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静香 再訪

随分前のこと、ある日、千本今出川にある喫茶「静香」の前を通ったら張り紙がしてあって、「しばらく休む」とのことだった。

ほどなく改装が始まり、その後ドアや窓枠が赤く塗られて店は再開した。

誰の趣味なのかは知らないが、僕の中では静香に赤い色は似合わない。長年に渡り昭和の古色を積み重ねてきたオーナーのおばちゃんの趣味とも思えない。。。 近年、身体が見るからに衰えていたおばちゃんに何かあったに違いない。が、変わってしまった静香の中に入って聞く勇気もなかった。。。

もとより一人で飲食店に入れない質の僕だから、再開してから、前を通っても見ないようにして駆け抜けていたが、京都に来る度に一緒に静香へお茶しにいった友人が訪ねてきたので、二人して再訪。(何と気の弱いことよ、、、我ながら、ったく、、、)

お店の内部はほとんど変わりない。少し安堵。やはりおばちゃんの姿はない。スタッフの若い女性がカウンターの向こうとホールにいて、対応の感じは悪くなかった。変化は思いのほか「許容範囲」だな。

それに、クリスマスイブだったのでコーヒーや紅茶にクッキーと八ツ橋が付いてきて点数加算。(関西人の僕はこういうオマケにめっぽう弱い)

お茶を運んでくれた女性に思い切っておばちゃんの消息を効いたら、大きな手術をしてもうお店に立つことはないが、デイサービスに行ったりして、たまにお茶を飲みにもきますよ、とのことだった。

休業し、店の改装が始まった時は最悪のことを想像したので、とりあえずホッとした。ここにお茶をしにくれば、また会えるかもしれない。

かつて元気な頃は背の低いおばちゃんが自分の顔の高さくらいあるカウンターから背伸びしてトレイを取って給仕してくれたのを思い出す。ここ数年は、ホールの仕事をスタッフに任せて客席の一角に座り、馴染みの客と駄弁るのが仕事になっていた。そして、とうとう「たまに来る客」のようになってしまった。それでも、彼女が常連さんと世間話をしたり、初めてのお客に静香という名の由来やお父さんからお店を引き継いだ話などを聞かせたりするのが何気なく耳に流れてくる、あの心地よい時間にまだ少しでも浸れる機会があるのなら、また行ってみようかな。

しかし彼女は、赤く塗り替えられたドアや窓枠をどう思っているのかな。。。


What I Ate Recently

これでは体重が落ちるわけがない。。。


ノルシュテインに会いたい

プーチンなんかどうでもいいから、はやくノルシュテインの子どもたちに会いたい。でも京都では来年の1月。ああ、待ち遠しい、、、 ハリネズミくーん。

『霧の中のハリネズミ』イメージ1

アニメーションの神様、その美しき世界』公式サイト:
http://www.imagica-bs.com/norshteyn/

銀塩フィルムをデジタルでいじるのは嫌いだけど、これはノルシュテイン自身が監修している。話は別!


ホンダのウィンカーリレー

角スコ馬頭琴製作のために作業場を使わせてくれた友人、久木田敦さんからもらったオモチャ。バイク好きの彼が古いホンダ二輪から取り外して大切に取って置いた電装部品。彼はクリスチャンだからちょっと早いクリスマスプレゼントだな。

今どきのウインカーリレーは電子化されていて面白くも何ともない。ちょっと前までは通電すると発熱してバイメタルが曲がり接点が開放されるタイプだった。これも機械としては見るべき所があまりない。

しかし、まるで時計のテンプのようなヒゲゼンマイの付いた回転子を備えて、それを電磁コイルで駆動する機構を持つリレーは初めて見る。

よく観察するとはずみ車には重量バランスを微調整したドリルの跡がいくつもあるし、軸受けのガタを無くすネジがご丁寧に軸の両端に付いていて、ネジ頭を固定するためのペイントが施されている。

テンプ機構は振り子の定周期振動に頼っていた時計を重力の呪縛から解き放ち、波にもまれる船舶のクロノメーターに使われた。姿勢や加速度の影響を受けにくいし、バイメタルのように外気温が極端に低いと作動しなくなることもないから、船じゃなくても同じように揺れたり傾いたりする自動車やバイクで使おうというのは解る、、、が、果たしてここまで精巧な機構に手間をかけ、精密に点滅間隔を制御する必要があるのか。不思議。

いつの時代のどんな形式のバイクなのか聞きそびれた。ホンダ以外のメーカーも同じようなウィンカーリレーを使っていたんだろうか。こんな末端の部品に惜しげもなく手間と金をかけるのは恐らくホンダだけだったんじゃないかな。。。


すったもんだ

帰りの飛行機が大雪で欠航。振り替えられた便 より1日早いのがあったので再度変更。

とある海外資本のLCCは、電話の受付時刻が日本で終わっていても会社の本拠地なのかコールセンターなのか知らないけれど、真夜中でも何でも電話かけてみたら繋がった。昼間に日本のオペレーターに聞いた時点では入らなかた予約変更が海外では割とすんなりOK。(朝、日本の受付が始まる前に合法的フライングをかましてやって、追加料金なしで元の4倍の値段の僅少残席を確保できたので少々悦に入っていた。)

喜び勇んで空港に着いたら、またもや吹雪で欠航。。。orz

3度目の代替便は明後日まで空き無しって、、、。ええい、もうええわいっ!返金しろ、って言ったら、返金は可能ですが次回ご使用のバウチャーでございますがよろしいか?だと。。。(それって返金とは言わんやろ)

雪に苦しみ雪を呪う友人嵯峨治彦さんの歌、『あ、雪』に北海道の人たちが自虐の笑いと喝采を送るのを、他人ごとのように横目で見ていたら、これだ。北海道の雪をナメていた。(冗談で角スコ馬頭琴なんか作ったんで祟られたのかな?)

それにしてもこの雪でも同じキャリアで飛んでる便があるのに、、、嵯峨さんの歌の「LCCには訳がある」っていう一節。身にしみた。

歌のとどめのフレーズは「雪かきしなくても春は来る」。。。 『あ、雪』の歌詞とメロディーが脳裏で渦巻き、ふと、このまま空港ロビーで春まで雪隠詰めか。。。と思った。

いやいやいやいや、もう時間がかかってもフェリーで帰ります。

乗りそこねた飛行機のバウチャーは、、、また北海道に来い、ってことね。