Appleのこと、ウォズの魔法使いのこと

「修理する権利」(Right to repair)ということに大してAppleは反対らしい。詳しくは判らないが、もともとMacintoshを売り出して以来、また現在の稼ぎ頭のiPhoneに至るまで、Appleはソフト面(OSやその付随機能)もハード面(コンピュータそのもの)も、そしてシステムというその組み合わせまで「囲い込み戦略」を取ってきたのだから、さもありなん、だと思う。

アップル共同創業者ウォズニアック氏が「修理する権利のおかげでアップルが創業できた」と明かす

一方で、Mac以外の一般的なデスクトップPCはまだPC/AT互換機(DOS/V機)と呼ばれていたころから、サイドパネルを開き、メモリやストーレイジの交換、果てはCPUの載せ替えまで、半分シロートでもマニュアルやネット情報を見ながらできるようになっている。この大雑把な規格に則った機械であればどのメーカーが作ろうが、ユーザーの自作であろうがWindowsやLinuxを走らせることができる。このオープンさ故にWindows 95の発売以降ずっと、販売台数でMacに水を開けてきた。

ただし、ノートPCも同じ規格なのだが、そのコンパクトさが災いしてなかなかシロートには裏蓋を開くことさえままならない。小型軽量を追求した結果、昨今はメモリさえもオンボード(作り付け)で交換、追加はできないし、バッテリーも外せないものが多くなっている。だからMacのノート、Mac bookの各シリーズ(特にMac book Air以降)がその先鞭をつけたとはいえ、あまり文句が言える筋合いではないのだが、、、、

その傾向はより小型化が進んだモバイルデバイスでもっと顕著になる。今のスマホはiPhoneに限らず、バッテリーさえ取り替えられないブラックボックス化しているし、タブレットも然り。つまり、小さくなればなるほどシロートは手を出すな、というスタンスはどのメーカーも変わらないし、世の中のユーザーもそんなもんだと思っているから、大方の人はスマホやタブレットを修理しようとは思わない。それ以前からノートPCだってそうだし、工具なしでパネルが開くデスクトップだってメモリの交換どころか中を覗いたことのある人は少ないだろう。

だから、今更「修理する権利」と言ったって、どうせ一部のマニアックなPCヲタクが騒いでいるだけなんじゃね?というのが、この状況に飼いならされてきた多くの人のリアクションじゃなかな、とも思う。

ま、それは置いといて。「修理する権利」とアップルの態度について面白い記事があった。(というか、その記事を読んだからこれを書いてる)

僕は、Appleの秀でたデザインセンス(ハードもソフトも)をリードしたスティーブ・ジョブズの才能を高く評価する一方で、彼の独占欲の強さが反映されたAppleの経営・マーケティング戦略には酷く嫌悪する。差し引きするとジョブズは嫌いだ(それは僕のAmericaという国や文化への愛憎相半ばという感情と似ている)。ところが、あまり表舞台には出てこないもう一人のスティーブ、つまりもう一人のApple創業者であるスティーブ・ウォズニアックには真逆の感情を持っている。

ウォズは、神経質そうで芸術家肌+商売人的なジョブズと違い、見た目はあまりヲタクっぽくないけど技術者肌の人で、飾らない、いかにも人から好かれそうな容貌だし、実際そのような人だと思う(直接会ったことないから知らんけど)。ジョブズがAppleを追われ、その後、傾いたAppleの屋台骨を立て直して凱旋を果たすという激しい浮き沈みがあったのに対し、ウォズの方は、オズの魔法使いに引っ掛けてウォズの魔法使いと呼ばれるように、その並外れた技術力を買われていたためかAppleとあまり揉めることもなく(現在、退社しているのか現役なのかも判らないような)付かず離れずの関係を保っているらしい。

ただ、デザインや販売戦略でジョブズの息が大きくかかっているMacintoshの登場で、ウォズが生みの親であり黎明期のAppleを支えたApple IIが冷遇され消えていったことに対しては非常に不満で残念であったようだ。そもそもウォズはApple IIの元になったApple Iの原型機の優秀生が周囲から認められた時、その回路図を無料配布しようとしたとのこと(そして当然、ジョブズがそれを止めて、ビジネス化を進めた)。その辺のことが絡んでいるのかどうかは判らないけど、時折、Appleに対して「物申す」ことがあり、今回のこの記事にあるような発言には、誠実な技術者である彼らしさが100%出ていると思う。こういうのを読むと、ますます彼のことが好きになる。(歳も同年代だし、、、)


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