FIAT500とCiaoの整備をしているうちに気がつくとサクラとツツジの咲く季節。
チンクのトランスミッションと格闘中に雪が積もって困ったのはついこのあいだだと思ったらもうひと月になるにのか!
これだけ手を掛けたのに両車ともまだ本調子じゃない。トホホ
雪雨ばかりじゃなくて部品不足や来客などなど中断も多かった。遠来の友人が明日京都を発つので、見送ったらチンクの仕上げに取り掛かろう。足りなかったパーツを組み込むために今一度トランスミッションを降ろさねば。ふう、、、
これは「FIAT 500 ONLINE MANUAL」に僕が投稿した内容をそのまま横流ししている。自分の作業記録としてこのブログにも残しておく。
先日リアのフレキシブルジョイントとドライブシャフトを繋ぐドライブシャフトスリープにガタがあることを発見した。ドライブシャフトとスリーブを嵌合しているスプラインが摩耗していたのだった。一般的に、硬い鋼製のシャフトより柔らかい鋳物のスリーブの方が摩耗するので、スリーブのみ交換すれば事は簡単なはず。ところがスプラインをチェックしてみたら両方とも傷んでいて、スリーブのカップ状フランジ内部に鉄粉が付着していた。恐らくギアボックスを下ろしてドライブシャフトを交換する必要がある。
外れたCクリップはスリーブのカップ状フランジの中にグリスでへばり着いていた。しかし腑に落ちないのは、前回整備したプロがクリップの付け忘れをするだろうかということと、忘れたのならクリップがその近辺に残っていたのはおかしい。そもそも溝にきっちり嵌ったクリップがそう簡単に脱落するのも考え難いのだが、自分でクリップを着脱してみたらどうも様子が変。クリップが開いてしまっているわけでもないのに指だけであっさり外れる。そこで反対側のドライブシャフトと比べてみたら明らかに溝が浅いことが判った。これではいくら復旧しても同じことの繰り返しになってしまう。スプライン復活以前にまずはヤスリでクリップの溝を深くすることから始めなきゃならなかった。
クラシックMiniによく使われている英国Tex社のミラーを取り付けて早半年。ナス形のスッキリした外観はとても気に入っていたのだが、ある日、角度を調節しようと鏡面を掴んで捻ったところ、パシッと音がしてガラスに亀裂が入ってしまった。シマッタ!バックプレートはぺらっぺらのステンレス薄板だからもう少し慎重に扱うべきだった。でも遅かりし。
Texはミラーヘッドだけ売っているし、日本でも入手可能だが、5〜7000円とやたら高い。ヤフオクで安く出ていたがコンベックス(凸面)ではなくフラットな鏡面。ただでも小さいのにフラットだと後方視界も狭まってやだ。
そんで、安く上げるためにミラーヘッド全体ではなく、鏡面(ガラス部分)だけ取っ替えることにした。幸い割れた鏡面は粉々になってないからそれを型取りして、中古のミラーから切り出そうという寸法。前の赤耳ミラーから取り外す手もあったが、壊れてないのでまた使えるかもしれないし、ユーノスロードスターの初期型のミラーは少ないのでそれなりの値段で売っとばすことも可能。ヤフオクでドアミラーの鏡面のみなら送料込みで1000円もしない。
熱いお湯に割れたミラーをミラーヘッドごと浸してパッキンを柔らかくしてから引っ剥がすと鏡面はバックプレートから簡単に外せる。
まず手に入れたのはBMWのブルーレンズのミラー。しかし、切り方が解らず、ガラス屋さんがジジーッ、パリンとやってるダイヤモンドガラス切りを使ったが、敢え無く失敗。思った線で割れてくれない。曲線は難しい!
次にワゴンR用のを手に入れた。同じ失敗は繰り返さないため、小型のリューターを買った。1500円でもう一本タダって、2本も要らんし。ま、小さいので邪魔にはならない。今度はダイヤモンドカッターディスクで流水を当てながら慎重に切り出した。しめしめ上手くいった。(水が跳ねるのでペットボトルのネックを使った自家製カラーを取り付けた)
鏡は元のサイズかたちピッタリに作ったので問題なくバックプレートに嵌った。プラスチックのパッキンをお湯で温めて柔らかくし、鏡の周囲の隙間に詰め込んだ。うーん、、、あまり美しく納まらない。押し込んだパッキンが鏡の上下の長辺の中央部分でハミ出してくる。また熱いお湯に浸けて柔らかくしてグイっと押し込むと、パシっ!どっかで聴いたような音とともに鏡面にひび割れの筋が一閃。あちゃあ、、、 (;´д`)トホホ…
これって、あれじゃない?欠陥。凸面鏡を横長に切り出したら、緩い鞍形になる。ところがバックプレートは平面に作られている。パッキンがはみ出てしまうのはその鞍形の頂点とバックプレートの縁との隙間が狭くなっているからだ。それを無理に押し込んだら2mmほどのガラスは堪らず割れてしまう、と。元々の破損の原因もこれじゃね?
