角スコ馬頭琴製作のために作業場を使わせてくれた友人、久木田敦さんからもらったオモチャ。バイク好きの彼が古いホンダ二輪から取り外して大切に取って置いた電装部品。彼はクリスチャンだからちょっと早いクリスマスプレゼントだな。
今どきのウインカーリレーは電子化されていて面白くも何ともない。ちょっと前までは通電すると発熱してバイメタルが曲がり接点が開放されるタイプだった。これも機械としては見るべき所があまりない。
しかし、まるで時計のテンプのようなヒゲゼンマイの付いた回転子を備えて、それを電磁コイルで駆動する機構を持つリレーは初めて見る。
よく観察するとはずみ車には重量バランスを微調整したドリルの跡がいくつもあるし、軸受けのガタを無くすネジがご丁寧に軸の両端に付いていて、ネジ頭を固定するためのペイントが施されている。
テンプ機構は振り子の定周期振動に頼っていた時計を重力の呪縛から解き放ち、波にもまれる船舶のクロノメーターに使われた。姿勢や加速度の影響を受けにくいし、バイメタルのように外気温が極端に低いと作動しなくなることもないから、船じゃなくても同じように揺れたり傾いたりする自動車やバイクで使おうというのは解る、、、が、果たしてここまで精巧な機構に手間をかけ、精密に点滅間隔を制御する必要があるのか。不思議。
いつの時代のどんな形式のバイクなのか聞きそびれた。ホンダ以外のメーカーも同じようなウィンカーリレーを使っていたんだろうか。こんな末端の部品に惜しげもなく手間と金をかけるのは恐らくホンダだけだったんじゃないかな。。。