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FIAT 500 ワイヤリング・ハーネス全交換(DAY6)

本日の作業:チョークワイヤ固定ボルト復旧、ダッシュボード裏の残存配線撤去、バッテリー「+」ケーブル敷設とターミナル取り付け完了、各種グロメット取り付け、コラムスイッチ配線整理、ヒューズボックスのジャンパー線取り付け、配線図修正



バッテリーケーブルの敷設完了。これで新しいワイヤリング・ハーネス敷設に向けて一通りの準備が整った。今夜は記事を書く時間がないので写真だけ。

明日、Day7の前にもうちょっと詳しく書く予定。


蒸し器 試運転 その3

小綺麗に作った檜の外箱が、一回目の試運転で構造(強度)上の欠陥をさらけ出したので、補修と補強を行って、再度挑戦。

まず、一番の問題は外蓋の強度。外箱の胴と同じ25mm厚の檜材だが、枠の部分の幅が5cm程度と狭い。そのため各コーナーの接合にはステンレス木ネジがそれぞれ一本ずつしか使えなかった。板の幅が狭く、熱と湿気でも反らないだろうと踏んだからそれで間に合うと思った。ところが枠より、その上の天板の変形応力が大きく、隙間が開くだけでなく枠の接合を引っ剥がしてしまったのだ。

解決策として、4つのコーナー全てに裏側からL字金具で補強を入れること。そして、天板の継ぎ目(稜線)の上から金属のアングルをネジ止めして変形を防ぎ、隙間が開かないだけでなく、枠にかかる力も低減する、という対策を考えた。アングルの角度は90°だけど、ゴム槌で叩いて稜線の角度に合わせた。ビス止めする前にアングルの内側にたっぷり耐熱接着剤を塗って、たとえ僅かな隙間ができてもそれが蒸気をシールしてくれるはず。見た目は何か無骨で美しくないが、仕方ない。実用性と耐久性が第一。

今一つの問題は外箱胴の板が反ってきたこと。胴板は湿気を吸った場合に自然に反り易い方向を考えて木裏を外側に組んである。しかも全ての板の内側中央には反り止めの溝を切ってある。ところが蒸した時に発生する温度・湿度の内部と外部での差の大きさから、内部のほうがかなり膨張して、歪みが生じてしまう。特にコーナー付近でこの歪みが顕著なのは、接合部分の気密性を保持するには、反り止め溝を板の両端までは彫れないためだ。

そこで、第1回目の試験終了後に胴をよく乾かしてから反った板を元に戻すため、長いクランプで挟み、絞り上げておいて、追加の木ネジを打ち込んでやった。最初のような釘隠しのダボを打ったりする元気はない。木ネジの頭が露出してるのは無粋だけど、背に腹は代えられない。いや、たとえが違うか、、、。ともかく、見た目より、ちゃんと使えるものであることが大事。

そこら中にステンレスのコーススレッドを打ちまくって、たぶんこれで大丈夫だろうという処置はした。(ま、その前も「これでだいじょうぶじゃね?」とは思ったんだけどね)

で、前回の試運転に準じた方法で加熱テスト開始。(2.6kw  2300kcal/hのカセットコンロ+250gのガス)

鍋の水を前もって沸騰するまで加熱しておいた。したがって蒸し器にセットした状態で、再度沸騰してからガス切れまで、高温(水温100℃)の時間が長くなるので、ある程度は箱内部での凝結による水のリサイクルがあるとしても、揮発して失われる水の量も増えるに違いない。そこで、前回より1リットル増しの4リットルでスタートすることにした。

内部温度は22℃ほどだったが、熱い鍋をセットしただけで数秒で40℃あたりまで上昇した。その後コンロに点火すると順調に温度上昇が続いた。それでも、外箱が冷えていたせいか、90℃を越えるのに27~8分はかかった。目標の98℃に到達するのにおよそ44分。

今回の最高到達温度、99.8℃。

仮にここまではプレヒートだとして、これ以降が実際の「蒸し」の時間となるのかもしれない。僕は染色をやらないので判らないが、実際には作家さんだって試行錯誤するしかないだろう。今回の場合は、98℃に達してからガスが切れるまでの時間が約42分あった。ちなみに最高温度はスタートから80分の99.8℃。火力の弱いエココンロで、且つ鍋の水面から60cmほど離れていてこの温度は優秀だと思う。

さらには、木製の箱は温度上昇が遅い代わりに、ガス切れの後も温度が下がりにくいことが判った。ガス切れてから加熱なしで98℃を下回るまでに6分30もかかったことから、実質は48分30秒間、98℃以上の蒸し時間を確保できていることになる。さらに、98℃に至る前の段階でも低音ではあっても、それなりに蒸しの効果は出るだろうと思われる。つまり、ガスをまるまる1本使えば、実質1時間くらいの蒸しに相当するのではなかろうか、、、。

使用したカセットコンロはエコタイプのもので発熱量が少ないため、ずっとガスは全開だった。それを一般的な3.5kw (3000kcal/h)のタイプにすれば、もっと温度上昇にかかる時間が短くなるだろう。その代わり、全開では燃焼時間も短くなるので火力を調整して無駄に捨てる熱を減らせば、さらに効率的な運用ができ、蒸しにかけられる時間も長くなると思う。

高温で沸騰する時間が長くなった分、蒸発量も多くなり、4リットルでスタートしたのに最後に残った水は0.7リットルしかなかった。ガスのカセットを交換するなどして長時間の蒸しを行うときには更に大量のお湯を入れておくか、途中でお湯を足す必要がある。足す場合は鍋を下ろす昇降台が役に立つだろう。お湯を足さなくても、残量が心配になったら鍋を下げて中を見ることもできる。

補修と補強の結果、今度は蒸しが進行し、外箱や外蓋の筐体内外の温度・湿度が上がっても、顕著な反りや蒸気漏れは見られなかった。もちろん接合部分の外れは隙間もなし。外蓋の胴板に若干の反りが発生したが、蒸気が漏れるようなものではなかった。ただ、外箱内面で凝結した水が鍋に回収されなかった分だけ外箱の底板に開けた乾燥用の孔から滴り出てきた。ものすごい量というほどじゃないんで、タオルを突っ込むか、スポンジ等で蓋をすれば良いのかもしれない。(あるいは内部の水切り板を設置する必要があるかも、、、)

ともかく、実用にはなりそうな気配。やれやれ、、、やっと終わりが見えた。