浅いお椀形にプレスされているバックプレートを鞍形の鏡に合わせて反り返るように曲げるのは容易じゃない。それで長軸に沿って凹ませるように曲げることにした。これは完全に曲線を添わせるわけじゃないけど、鞍形の両端を凹みに落とし込むことで狭まっている部分である程度の隙間を確保できるはず。(下の図では鏡の曲率やバックミラーを曲げた部分の形状を誇張してある)
下の画像は未修正のミラー。黒いパッキンがはみ出ている。
満を持して入手したムーヴのミラー。下1/4の曲率が大きくなっていて後方下部を見るための」無粋な補助ミラーを付けなくても良いし、願ったり叶ったりじゃん。先のワゴンRミラーでコツは掴んでるから手際よくカット。大きいので2枚取れるし。
整形したバックプレートは上下の辺の間が狭くなっているので、鏡も前2つより若干狭めておいた。その他、若干の修正を施してバックプレートに装着。パッキンも思い通りに嵌った。
めでたしめでたし。
散々あーだこーだの挙げ句、運転席側のドアミラーは復活。何か進歩とかがあるわけじゃなく、割れたミラーで不便だったわけでもなく、強いて言えば車検に通る状態に戻っただけ。曲率の変化も下方確認にはあまり役に立たない。無いよりマシな程度。
でも、まあ、バックプレートの修正で鏡自体は前より割れにくくなったかも。多分。
結局ミラーに3000円ほど、リューターに1500円。それでも5〜7000円もするミラーヘッドを買うよりは安い。(英国Tex社の直販ならミラーヘッドは3000円ほどだけど。2000円ほどの送料考えたら同じくらいか?)
其れ故に跡付けカーナビもインダッシュ化したのだが、時計が無いのでいちいちスマートフォンの画面を見なきゃならんくなった。(山歩きでもしない限り腕時計を着けなくなった今日此頃)
以前、元の職場を退いたときに同僚から贈られた鉄道時計を列車の運転台宜しくダッシュボードに埋め込もうと考えたこともあったが、うっかり置き忘れると盗難に遭いそうで止めた。代わりに盗られても一向に構わないような百均の安物時計を物色してみた。が、どうも余りにチープで面白くない。
ところが先日、ネットで偶然見つけたナンチャッテのミリタリーウォッチが何気に良さそげだったので、ダイソーに立ち寄ったときに買ってみた。流石に100円とはゆかず500円也。
早速マグネットのフックでダッシュボードに吊り下げてみたが、悪かない。盗られても良い、とは思わないが、大切な記念の時計よりはダメージが少ないだろう。
座席のスライド量を増やすためにシートベルトのアンカー位置(巻取り装置のある方)を移動した。果たして安全なのかどうなのか、、、。できるだけの検討と対策は講じたが、力学的、工学的な裏付けのあることじゃないのでねえ。それでも、まあ、元々自動車のシートベルトが一般的じゃなかった時代のFIAT 500だから始めからベルトなんぞ付いてなかったんで、どんな状態であれ無いよりはマシと、とりあえずやっちゃった、と。(本来これはやっちゃダメなことなんでマネするなよ、と言っておこう、とりあえず、、、。自分が何やってんのか解らない輩がいるんで、一言書いておかないとねえ、、、)
以下にゴチャゴチャ書いたけど、あんまり意味ねえし、写真を見れば一目瞭然。(下のアルバムをクリックすれば自動でスライドショーが始まる)
以下、元の文章(うざい)。消すのがもったいないので残すが、読む価値はあまりないと思う。
元々FIAT 500にはシートベルトが装備されていなかった。最後期の500Rにはベルトが在ったか無かったか知らないが、アンカーとして前席シートレール直後のフロアパン裏側に座金とナットが付けられていた(らしい)。後にフロアパンを取り替えたような車体にもアンカーが在るそうな。ていうか、ウチのチンク嬢は中期型で一番多く生産された500Fだがアンカーが付いていて、それも後からやっつけで取り付けたようなものではなく、フロアパンの件の座金が取り付く部分は、その座金の形に合うようにプレスでくぼみがつけてある。考えられるのはこの個体が上記のようにフロアパンの交換を受けたか、あるいはF型の生産時期に既にシートベルトのオプションがあったのかもしれない。
何であれ、ウチのチンクちゃんにはシートベルトが装備されている。そんで、ベルトの巻取り部分は厚さ3mmのごつい鉄製フラットバーでできたL字金具でアンカーに固定されている。ところがこの巻取り部分の位置がよろしくない。こいつが在るお陰でシートが金具に当たって後ろに下がりきらないのだ。昨日、運転席側の座面を若干下げる改修をしたのだが、それとは別に、わずか数cmだが前後のドライビングポジションが窮屈なのだ。純正のシートは背もたれがパイプ一本の薄っぺらいものなので、おそらくこの問題は発生しないのだろう。ただ、以前載せ替えたミラ・ジーノだか何だかの現状シートは背もたれがそれなりに分厚く、後少しスライドできたらなあ、と常々考えていた。
で、その「数cm」を稼ぐためにアンカーポイントを後ろに移す決断をした。問題は安全に関わる部分を勝手に移動させて、強度を確保できるのか、また法的には如何なものか等々、ひょっとして「やっちゃイケナイこと」なのかも知れないな、、、と。強度計算も法的裏付けも無いが、唯一の根拠、ていうか言い訳は「元来シートベルトは装備されていないのだから、今付いているものは単なるインテリア小物、もっと言えば装飾品と何ら変わりない。故にその改造についてお上に文句を言われる筋合いは無い」という強引なもの。(実際、シートベルト装備が法令化された1069年(昭和44年)以前の旧車の多くは元からベルトが付いておらず、したがってベルト装着の義務もない。たとえ後付けしたベルトを装着せずに運転していてお巡りさんに見咎められても反則切符は切られないのだ!)
