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脈絡のない、、、

今月一日は日曜だったので、ゆっこちゃん(あれ?ゆきちゃんだったけ?)のお弁当は1日ズレて2日の配達となった。後出しでメニューを送ってもらったので、あまり良く撮れてない写真に添えておく。

ヒエのシウマイ
粒そばのカキフライ タルタルソース
黒千石豆ボール トマト味噌
ズッキーニとナスの焼き浸し
ゴマ風味 豆腐とモロッコインゲンの板麩巻き
コリンキーの和物
蒸しナスの寒天寄せ
切り干し大根の味噌煮 山椒風味
凍らせこんにゃくとピーマンの青椒肉絲
玉ねぎ、とうもろこし枝豆の葛サラダ
マクワウリのヤム(タイ風和物)
ナスの皮のきんぴら
黒米押し麦ご飯

タルタルソースの乗った「カキフライ」がデーンと存在感を出していて、ほんとに「ここに居ていいの?」と一瞬思った。しかし、どれも美味いなあ、、、。月に一度、こういう「ちゃんとした」ものを食べれるのは幸せ。月に何度でもいいんだけど。ていうか、最近、自炊すらまともにやらなくなってるから、ちょっといかんなあ。ほぼ毎日(見た目から小鳥の餌か?と揶揄される)ミューズリーと豆乳とヨーグルト、、、。手間はかからないけど、なんだかなあ、、、。

ときおり、友人たちから食事しに来いというお誘いがあるので、ゆっこちゃんのお弁当と合わせて、なんとか人間らしい食事のバランスを取ってる。でも、そうしょっちゅうあるわけじゃないし、コロナの有無に関わらず、こっちからお願いして食わせてよ、というものでもない。

ここ数日、めっちゃくちゃに暑いから外に出るのも億劫で、、、それでも何やかんやと用事が湧いて出てくるので、仕方なく玄関のドアを開けたら、家の前に置いた(というか放置してある)オフクロの植木鉢に花が咲いていた。何の花だ?しらんけど。あまりここに花が咲いたという記憶がない。毎年咲いてんだろうなあ、、、人知れず。

追記:妹に聞いてみたら「私ももらったことがあるタマスダレ」だとのこと。そういや実家の庭に咲いていたかも、、、。こんなに薄いピンクは珍しいらしい。盆も彼岸も墓参りすらしない僕に「たまには思い出せ」という声の代わりか?

椅子に座っていてふと自分の足を見た。ああ、歩いてないなあ、、、ここんとこ。と裸足の上に想像の靴を思い描いていたら、急に大昔、同じ角度で自分の足を見つめていたことを思い出した。

まだ二十代の頃、仕事場だった百貨店の屋上遊園地の「両替所」で店番しながら、お客さんの来ないのをいいことに本を読んでいた。やはり暑い時節で、屋上は40℃を越えることもあったから、たいがいボーっとしていて何を読んでも頭に入らない。そもそも、お客さんがいつ来てもいいように、軽い内容のものしか読めないんだけど、ほんとに暑くなるともうそれどころじゃない。寝るわけにもいかないから、ついラクガキに走ったものだ。。。

ある時、なぜか自分の足をラクガキのネタにしたことがあった。

多分、ふくらはぎまで描いてある方のラクガキは当時持っていたクロカンスキーの靴だ。なぜか足首に巻いてシューズに雪が入るのを防ぐ短いスパッツを作ろうと思っていたんだろうな。暑い真夏に、、、。(笑)

よほど暇だったのか、それで終わらず、その時に履いていた「ズック」の・・・(それ死語か?)つまり、キャンバス地のローカット・バッシュ(これは生きてるか?)も描いてる。そのときは靴を履いていたけど、さっき見ていた足と同じ角度で写生していた。

ほんの数センチの絵だけど、拡大してみると意外と味があるじゃん。こんなのが事務用のボールペンで手慰みにちゃちゃっと描けたなんて、、、昔は僕も絵が上手かったんだな。(笑)

