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ブレーキフルードリザーバータンクのホース(汗) FIAT500 ATWIKIより

以下は、FIAT 500 Online Manualに投稿した自分の記事「ブレーキフルードリザーブタンクのホース(汗)」を転載したものです。このオンラインマニュアルは旧車チンクエチェントのオーナーにとって貴重な情報が満載のサイトで、興味のある方は是非そちらも参照してください。

注)Online Manualの表題では「リザーブタンク」となっているがこれは誤入力で、正確には「リザーバータンク (reservoir tank)」。(訂正したいが表題はATWIKIの編集できないようなので、、、)
もっと原語(英語/仏語)に忠実なreservoirのカナ表記は「レザヴワ」だが日本では誰もそう発音しない。
リザーバータンク(reserverは「予約者」のニュアンスが強い)と言っても海外では通じにくいと思う。まだリザーブタンク(reserveは「保留, 保存, 予備」という意味の名詞)の方が意味を汲んでもらえる。どうでもいいけど。

問題発生

微妙にブレーキフルードが減る。最近は少しずつその減り方が酷くなりつつあった。ふと見るとリザーバータンクからマスターシリンダーに繋がっているホースが汗をかいている。結露じゃなくブレーキフルードが滲み出しているのだった。

前オーナーから引き継いで10年。足回り、ワイヤリングハーネス、エンジン、トランスミッション、、、、もちろんブレーキ系統も、およそ車体の9割に自分で手を入れてきたが、このホースは見逃していた。ていうか見た目はすっごくきれいだったんで、ま、いっかと。しかし今回、この問題が出てよく見たらホースは「燃料用」のものが流用されていた。

この間に交換したのは何の変哲もないDOT3、DOT4のフルード(攻撃性の高いシリコン系DOT5ではない)なのだが、これまで大丈夫だったのに、何故この1年で急にこんなことになったのかは判らない。しかしホースが如何に「耐油」、「耐ガソリン」であっても「耐ブレーキフルード」とは限らないし、現実に滲み出しているのだから交換するしかない。
この2月にホイールシリンダーを交換したばかりだし、またエア抜きをして新しいフルードを無駄に捨てるのは嫌だったので、ちっと「普通じゃない方法」でリザーバータンクとホースにフルードを満たすことにした。

普通じゃないエア抜き

通常のエア抜きのようにブレーキペダルを踏む必要はない。ペダルがフリーの状態で、リザーバータンク→マスターシリンダー→ホイールシリンダーの経路は素通しになっている。これを利用してホイールシリンダーのニップルからブレーキフルードを逆注入することで、マスターシリンダー上部に繋がっているホース内部のエアをリザーバータンク側に押し出してやろうというもの。
リザーバーバータンクからのホースを外しても口が上を向いているのでマスターシリンダー内にエアが入り込むことはないので、こんないい加減な手法でも十分エアが抜ける。ただし、マスターシリンダー以降のブレーキラインのエア抜きには使えない。あくまでマスターシリンダー⇔リザーバータンク間のホース交換にのみ応用できる。
(いや、できないことはないが、フルードを圧入するときにホイールシリンダーのニップル取り付けネジからの漏れによるロスが大きいし、、、そもそもブレーキライン全部やるとリザーバータンクが溢れそうになるので、いちいちそっちのケアも必要で大変。それに四輪終える前にボトルを絞る手も音を上げるだろう。)
↑図の3と14から5経由でタンクに至る経路(赤青矢印)はブレーキペダルを放した状態で素通しとなる。

用意するもの

  • ブレーキフルード対応のゴムホース(内径6〜7mm、長さ7〜80cm)
  • ホースクランプ(元からあるものを流用)
  • 耐油透明チューブ(内径5mm、長さ30cmほど)
  • ビニールテープ(少々)
  • ブレーキフルード100ccほど
  • 調味料・ソースボトル(ケチャップ等を絞り出す、口の尖った蓋のあるもの)
  • フレアナットレンチ(8mm)

前もって準備すること

調味料ボトルの先に透明ホースを差し込み、抜けないようにビニールテープで固定する。
ボトルにブレーキフルードを入れて蓋を閉じる。

リザーバータンクとホースの準備

  • ジャッキアップし、タイヤ(前後輪のどちら側でもよい)を一つ外す。
  • リザーバータンクの蓋を緩めるか外しておく。
  • リザーバータンクホースのマスターシリンダー側の端に近い部分をロッキングプライヤーで挟み、フルードが漏れないようにした上で、ホースをマスターシリンダーから外す。
  • ロッキングプライヤーを解除し、フルードを適当な容器に排出する。
  • ホースをタンクから引き抜き、車体から外す。
  • 新しいホースをマスターシリンダーとリザーバータンクに繋ぎ、ホースクランプで固定する。

エア抜き作業

  • 1,ホイールシリンダーのニップルの下にウエスやペーパータオルを敷き、フルードが漏れてもタレずに吸収できるようにする。
  • 2,フルードの入ったボトルを逆さにし、軽く押してチューブの先端までフルードを満たす。チューブの先をつまむか開口部を指で押さえて逆流しないようにする。(チューブの先端をボトル内の液面より少し高く保つとやりやすい)
  • 3,ホイールシリンダーのニップルにチューブを差し込む。(泡が入らないように)
  • 4,フレアナットレンチでニップルのナット部分を1/4〜1/3回転ほど緩める。
  • 5,ボトルをゆっくり強く絞るように押してフルードをホイールシリンダーに送り込む。
  • 6,ボトルを押したままレンチで軽くニップルを締め込む。(締め込む前にボトルを押す手を緩めない)
  • 7,ボトルの蓋を緩め、ボトルにかけた圧を下げて空気をボトル内に送り込む。ボトルが元の形状を取り戻したら蓋を締め込む。
  • 8,リザーバータンクまでフルードが逆流していたらOK。来てなければ4以降を繰り返す。
  • 9,ホイールシリンダーのニップルを締め込み、チューブを外し、こぼれたフルードを拭き取り水で洗い流す。
  • 10,ニップル内外をよく拭き、キャップを被せ、ホイールを復旧す。
  • 11,リザーバータンクに規定量のブレーキフルードを注ぎ足して完了。

ホースと交換とフルード追加後

新しいリザーバータンクのホース↑。漏れたブレーキフルードで下部のペイントが剥げているのがわかる。一度錆止めを吹いたがすっかり剥げてしまっている。保護のためのコルゲートチューブは、汗かきや漏れの発見には邪魔かもしれない。後で下部だけにしておこうと思う。