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Ciao フロントブレーキの効きが悪いので分解調整

タイトル通りですけど、何か?

冗談は置いといて、、、

以前、リアのオイルシールの傷んだギアボックスからオイルが漏れてリアブレーキの効きが極端に悪くなって、シール交換とブレーキシューの清掃を行った。ところが、モグラ叩きじゃないけど後を直したら今度は前。何かどうもしっくり、、、じゃなくきっちり止まらない。まあ、法定速度が30km/hの原付Ciaoでフロントがロックするようなストッピングパワーは不要なんだけど。後がバッチリ効くようになったので、いままで頑張ってくれたフロントにくたびれが出たのか。。。

ブレーキプレートのナットがどうにも緩まないのでダブルナットでえいやっ!

ともかく、2つあるブレーキが両方ともそれなりに効いてくれるようにしなくちゃ。ってんで、バラしてみた。そしたら、オイルとかは見当たらないが、なんかシューはサビの粉だらけ。しかもライニングが一部欠けている!これは想定外。

リーディング・トレーリングのライニング両方とも端が欠けている。つまり有効面積が減って制動力が落ちたと。しかもよく食い付くリーディングシューの先端が大きく欠落しているんだから、これでは効くはずもない。

1〜2千円ほどの安いものなので早速注文しよう。部品が来るまで、とりあえず今のを戻しておくことに。ただ戻すんじゃなく、リアでもやったようにライニングにグルーピング(溝)加工を施してキーキー鳴くのが止まるかどうか確かめることにした。

それと、、、ちゃちゃっと考えるに、欠け落ちたライニングが砕けて粉になり、摩擦力が減ったのではないか。フロントブレーキを分解したときに欠片が見当たらなかったし、内部が粉っぽかったのとドラムの側面やシュー全体がサビに覆われていたのはその影響かも。

とりあえず汚れを落とし、ノコギリでライニングに溝を切り、摺動部に耐熱性のあるグリスを施し、シューのリーディングとトレーリングを入れ替えて組み込み。ついでにワイヤー調整をして完了。試運転の結果は、ウ~ン、、、わずかに改善、、、程度。やっぱ新品に交換だな、こりゃ。


Ciaoの難儀

うちのCiaoは、もともと変速機無しのCiao Pというタイプだったのを、姉妹車のBravoから移植したVariomaticというバリエーター(かっこよく言えばCVTだが、昔からあるVベルトと可変幅プーリーの組み合わせで無断変速を行う機構)で、まがい物のCiao PVに化けている。(こちら参照)

どちらの車種のギアボックスも(プーリーの軸の長さ以外)外形は同じなんでポン付け互換できる。ただ見た目は同じように見えても変速機構やギア比の違いがあるので始動時に相当の力が要る。てことは、スタータークラッチにもかなりの力が加わることになり、めんどくさいトラブルが起きてしまう。

左手側のシューは以前に整形失敗したもの(再整形は可能)。中央上は歪んだ上に過熱してゴムダンパーが溶け落ちている。中央下は新品。右手側は新旧を重ねたが、違いがよく判らない。(下のGIFアニメ参照)

端的に言うと、スタータークラッチがこの力に耐えきれず変形し、遠心力がかかってもシューとドラムが十分にエンゲージができず、滑ってエンジンがかからなくなるのだ。

シューは食いつきの良いトレーリングの配置で、ピボット軸からライニングの位置までの間が細い首状にくびれている。恐らくクラッチがエンゲージする瞬間にガツンというショックを受け流すために剛性を調節しているのだろう。が、ここが曲がってしまうのだ。。。

下が新品。上が変形したクラッチ。

Ciaoは1967年〜2003年まで作られていた古いバイク。その部品が今も新品で、しかも安価に手に入るのだからあまり文句は言えないけど、もうPiaggio自体は作ってないので中国かどこかのOEM生産、あるいは海賊版だろうし、品質が落ちているのかもしれない(ただ、古いオリジナルより後発のコピーの方が生産技術や材質の向上で、より良い物になっていることもままあるので一概には言えないが、、、)。

あるいは無茶な改造で、先に書いたようなスタータークラッチへの負担増が変形の原因かもしれない。

使い始めてすぐに曲がってしまったので、この先心いくら部品を換えればいいのか配いだったのだが、まだあまり減っていないライナーをシューの曲がった分だけ削って整形し、ドラムの曲率に合わせてやれば、新品時より掛かりにくいけど実用には十分なエンゲージが得られることが判った。

そんなやっつけの調整でもダメージを受けたシューは1年くらい持ちこたえてくれた。今度付けるシューはトレーリングの食い込みで先端ばかりに力が加わって曲がることのないように、ライナーは前もって整形しておくことにした。アバウトで荒っぽいやり方だけど、地面のコンクリートに擦り付けて削った。先端を削りすぎるとライナーの後ろ側ばかりがドラムに接触することになるので滑ってしまう。やり過ぎよりは、やらな過ぎの方がましなので、そこそこにして組み込んだ。

試運転では、まだガッツンというショックがあるが、以前ほどじゃない(ような気がする)。また曲がってから修正するか、もう一度リアクラッチを外してもう少しシューを削るか、、、まだ迷っている、今日このごろ、、、