下はその本の扉だが、中には斉藤融という人のエングレービング風イラストレーションがたくさんあった。僕の靴のラクガキとは技法が違うし印刷物だけど、どこか共通する雰囲気があるのは単にモノクロだからというだけでなく、やはりその時に読んでいたものによる影響だと言えるだろう。


Fiat 500 の点火系を更新

まず、コイルの交換。以前、2気筒同時点火のためにハーレー用のコイルに取り替えて、ディストリビューターによる失火が無くなり、以後、快調だった。ポイント点火用のコイルは一次側抵抗が5Ω前後あるのが一般的で、その時入手したのも5Ωのものだった。

が、最近になって、ヘインズのマニュアルで1次コイルの抵抗は3.2Ω以下はダメ、となっているのを見てしまった。てことは5Ωだとダメじゃないけど、抵抗大きすぎじゃね?と。抵抗が大きいと発熱しないのでコイルには良いんだけど、点火するための電磁エネルギーを溜めるのに時間がかかるから、高速回転では追いつかなくなる。エネルギーが溜まりきらないまま点火すれば、当然点火プラグのスパークは弱まる。普段、高速道路とか走らないからあまり気にはならなかった。むしろ、低速走行では機嫌よくエンジンが回ってくれる。

問題はコイルじゃなく、このコイルに溜めたエネルギーで一気に高電圧を発生させるために、ポイント(コンタクトブレーカー=一種のスイッチ)を開放するのだけど、このポイントが発生する火花で表面が荒れたり減ったりするし、またポイントを開閉するためのカムのヒールが摩耗したりして、数千キロごとにメンテナンスが必要になること。まあ、火花吸収のコンデンサがいかれたとかじゃない限り、ポイント自体は1万キロやそこらでは寿命にならないから、コマメな調整は苦にはならないんだけど、、、

先日もドエル角(ポイントが閉じて通電し、コイルに電磁エネルギーを溜めるための、カムの回転角度)やポイントのギャップの調整をやった。ポイント摩耗により点火時期も狂ってくるので、エンジンの回転に違和感が出るのだけど、少しずつ進行するから気が付きにくい。もともと、低速走行中にアクセルを踏み込むと少し息つきする傾向があったのだけど、踏み込み具合を微妙に調整することで回避できた。というか、症状が進行してもそれに慣れてくると、自然に足が対応してしまう。ただ、それも限界がある。

話が逸れてしまった。ポイントに不満や不安があったわけじゃないし、ポイントやドエル角の調整が嫌いではないけど、もっと効率の良いものがあれば試してみたい「性分」なので、電子式の点火機構を導入することにした。同時に、コイルも電子点火に適合した3Ω(2気筒同時点火)のものに変更する必要がある。

Fiat 500(に限らず、ポイント点火の古い車)を電子式の点火にするには大きく別けて、(ここではCDIは除外して)セミトランジスタとフルトランジスタがある。前者はポイント(コンタクトブレーカー)の機構を残して、その開閉で点火のタイミングを取るので、ポイントのメンテが必要になる。一方、後者は物理的な接触を伴うポイントを廃して、回転する磁石やLEDの光でタイミングを測るから、物理的な接触がなく、ポイントそのものが必要なくなる。また進角を元のディストリビューター内にあった遠心力やバキュームを使う原始的(だがシンプルな)ものから、電子回路を備えて単純な進角だけでなく、ドエル角の調整まで行うものもある。

トランジスタ点火を導入するにあたって、アンプと呼ばれる大掛かりな装置をディストリビューターの外に設置するものは高価で始めから除外したが、始めに検討したのはIgnition 123というものだった。これはディストリビューターの中身(ローターとコンタクトブレーカー、それに進角機構の一切合切)を全て取り払い、エンジンの回転数から点火に関すること全般をコントロールしてくれるので、たしかに効率は良くなるはず。ただ、少し高価なのと、出先でぶっ壊れた時に一時的にポイント点火に戻すには、ディストリビューターの主要部品をすべて元に戻さなきゃならないので、ちょと手間がかかる。

