割れたTEXミラーの復活 FIAT 500

クラシックMiniによく使われている英国Tex社のミラーを取り付けて早半年。ナス形のスッキリした外観はとても気に入っていたのだが、ある日、角度を調節しようと鏡面を掴んで捻ったところ、パシッと音がしてガラスに亀裂が入ってしまった。シマッタ!バックプレートはぺらっぺらのステンレス薄板だからもう少し慎重に扱うべきだった。でも遅かりし。

Texはミラーヘッドだけ売っているし、日本でも入手可能だが、5〜7000円とやたら高い。ヤフオクで安く出ていたがコンベックス(凸面)ではなくフラットな鏡面。ただでも小さいのにフラットだと後方視界も狭まってやだ。

いつもの自作

そんで、安く上げるためにミラーヘッド全体ではなく、鏡面(ガラス部分)だけ取っ替えることにした。幸い割れた鏡面は粉々になってないからそれを型取りして、中古のミラーから切り出そうという寸法。前の赤耳ミラーから取り外す手もあったが、壊れてないのでまた使えるかもしれないし、ユーノスロードスターの初期型のミラーは少ないのでそれなりの値段で売っとばすことも可能。ヤフオクでドアミラーの鏡面のみなら送料込みで1000円もしない。

下準備

熱いお湯に割れたミラーをミラーヘッドごと浸してパッキンを柔らかくしてから引っ剥がすと鏡面はバックプレートから簡単に外せる。

Try 1(失敗)

まず手に入れたのはBMWのブルーレンズのミラー。しかし、切り方が解らず、ガラス屋さんがジジーッ、パリンとやってるダイヤモンドガラス切りを使ったが、敢え無く失敗。思った線で割れてくれない。曲線は難しい!

Try 2(失敗)

次にワゴンR用のを手に入れた。同じ失敗は繰り返さないため、小型のリューターを買った。1500円でもう一本タダって、2本も要らんし。ま、小さいので邪魔にはならない。今度はダイヤモンドカッターディスクで流水を当てながら慎重に切り出した。しめしめ上手くいった。(水が跳ねるのでペットボトルのネックを使った自家製カラーを取り付けた)

鏡は元のサイズかたちピッタリに作ったので問題なくバックプレートに嵌った。プラスチックのパッキンをお湯で温めて柔らかくし、鏡の周囲の隙間に詰め込んだ。うーん、、、あまり美しく納まらない。押し込んだパッキンが鏡の上下の長辺の中央部分でハミ出してくる。また熱いお湯に浸けて柔らかくしてグイっと押し込むと、パシっ!どっかで聴いたような音とともに鏡面にひび割れの筋が一閃。あちゃあ、、、 (;´д`)トホホ…

気づき

これって、あれじゃない?欠陥。凸面鏡を横長に切り出したら、緩い鞍形になる。ところがバックプレートは平面に作られている。パッキンがはみ出てしまうのはその鞍形の頂点とバックプレートの縁との隙間が狭くなっているからだ。それを無理に押し込んだら2mmほどのガラスは堪らず割れてしまう、と。元々の破損の原因もこれじゃね?

浅いお椀形にプレスされているバックプレートを鞍形の鏡に合わせて反り返るように曲げるのは容易じゃない。それで長軸に沿って凹ませるように曲げることにした。これは完全に曲線を添わせるわけじゃないけど、鞍形の両端を凹みに落とし込むことで狭まっている部分である程度の隙間を確保できるはず。(下の図では鏡の曲率やバックミラーを曲げた部分の形状を誇張してある)

下の画像は未修正のミラー。黒いパッキンがはみ出ている。

Try 3(なんとか、、、オッケー)

満を持して入手したムーヴのミラー。下1/4の曲率が大きくなっていて後方下部を見るための」無粋な補助ミラーを付けなくても良いし、願ったり叶ったりじゃん。先のワゴンRミラーでコツは掴んでるから手際よくカット。大きいので2枚取れるし。

整形したバックプレートは上下の辺の間が狭くなっているので、鏡も前2つより若干狭めておいた。その他、若干の修正を施してバックプレートに装着。パッキンも思い通りに嵌った。

めでたしめでたし。

車体に取付

散々あーだこーだの挙げ句、運転席側のドアミラーは復活。何か進歩とかがあるわけじゃなく、割れたミラーで不便だったわけでもなく、強いて言えば車検に通る状態に戻っただけ。曲率の変化も下方確認にはあまり役に立たない。無いよりマシな程度。

でも、まあ、バックプレートの修正で鏡自体は前より割れにくくなったかも。多分。


追記:

結局ミラーに3000円ほど、リューターに1500円。それでも5〜7000円もするミラーヘッドを買うよりは安い。(英国Tex社の直販ならミラーヘッドは3000円ほどだけど。2000円ほどの送料考えたら同じくらいか?)