先日、花背別所でお世話になっている農家の藤井さん(といっても、別所のほとんどが藤井姓。訪ねたのはマス子さん)のお宅に帽子を忘れて、別の村の友人ちに行ってしまった。追っつけ電話をもらい、帰り道に立ち寄って受け取りたい旨返事したものの、すっかり晩くなってしまった。前もって連絡し、わざわざ出ていただかなくてもいいように家の表に置いといていただいた。窓の明かりは消えていたけど、玄関灯に照らされて帽子と一緒に何やら紙袋が、、、
中には自家製の粽と柴漬けと山椒伽羅蕗、それに万願寺唐辛子。
粽(ちまき)は、昔ここに住んでいたころからマス子さんによく頂いた。
花背地区の中でも京都に比較的近い別所では、昔から笹を刈り、乾燥し、束ねて和菓子や京料理、そして祇園祭に山鉾で売られる(昔は鉾から囃子方がバラ撒いていた!)厄除け粽などに使われてきた。しかしこの10年、笹の開花(数十年に一度の代替わりによる一斉枯死)と異常繁殖した鹿の食害により、京都北山の笹は壊滅してしまった。
別所には加工技術と販路があるので京都府下の他地域から生の笹を仕入れて、今も細々と出荷されている。以前は別所のそこかしこで見られた笹の葉干しも、もうほとんど見かけない。この藤井さんちの笹もマス子さんの代で終わるのだろうか、、、笹を使って自家用に粽も作られているから、こうやってご馳走になれる。いつまでもお元気でいてほしい。
笹もそうなんだけど、今回頂いた粽や柴漬け、山椒伽羅蕗もずっと受け継がれていくといいなあ。
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