Fiat-500
123 ignition for FIAT 500 123ignition.comより

次に検討したのは、進角に関しては元々の物理的な機構をそのまま利用するタイプなので、上記の123のような至れり尽くせりの機能は期待できないが、その分だけ電子回路も単純だろうから故障しにくそうだし、なにしろ値段が安い。このタイプはいろんな会社からたくさん種類が売られているが、なんか、どれも同じものに見える。多分、中のICかLSIか知らんけど、ほぼどれも中国製のワンチップで後は磁力センサー付けただけだろうからどれでも同じじゃね?と比較的安いものを買うことにした。(でも最安値はよう手をださん)。トレーラー牽引の登録で陸運局にエンジン諸元の提出を求められたときに、Italosportエンジンの資料を提供いただいた kitaさんに、苦しい時の神頼みで色々うかがった。が最終的に比較した2つのイギリス製、AccuSparkとPowerSparkは、やはり同じものだろうというご意見だった。

手に入れたのはPower SparkK35で、2気筒のFiat 500 用のもの。値段は£39.95、約6100円ほど(VAT抜き)。で、何故か1割引クーポンがあって、そこに送料が£9ほど。計£42.19、約6450円。他にも色々と似たようなものが売られているが、あれこれ比較の上、これをポチった。高いのか安いのか、ようわからんけど、とりあえずポイント周りをあれこれ調整したり、メンテしたりからは開放される。

K35 - Powerspark Electronic Ignition Kit for Magneti Marelli 2 Cyl Distributor
PowerSpark for FIAT 500 with Magneti Marelli distributor

コイルは上述のように従前のハーレー旧タイプ用5Ωではダメなので、同じくハーレー用のトランジスタ点火対応の3Ωのものを新古品をヤフオクで安く入手して取り付けた。ハイテンションコードはあまり安物を使うと電子回路に影響が出るらしいが、既にそこそこのシリコン皮膜にカーボンコアのものをおごってあるからこれで良さそげ。

ハーレー スポーツスター XLH883 1200
ハーレースポーツスター XLH883 1200cc 用点火コイル

この手の電子点火装置は、物理的スイッチであるポイントのみ電子スイッチに置き換えるだけなので、進角機構はオリジナルの遠心力/バキュームのコントロールを残している。取り外した部品を携行していれば、出先で故障の際にはすぐに元のポイント式に戻せる利点がある。ただし点火時期は簡易的な合わせ方しかできないし、コイルの抵抗が規定の3.2Ωより僅かに下回っていて、電流が多く流れ過熱するのであまり長くは走れない。それでも応急的に家まで乗って帰るくらいは可能だから安心感がある。

PowerSparkはイギリスから半月で届いた。取り付けは、ディストリビュータキャップを外し、コンデンサ(キャパシタ)とポイント(コンタクトブレーカー)を取り除いたあとに、何の加工も不要のポン付け。点火時期を調べたが、狂ってなかったので無調整。うちのチンク嬢は元々、エンジンのかかりがとても良い人だったので、始動性が変わった感じはないが、走らせてみると、最初に同時点火コイルに換えた時のように、エンジンの回転がまた一段とスムーズになったのが体感できた。高速走行からの加速も、登坂も力が増したように感じた。これで6500円でお釣りが来るのだから安い。あ、コイルは3500円。じゃ、計10000円か。。。それでも悪くない。

これで、ポイントギャップやらドエル角やら、それらの調整不足による不具合の心配はなくなった。調整サボリによる不調はともかく、旧式であればあるほど目視で故障箇所が確認し易く、修理対応も比較的簡単。しかし電子的な機構に頼る今度の点火システムは、物理的に壊れたり機械的摩耗による不調は起こりにくいが、半導体は熱に弱いかもしれないし、そうでなくてもICなどはポックリと突然死することもままあり、しかも外見からは何がなんだか判らないので修理のしようもないから、どちらが良いかは判らない。

