「Love and Peace 私が戦争に反対しないわけ」
とか
「私は戦争に反対もしないし、原発に反対もしない」
なんてのがネット上に山ほど流れてる。
バカバカしい。なぜ「今」このタイミングでその言説なのかを考えれば、その真偽も自ずと明らかだ。
読めば、個々に見るともっともらしい言葉や表現が散りばめられている。しかし先入観や確証バイアスの心理学的な喩え話や、エネルギーという物理や力学の用語で筋違いのスピリチュアルな説明がなされ、マザー・テレサまで引っ張りだされているが元の言葉がどういう文脈で語られたのかも判らない。
“「戦争反対」と主張するほど、「戦争」にエネルギーが集まります。
「平和」を思えば思うほど、「平和」にエネルギーは集まります。”
笑わせるんじゃねえ!
要は、これを書き、また拡散している輩は、いま声を上げている人たちに「黙れ」、黙っている大勢の人たちに「声を上げるな」と訴えている、ということに尽きるのだ。
“反戦運動を否定している訳ではありません。” と言いつつ、黙して平和を願うこと以外何もしないのが良いというのだから、まあ呆れてしまう。が、考えてみりゃ、そりゃそうだろな、こいつらの「理屈」だとあからさまに反戦運動を否定する行動や言動は反戦運動に利することになるからね(笑)。
全体に、何を言っているのか今ひとつはっきりしないソフトな語り口がクセモノで、読み手が否定しにくいように書いてある。読んでいて否定できなきゃ、ひょっとしてその文章は真であるかも、と思わせられる。そして疑り深くない読者は文中に散りばめられた心理学や物理学やマザー・テレサの言葉から自分にとって取っ付きやすいものを選んで、勝手に納得してしまう、というわけ。
はっきり言ってこれは世論操作の意図、それも意見を言わない人たちを黙らせておこうという悪意がある。
なにより、この手の言説で一番ウサンクサイのは、あたかも自分が思いついて書いたように語られること。たくさんシェアされ、リツイートされ、引用されているのだけど、別人の名前で書かれた数パターンの似通った「元記事」が存在する。この投稿の一番上のリンクもそのうちの2つ。それって怪しいすぎるだろ。このネタのゴーストライターは誰(笑)?
上等じゃねえか! でっち上げの言葉なんてこれっぽっちも信じないから、これを流している輩も、戦争したくて仕方ないバカモノどもも、まとめて罵倒してやろう。声は力だ。(その力の向かうベクトルが真逆なのがヘイトスピーチだが)
願わくば俺に超能力があって神通力が使えるならそんなやつらを呪いたおしてやりたいものだ。(残念ながらそういうものを持ちあわせていない)
追記: いろいろ調べてみたら、反戦を唱えると戦争の「エネルギー」が集中する、という怪しい言説は何年も前からネット上で見られる。
今回のは「平和安全法案」絡みでタイムリーに焼き直して流布されているのだろうと思う。
黙っている人たちにあくどいプレッシャーをかけている。
ヘイトスピーチとはぜんぜん違う手口だが、あざとさでは引けを取らない。