おせっかいにもほどがあるFacebookによると、「and you read your emily dickinson, and i my robert frost…」というポール・サイモンの歌詞についての僕の英語の投稿に対して、友人が同じくポール・サイモンの歌から「僕はアメリカを探しにやって来た。みんなアメリカを探しに来るんだ。」と意味深な日本語でコメントをくれたので、それを英語に戻してやった。
i’ve come to look for america
all come to look for america
all come to look for america…
これらの句で、昔やったバイク旅行を思い出したんで、そこにちょっと付け加えた:
「そんで、バイクに乗ってニュージャージー・ターンパイクを走りながら、溢れる車の流れを眺めて、僕はブツブツと小さく歌った、、、。遥か中西部の北にある田舎町から1500マイルの長い旅路の末に、僕もバイクも疲れ果てていたんだ」
以下もその短い思い出の続き。
1989年夏の旅の目論見は大学院をいくつも訪ね歩き、その様子を実地に検分してやろうというもので、最終目的地はマサチューセッツ州のケンブリッジだった。その途中、ニューヨークにも数日滞在した。好もしい街だったけど、再出発までに疲れから回復するまでには至らなかった。次の街、コネチカット州ニューヘイブンに向かって出かけてすぐに、この旅はそろそろおしまいだなと悟った。多分、ニューヘイブンに着いたらすぐに取って返して、ミネソタの寮に向かって戻り始めるだろうと思った。それほど疲れていたんだ。
US国道1号沿いのブリッジポートという街を通っていると、僕の好きな映画『アメリカン・グラフィティ』に登場するメルのドライブインに似た小さい食堂に行き当たった。その店「ヴァレーファーム ドライブイン」の前には何人かの地元っちがたむろしてバイクを見せびらかしていた。彼らのバイクはめっちゃデカいのに僕のときたらハズいほどチッコいので、駐車場に乗り込むのはちょっと憚られた。それでも空っぽの胃袋と好奇心に背中を押されて入ってみると、やっこさんたちも僕とチッコいバイクに興味津々だと判ったし、親切に受け入れてくれた。夜更けまでいっぱい話をして、そりゃあ楽しい時間だった。
ニューヘイブンには晩く着いて、「オッケー、もう十分」と自分に言ってやった。そんで(ニューヘイブンの街なかは安全に思えなかったので)郊外にある灯台ちかくの突堤で野宿。次の朝、滝のような土砂降りの雨とそこら中に落ちまくる雷に叩き起こされ、ずぶ濡れの寝袋から飛び出して灯台に避難した。ニューヘイブンとは、何ちゅう素敵な港(Haven)じゃ!・・・とまあ、僕の見た夢もこれでオシマイ。この調査旅行で学校をいくつも訪問する機会を得られたんだけど、良いのもあったし、後はそうでもなかったし、、、ただ、一番印象深いのは、学校じゃなくブリッジポートであのドライブインに立ち寄って、そこのライダーたちに出会えたことだなあ。。。
*ところで、僕が描いてここにアップした絵は必ずしも上述のシーンを反映しているわけではないんで、そこんとこよろしく。