ま、そんな「かもしれない」をいちいち気にしていたらFiat 500には乗れない。とりあえずエンジンは快調になったのだから、これでひとまず正解なんだと思う。


Fiat 500 トランスミッション・ディファレンシャル ギアオイル交換実施

昨日、ギアオイルの交換準備で加圧式の給油缶を作った。なかなかうまく出来てるんじゃね?(笑)

ホースをつなぐまえの給油缶

今日はそれを使う。自転車用空気入れで加圧できることは確認済み。いよいよ缶にオイルを入れて、、、ていうか、気の早い僕は昨日のうちにオイルを給油缶に移し替えてあるから、、、後はギアボックスに入れるだけ。

水平面に駐車した状態でないといけないので、家から50mほど離れた場所で作業開始。オイルを入れるには、ジャッキアップして傾けられないので、ちっさいチンクチェントのケツの下に潜るのがとても面倒くさい。地べたにダンボール敷いて、ズリズリと滑り込む。

Fiat 500 のトランスミッション・ディファレンシャルギアオイルはゲージがないから、給油口から溢れ始めたらそこが適正レベル。まず、クルマの下で給油口のプラグボルトを外し、ドレーンボルトを外して古いオイルを抜くのだが、そこでレンチを取っ替え引っ替えして作業するのは本当に疲れる。しかも梅雨の晴れ間は暑いし、蚊も飛んでくる。

ドレーンから出てきたギアおいるは、、、なんと500ccもないかもしれない。どこにいっちゃったんだろ?下からダダ―っと漏れてる風でもないが、よく見ると、ドレーンプラグに僅かにしずくが付いていた。滴下してないので一日置いても1滴あるかないか、、、1年半でこんなに無くなるのか?しかし、危ないところだった。このところはコロナのご時世で遠出をしてないから、壊れずに済んだが、、、。それと、プラグボルトには鉄粉回収用に磁石が付いているはずなのに、外したのには何もない。当然鉄粉もついてないが、幸いオイルは減ってはいたがキラキラ鉄粉が浮遊してる様子はない。とりあえず潤滑性能の高いオイルを規定量(1.1リッター)入れてやらねば。

何とか古オイルが抜けたのでドレーンボルトを元に戻し、ホースを給油口に差し込んで、外に出た。いよいよオイル缶に空気入れをつないでポンピングしてみたら、、、軽い!これなら潜り込んでやる面倒なネジ外し作業を補って余りある楽チンさだ。これでギアオイル(80W90 LG-5)を1缶、1リッター、それでは少し足りないのでさらに100cc+αを注入し、プラグボルトを戻して、作業完了。ご丁寧に緩み防止のワイヤリングが施されているので、一応その脱着も含めて、作業は15分もかからない。いや、10分だったかも。

ポンピングの様子↓

復旧がすべて終わり、下から滑り出ようとした瞬間に、車体の下からはみ出した下半身の半ズボンとスリッパの素足にポツリポツリと雨が落ちてきた。工具を濡らしたくないので、とりあえずダダ―っとかたしてガレージに運び込み、運びきれなかったダンボールその他を取りに行く頃には土砂降りで、びしょ濡れになってしまった。あと数十秒、作業が長引いていたら、、、。チンクの下で雨宿りになったかも。あ、でも、工具は濡らしたくないから、やっぱ出ただろうな。


Fiat 500 トランスミッション・ディファレンシャル ギアオイル交換の準備

どうも、今、Fiat 500 のトランスミッションとディファレンシャルギアのオイルはFiat指定のSAE 90 S EPゃないような気がする。

現在このSAE 90 SEは通販サイトでも品切れ、というか販売終了で、手に入らない。前回の交換時にクルマの整備工場でも入手できず、よく解らないまま「同じ粘度なら何でも良い」と言ってしまったような気がする、、、。自己責任じゃん、、、。

