チンク嬢の断線、ショート、フューズ切れは僕の不手際で、うっかりエンジンフードを開けたら引きちぎれる長さになっていただけ。自分の責任だった。切れた電線があからさまにブラブラしているのだから、直すのもシンプル。しかし先日来、断続的に起きるCiao嬢のエンジン不調はタチの悪さ半端ない。
故障の原因はCDIが不調かも、といろいろイジったものの、結局はバラして組み直すと直るってのを繰り返していた。そんとき「ひょっとしたらCDIそのものではなく、電源側配線の断線かもしれない」という疑いが頭をよぎったが、臭いものにはフタをして見ぬふりしていた。。。
が、いよいよCiaoがウンともスンとも言わなくなるに及んで、ついに決断の時が来たことを悟った。。。で、覚悟を決めて臭いフタを開けてみたら、、、
CDIちゃん、ゴメン。あなたは悪くなかった。悪いのはエンジン(正確には発電のためのステーターコイル)からCDIに電気を送るワイヤーハーネス(要は電線)。内部で絶縁被覆が変質し、ビニールが餅みたいにベトベトになっていた。やはり、、、疑ったとおりだった。(Ciaoに限らず、イタリア製の古いバイクはこの症状が当たり前のようだ。チンクは反対に硬化していて、これはこれでヤバイのだけど、、、)
ステーターハウジング内部でも線はドロドロベトベト
しかも、そのベトベト変質は一部ではなくCDIのコネクターからステーターハウジング内部(フライホイール兼冷却ファンの裏側)にまで配線全域及んでいた。はじめは外部の被覆を熱収縮チューブで修復しようとしたが、それどころじゃない傷み方で、結局はエンジンを降ろしてフライホイールを外し、内外とも新たに配線を引き直さざるを得なくなった。(クランク軸からフライホイールを抜く特殊工具も買うハメに、、、)

取り掛かってみたら、エンジン降ろしやフライホイール抜き自体は思ったほど手間がかからず、これならさっさとやるべきだったな、、、と。
エンジン、ちっさ!
配線作業自体は新しい線をハンダ付けし、熱収縮チューブで被覆するだけ。色さえ間違わなけりゃ何のこともない。CDI向けのワイヤーハーネス以外に、ランプ・ホーン用の線も怪しいので、引っ張ってみたらこれもベトベト。。。まあ、同じ材質だからしゃあないな。。。こちらも線を交換。
ハンダ付け作業を終えて、さあ、復旧工程に、、、と思った途端、ドッシャーと雨。残りはまた明日。。。まあ、あわてて組み立てるより、パーツクリーナーやケルヒャーの高圧洗浄機でじっくり掃除をしながら完成させよう。
後は汚れを掃除して組み上げるだけ、、、と思ったら雨。
CDIとゴムカバーの下の電線(イタリア国旗のトリコローレになってる)
黒い保護ビニールの下で被覆が溶けてベトベト。これが「時々」起きる不調の原因
被覆をひん剥いて熱収縮チューブで絶縁を施した
被覆の変質はステーターハウジングの仲間で及んでいたので、この修理は失敗。
CDIにつながる線だけでなく、灯火類に行く方の線も溶け始めてた
エンジンを降ろす前にエアクリーナーを外す
次にキャブレターも取り外す
クラッチ取り外し(本当は先にエンジンマウントのボルトを緩め、Vベルトも外しておくべき)
クラッチベル内部
冷却フィン上部のシュラウド取り外し
デコンプワイヤーのタイコを外す
マフラーを外す
エンジンの取り外しはちょっとした知恵の輪
車体フレーム下部、エンジンの後方には薄い板金のカバーがあるが、外しにくいのでそのまま進める
エンジン、ちっさ!
強制冷却のプラスチックシュラウドを外す
円筒形の特殊工具でファン(フライホイール)を抜くをクランク軸から抜く
ステーターハウジング内部でも線はドロドロベトベト
ハンダ付け作業
内部配線完了
CDI側のコネクターも復旧