とは言え、やはり我が身は可愛い、命は惜しい。だからアンカー移設に当たり、ボルト・ナットや座金についてそれなりの考察は行っている。現行のボルト・ナットはおそらく高張力・高強度のもの。だが座金は幅が約30mm、長さ60〜70mm、厚さ1mm程度の薄い鉄板をプレスで浅いコの字にしてあるだけ。そこにナットが溶接してある。フロアパンはボディーの中でも最も分厚い部分だけど、座金と合わせても2mmやそこらしかない。いくらL字金具やボルトに強度を持たせても、強い力が加わったら薄っぺらい座金がちぎれるか、フロアパンが破けて座金ごと引っこ抜けてしまうのではないか。
いざ事故のときにどれほどの力が働くのか考えてみないとね。「時速40kmの車が壁などに衝突したときの衝撃はビルの3階(約6m)から落下したときの衝撃とほぼ同じになります。このとき、身体には体重の30倍以上の力がかかり、体重が60kgの大人だと約1.8t(交通事故慰謝料協会HPより)」だそうで、仮に座席両サイドの2つのアンカーに均等に力がかかったとしたら1本のボルトに約0.9tの荷重がかかることになる。ところで、今回使用したのはM12で強度区分10.9の高強度ボルトだから、最小引張破断荷重は87,700N、およそ8.95tの荷重まで耐えられることになっている。40km衝突時の約10倍。まっすぐ引き抜き方向に力が働くとは限らないからせん断力耐力を考慮したり、事故では静的荷重ではなく衝撃荷重なども取り込んだ上に、安全係数も、、、と言い出したらキリがないが、ともかく高強度のM12ボルトが破断するような事故が起きたらベルトが先に切れるか、人間の身体の方が音を上げてしまうだろう。(ちなみに新しいナットは、座金にロウ付けした方が通常の4.8強度区分のフランジナットで、その上から高強度(S45C-H) のロックナットで締め付けてダブルナットにしてあるので、これも強度は十分と考えている)
おっと、元々のボルトはM11だから、途中省略するが、M12の断面積の約0.7倍であり、破断荷重の強度も面積の比に対応して約6.3tだった。それでも十分な強度だった。(あくまで両方とも同じ強度区分「10.9」だとしてという仮定)
新たに作った座金はオリジナルより厚みをウンと増して4.5mmとした。これで、少なくとも座金+フロアパンの合わせ鉄板の孔がボルト引き抜きの力に負けて、ボルトがナットごと引っこ抜ける、ということは起きないだろう。
よく「鎖の強度は一番弱いリンクの強度によって決まる」とか、「木桶や樽の側板の長さが不揃いであれば一番短い側板でその容量に制限がかかる」と言われる。いくらボルト・ナットが強くても座金がペラペラじゃ話にならない。しかし座金を分厚くしてもフロアパンが引き抜き方向の力に負けたら今度はボルトや座金ごとブチ抜けてしまう。。。うーん、強度計算を行うための十分な情報や知識がないので、これじゃあいくら思案しても堂々巡りだわ。
どうせ話が元に戻るのなら、結局はボルトにしても座金にしても、元々のものより幾分かなりとも強度を上げておけば何とか同等の安全性は確保できるんじゃないか、という漠然とした期待と、もっと遡って「本来、このクルマにはベルトが付いてないんだから、どのような改造であるにせよ「無いよりましじゃね?」というケツまくりの最後っ屁。
ちゃんちゃん!