昨夜は友人が副住職をしている常磐の西方寺の傍にある小さな八幡宮、天王社の宵宮だった。暗くなってから行ってみたら凄い人出。子どもたちは道を挟んだ寺の境内まで溢れでて来て、本堂の前で段に座ってゲームしたり焼きそば食べたりしてはしゃいでいた。
僕も少し夜店で買い食いをしてみた。でも、一人じゃあ淋しいんでお寺に挨拶に行くと、ちょうど友人が出てきて座敷に上げてもらった。和尚や奥さんに挨拶していたら、促されて本堂のお茶席へ。和服姿の妙齢の女性たちとお薄を一服。寺のお母さんが寺の庭の丹波栗で作った渋皮煮を茶菓子で頂いた。
そうしている内に、本堂に置かれたピアノで、幡枝の妙満寺から来た坊さんピアニストのつっちーこと土持くんの演奏会がはじまった。その穏やかにたゆたう旋律は、窓の外ではしゃぐ子どもたち声や天王社から流れ来るさざめきとは全く対象的なのに、それらが混ざり合っても不思議に耳障りではない。気持よく眠気を催して、二度ほど椅子から落ちかけた。目を開けたら本尊の前の畳の上に寝て聴く人たちも。。。
演奏の終わり際に天王社からちょっと上機嫌で戻ってきた和尚が、つっちーの演奏を初めて聞いて嬉しくて、何やらくっちゃべっている。知り合いの女性から 「静かに!」と注意されてもどこ吹く風。曰く、「音楽は耳を傾けて聴くものやない、聞こえてくるものこそが良いのや」と。なるほどその通りの演奏会だった。
宵宮は寺の祭りではないけれど、人の集まるこの寺の目指しているものが凝縮された夜だった。
追記:
つっちーは演奏同様穏やかで、一見おぼこい風体なので、土持くんと書いてしまったが、和尚と後で話した時「わっしゃ、あの住職の演奏をいっぺん聴きたかったんや」と言ったのを思い出して、調べてみたら、幡枝にある由緒ある妙満寺の塔頭、大慈院の住職だった。知らずにあだ名や「くん」付けで呼んでいた。。。失礼しました。 m(_ _)m