背もたれのガワを引っぺがして、破れた部分を補修した。
補修箇所は都合5箇所。
1)一番目立つ大きな破れが運転席背もたれ右下の乗り降りで腰が擦れる部分。
2,3)同じ背もたれの左肩部分に2箇所、それぞれ大小の割れ目。
4)運転席背もたれの中央右寄りの縦の縫い目に沿った割れ目。
5)助手席背もたれ右側、鋭利な刃物による切り傷。
補強のため上記すべての箇所を布で裏打ちした。特に(1)は傷んだ面積が大きく、僅かだが欠損している部分もあったので、表側からレザーを貼り付けた。
裏打ちだけでもそれなりに裂け目はつながったが、あまり美しくないし、擦れて地が見えている部分もある。さらなる補強と美観のため、上からパッチを貼ることにした。(この部分を温存するために背もたれのレザーを運転席と助手席でスワップした)
シートを引き取ったとき、後席は要らなかったがレザーだけ剥がして持って帰ってきた。その後席から切り出したレザーを補修パッチとして使った。パッチの縁をできるだけ目立たないようにしたかったので、レザーの縫い合わせ目を紙で型取りして、予備レザーの赤いステッチも残し、その外側で裁断し貼り付けることで背もたれの方の赤ステッチが隠れても装飾用のステッチが失われないように工夫した。また、パッチの縁が白く見えないようにマジックインキで断面を黒く塗った。
接着剤スーパーX(黒色)は目立たず、固まってからも柔軟性があり、またいつの頃からか「黒」が出ていて、この手の修理には欠かせない。
修理した運転席側のレザーを助手席の背もたれのウレタンに被せ、途中の引っ張りをホグリンクではなくタイラップで締め付け、最後まで被せ終わったら下部のまたタイラップで固定。陽の当たらない場所なので経年劣化することはないだろう。また外す時が来てもニッパーで簡単に切れるし。
最後にヘッドレストホルダーを差し込んで、作業終了。若干のシワと継ぎ目の上部は隠しきれなかったので、横線が入っているが、傷んだ背もたれのレザーは助手席に移し替えたからドア側からは判らない。
背もたれ上部の割れ目、サイドの切り傷は裏打ちして、表の傷を接着剤で埋めたらほとんど目立たなくなった。強度も十分だろうからパッチは施さなかった。
その3へ続く