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彼者誰時の肖像 不動茂弥先生のこと
中学のとき、僕は美術の作品を完成できず、当然、提出もできない子だった。頭の中にある構想と、それを具体化する手先の技術のギャップがあまりに大きく、出来上がりつつある(いや、うまく出来上がらない)作品に我慢できずゴミ箱に放棄してしまうからだった。
絵を描き、粘土をひねって造形する技術は普通の子供よりは優れていたと思う。なのに、想い描くものを形にできず、中途半端なまま時間切れになって放棄、つまり本当に捨ててしまうのだった。
そんな僕に「君のやってることは面白い。見込み点で4をあげるから、来学期はちゃんと作品を出すように。そしたら5になるよ」と言ってくれたのが中3のときの不動茂弥先生だった。(次の学期も、その次も、結局は何も出せなかった。けれど評価は1にもならなかった。)
不動さんとは、中学卒業後に何かの拍子ですれ違うようにお会いしたことがある。「君は英語が上手だったねえ」と、美術ではないところも憶えてもらっていた。あの頃の倍も歳をくって、僕が30になり、遅まきながら中学の美術教諭になったとき、不動さんはまだ在職中だったはず。だが、僕はたった3年で辞め、お会いする機会もないままアメリカへ留学してしまい、それっきり。
教員時代は、校内暴力や学級崩壊でてんやわんやの下鴨中学校で、暴れる生徒を追いかけ回していた。自分自身がハミ出しの子供だったからヤンチャどもの扱いは慣れていたが、それを期待されるがゆえに本業の美術をまともに教えさせてもらえないという不満から退職を選んだのだけど、もしも不動さんにお会いして話を聞いてもらっていたら僕は何か違う選択をしていたかもしれない。そして今、教師を辞めた歳の倍以上になり、ふと気がつけば不動さんは数年前に亡くなっていた。
2017年には京都国立近代美術館のコレクション展で「追悼:不動茂弥」として9点の作品が展示されたというが、それすら知らなかった。そのうちのいくつかは僕が中学生として不動さんに「習っていた」時代のものだ。観てみたかった。https://www.facebook.com/momak.go.jp/photos/a.1574932206090444/1832271070356555/?type=3http://www.momak.go.jp/Japanese/collectionGalleryArchive/2016/collectionGallery2016No06table.html
戦後間もない京都で絵専、美専(後の京都市立芸大)出の若い芸術家たちが立ち上げた前衛グループ「パンリアル」に不動さんは最若手として最初から参加している。しかし、僕がそのことについて知ったのはずっと後になってから。自分自身は群れることが嫌いで美術のグループなどには属したこともないが、なぜかパンリアルの「活動の黎明」には興味が湧く。今もあるパンリアル美術協会に入りたいとはゆめゆめ思わないが、その礎となった『パンリアル宣言』の「曳光は轟き磒ちた。フォーヴ、ダダ、シュール、アブストレー……一切のエコールが碎け、今怒號と暗黒の渦まく巷で、藝術は明日の蒼空を掴もうとみもだえている。吾々は日本畫壇の退嬰的アナクロニズムに對いてこゝに宣言する・・・」には、そのどこか青くさく反抗的な若者の言葉らしいみずみずしさに心惹かれる。
生前、不動さんに直接お会いしようと思えばできたはず。まして作品を観ようと思えばいくらでも機会はあったのに、、、無為を悔やんでも遅い。ただ、いまさらではあるけど、不動さんがパンリアルの黎明について纏めた『彼者誰時の肖像 : パンリアル美術協会結成への胎動』の古書を見つけたので、若き日の不動さんやその諸先輩方の情熱に触れてみようと思う。
※『彼者誰時の肖像』の「かはたれどき」とは、人が誰か判別できない薄暗いとき、つまり明け方のことで、戦後の価値転換の中でパンリアルの黎明に関わった、これから互いにまだ何者になるのか判らない若者たちの肖像という意味だろう。大八車でパンリアルの初めての展覧会から大きな作品を搬出する若い芸術家達の表情は薄暗さのかけらもなく、明るく輝いている。 (from Instagram)
あいた!ゾロ目を逃した、、、 (from Instagram)
シフトパターンとホーンマーク製作 (その2)
適当に見繕って使ったスプーンの背で絞り整型したプラスチック板の曲面と、シフトノブの頭の丸みはぴったり合っていた。ホーンボタンは緩やかな凹面なので平らなままのプラスチックシートでも密着してくれる。 「ウルトラ多用途S・Uプレミアムソフトクリヤー」と言う比較的新しい強力な接着剤を使用したのでまず剥がれることはないだろう。これで2年後の車検では二手間省ける。めでたしめでたし、、、 (from Instagram)
シフトパターンとホーンマーク製作 (その1)
車検でいつも「付いてない」と指摘される。シフトパターンはドリンクホルダーの下に隠れて見えない。その度に両面テープを剥がして見せないといけない。ホーンマークはオリジナルがついていないのだから無いものは無いと言い張ってごり押ししたら今まで通してくれていた。しかしそういう面倒臭いやりとりはもうやりたくないので、見えるところに貼り付けておこうと思った。
以前は紙切れに図を描いてセロテープで止めておけばオッケーだったそうだが、今は通らないとのこと。ノリで貼っつけてあっても擦って消えてしまうようではダメなのだとか。
パソコンで作ったパターンをプリントアウトし、少々擦れてもいいようにスーパーの惣菜パックの透明プラスチックをかぶせることにした。シフトパターンを貼り付けるシフトノブは頭が丸いので、プラスチックをドライヤーで炙って柔らかくし、スプーンの背に押し付けて凸曲面にした。図柄の紙は水で濡らし、シワがつかないようにこれもスプーンの背中で丸みをつけた。ホーンマークの方はクラクションのボタンが比較的平らなので透明カバーを曲げ加工する必要がなかった。紙とプラスチックを接着剤で貼り合わせ、丸く切り抜いて完成。 (from Instagram)