以来、ギアをシフトする時にどうも渋い感じがして、それまでシフトアップでは必要なかったダブルクラッチを踏まないとギア鳴きが起きることも。また、症状はでていないがトランスミッションと同じオイルバスを共用しているディファレンシャル機構もやばいかも。

というのは、このSAE 90 EPの「EP」っていうのが「極圧」(Extreme Pressure)のことで、このタイプのオイルにはリンや硫黄の添加剤が配合されていて、ギアの表面に高圧に耐えて潤滑性能を保つ皮膜を作って摩耗を防ぐのだとか。

しかし、上に書いたようにもう売ってないので、代替品をさがした。どうやら同じような添加剤が入っているギアオイルはGL-4あるいはGL-5というグレードらしい。少々高いが、せいぜい1.1リッターしか必要ないので良しとしよう。(GL-4より5のほうが添加剤の配合が多かったり内容がちがってたりで、潤滑性能は上ということだが、シンクロの真鍮部品を溶かすとか、、、500と同系統のエンジンだけどシンクロの付いた126やそのエンジンのお下がりをいただいた500RにはEPを使わないと聞いたことがある。逆に言うとノンシンクロの並の500なら4でも5でも良いんじゃね?てんで、GL-5にした)

古オイルを抜いたあと、新しいオイルは車体を水平に保ったまま給油しないといけないので、ジャッキアップせずに潜り込むことになるが、これはかなりきつい。SAE 90というオイルは硬い(粘度が高い)ので、漏斗とかじゃなかなか落ちてくれない。そもそも、地面にへばりついて、クルマの下でにっちもさっちもいかない状態で漏斗をどうせえ、というのか、、、。

トランスミッション・ディファレンシャルギアボックスを下から見たところ。右の矢印がドレーンボルト。左のが注油口兼油面レベル確認孔。ここまでオイルを入れて、溢れたらプラグボルトを締める。

そこで、先達の残してくれた情報を当たってみると、数千円もする専用のポンプを使う以外にも、オイルをシャンプーの容器に入れて押し込む、ペットボトルにポンプとホースをつないで空気圧で圧送する、醤油チュルチュル(灯油ポンプ)でも間に合う等々が書かれている。数千円の専用ポンプは論外として、以前、アメリカにいるときにMG Midgetのトランスミッションオイル交換で、手押しポンプを使ったら、めっちゃ硬くて、手が辛かったり、圧力に耐えかねたホースの継ぎ目から漏れたオイルで手が滑り、ますますやりづらかったのを思い出したので、チュルチュルはパス。空気圧で楽する方法を取ることに。

バルブキャップを外し、自転車用の空域レをつないで、いつでも給油準備OK.

ペットボトルでもいいんだけど、うちには1リットルのオイル缶が転がっているので、それにXL250Sのリアショック改造用(蘇生)に買ったけど使わなかったホイール用空気バルブをねじ込んで、こいつにタイヤの空気入れをつなげばOK。缶の蓋にパイプを取り付けて、エポキシパテで固定、気密化して、パイプにホースを挿し込んで取り付けて完成。(ホースは耐油じゃないけど、一回こっきりなんでこれもOK・・・ いや、また使うかな?)

はたして、給油缶の性能やいかに?

次回、オイル交換実施に続く


Appleのこと、ウォズの魔法使いのこと

「修理する権利」(Right to repair)ということに大してAppleは反対らしい。詳しくは判らないが、もともとMacintoshを売り出して以来、また現在の稼ぎ頭のiPhoneに至るまで、Appleはソフト面(OSやその付随機能)もハード面(コンピュータそのもの)も、そしてシステムというその組み合わせまで「囲い込み戦略」を取ってきたのだから、さもありなん、だと思う。

https://jp.techcrunch.com/2021/07/09/apple-co-founder-wozniak-right-to-repair/

一方で、Mac以外の一般的なデスクトップPCはまだPC/AT互換機(DOS/V機)と呼ばれていたころから、サイドパネルを開き、メモリやストーレイジの交換、果てはCPUの載せ替えまで、半分シロートでもマニュアルやネット情報を見ながらできるようになっている。この大雑把な規格に則った機械であればどのメーカーが作ろうが、ユーザーの自作であろうがWindowsやLinuxを走らせることができる。このオープンさ故にWindows 95の発売以降ずっと、販売台数でMacに水を開けてきた。

