったかな)を駆使する特効の仕事に返り咲いている。って簡単に書いたけど、如何にセル画時代に培った腕やセンスがあったとしても、仮想空間でテクスチャマッピングやトランスペアレンシーを自在に扱う知識や技術を身につけるのは、若い子ならともかく、還暦をとっくの昔に過ぎた僕らのような者がそうそうできることじゃない。それもプロのレベルで!

そんな異能の画家、いやアーティストが何年も前から、組織の中でパソコンのソフトウェアを駆使するアニメの仕事とは別に、その対極にある手書き一品もののTシャツデザインをやっているわけ。初めて案内もらった時は、その絵柄の「スッキリ」さ加減とは逆に違和感というか、ある種の「それじゃない」感があった。それは昔の、若い頃のあのドロドロなスケベモチーフが僕の脳裏に焼き付いていたからだと思う。しかしそれも、そんなのが好きな変態だった僕の偏見みたいなもんで、改めて彼女の歩んだ道を考えてみたら、俄然Tシャツの絵柄が素敵に見えた。そんで、それでもやっぱ其処此処にあの尋常じゃないものが見えるじゃない!(僕の目に狂いはなかった、、、ていうか、彼女の才能も僕の脳ミソもおかしなレベルで普通じゃないんんだろな。もっとも、下の案内ハガキの絵は、そんなふうでもないけどね。ただ、裾の波模様はギザギザというより、僕の乱れた脳波のように見えてしかたない。)

©Tokiko Tamai 2022

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ああ、ミーコの描いたTシャツ、欲しいなあ、、、

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