ただし、ノートPCも同じ規格なのだが、そのコンパクトさが災いしてなかなかシロートには裏蓋を開くことさえままならない。小型軽量を追求した結果、昨今はメモリさえもオンボード(作り付け)で交換、追加はできないし、バッテリーも外せないものが多くなっている。だからMacのノート、Mac bookの各シリーズ(特にMac book Air以降)がその先鞭をつけたとはいえ、あまり文句が言える筋合いではないのだが、、、、

その傾向はより小型化が進んだモバイルデバイスでもっと顕著になる。今のスマホはiPhoneに限らず、バッテリーさえ取り替えられないブラックボックス化しているし、タブレットも然り。つまり、小さくなればなるほどシロートは手を出すな、というスタンスはどのメーカーも変わらないし、世の中のユーザーもそんなもんだと思っているから、大方の人はスマホやタブレットを修理しようとは思わない。それ以前からノートPCだってそうだし、工具なしでパネルが開くデスクトップだってメモリの交換どころか中を覗いたことのある人は少ないだろう。

だから、今更「修理する権利」と言ったって、どうせ一部のマニアックなPCヲタクが騒いでいるだけなんじゃね?というのが、この状況に飼いならされてきた多くの人のリアクションじゃなかな、とも思う。

ま、それは置いといて。「修理する権利」とアップルの態度について面白い記事があった。(というか、その記事を読んだからこれを書いてる)

僕は、Appleの秀でたデザインセンス(ハードもソフトも)をリードしたスティーブ・ジョブズの才能を高く評価する一方で、彼の独占欲の強さが反映されたAppleの経営・マーケティング戦略には酷く嫌悪する。差し引きするとジョブズは嫌いだ(それは僕のAmericaという国や文化への愛憎相半ばという感情と似ている)。ところが、あまり表舞台には出てこないもう一人のスティーブ、つまりもう一人のApple創業者であるスティーブ・ウォズニアックには真逆の感情を持っている。

ウォズは、神経質そうで芸術家肌+商売人的なジョブズと違い、見た目はあまりヲタクっぽくないけど技術者肌の人で、飾らない、いかにも人から好かれそうな容貌だし、実際そのような人だと思う(直接会ったことないから知らんけど)。ジョブズがAppleを追われ、その後、傾いたAppleの屋台骨を立て直して凱旋を果たすという激しい浮き沈みがあったのに対し、ウォズの方は、オズの魔法使いに引っ掛けてウォズの魔法使いと呼ばれるように、その並外れた技術力を買われていたためかAppleとあまり揉めることもなく(現在、退社しているのか現役なのかも判らないような)付かず離れずの関係を保っているらしい。

ただ、デザインや販売戦略でジョブズの息が大きくかかっているMacintoshの登場で、ウォズが生みの親であり黎明期のAppleを支えたApple IIが冷遇され消えていったことに対しては非常に不満で残念であったようだ。そもそもウォズはApple IIの元になったApple Iの原型機の優秀生が周囲から認められた時、その回路図を無料配布しようとしたとのこと(そして当然、ジョブズがそれを止めて、ビジネス化を進めた)。その辺のことが絡んでいるのかどうかは判らないけど、時折、Appleに対して「物申す」ことがあり、今回のこの記事にあるような発言には、誠実な技術者である彼らしさが100%出ていると思う。こういうのを読むと、ますます彼のことが好きになる。(歳も同年代だし、、、)