久しぶりのFIAT 500ネタ
ウチのチンクはダッシュボードの下に膝プロテクターパッド(正式には「ダッシュボードパッド」と言うらしいが、以後、膝パッド)が付いてなかった。オリジナルではシートベルトも無く、エアバッグなど望むべくもない旧車だから、今更これが無くても安全上どうということもないものだけど、、、まあ、見てくれがね。(笑)
そんで、やっぱこんなん↓がええなあ、と。
この正月に病を押してせっかくこんがらがった配線を整理し、ダッシュボード下もスッキリしたので、まだ少し見えている電線のアラ隠しに膝パッドを取り付けようと決心した。
実は、膝パッドは以前から物色していた。でも日本で買うと1万5千円とかするし、ヨーロッパじゃその半額の€ 50。といっても取り寄せたら結構な送料がかかってくる。その上、日数も。どうすれば安くて早い、どっかの牛丼みたいな膝パッドが手に入らないか、、、と模索。その答えは「自分で作る」である。(元々、右ハンドル用のものはほとんど売っていないし、左ハンドル用を流用するにはネジの位置を変更しないといけないから、いずれにしてもそれなりの作業が伴うし。)
決まったら、善は急げだ(こんなもの「善」かどうか知らんけど、、、)。作り方はFRPのベースにカマボコ形スポンジを乗せ、フェイクレザーで包めばよろし。考えるだけ、口で言うだけなら簡単そうに思えるな。
製作手順は以下の概要の更に下にある写真ギャラリーにしてあるので、よほど暇な方は覗いてみ。
ざっと概要
実物を見たことがないので、ネットの写真を元に大雑把な図面(ていうか覚え書き)を引いてみた。幅は5cmほどであろうと推測。ウチのは右ハンドルなので裏返す必要あり。
FRPはポリエステル樹脂500gにガラスマットや硬化剤などがセットになったものが送料共で1500円ほど。スポンジはパイプの断熱材でこれも送料共で1400円ほど。フェイクレザーは1m巾だがミニマム30cmで500円ほど。塩ビパイプ300円。あとは接着剤、ネジ類、その他諸々。全部で4~5000円もあればOK。
FRPのハンドレイアップ(手作業の積層)をちゃんとやるなら、まずはダッシュボードの下部から石膏でメス型を型取りし、さらにそれからオス型を作った上に樹脂を塗りとガラス繊維(今回はマット)を重ねていく。しかし、1品製作で、増産を考えてない上に、あくまでベースなので外から見えないので、型作りを省略してダッシュボードに直にハンドレイアップすることにした。下地に養生テープをベタ貼りして離型剤も省略。樹脂の説明書に一度に積層するのは3mmまでにしないと変形が起きやすいとあったので、3プライ貼ることにした。結果として、離型に全く問題なく、3層で強度も十分だった。
スポンジはチクワ状で、ベースに貼り付けてフェイクレザーで包んだ時に空洞が潰れてしまわないか心配だったので、塩ビ管を縦に半分に挽き割って芯材とした。さてそのシート皮だけど、よく似た構造のバイクのシートはベースが柔らかいプラスチックが多く、皮をタッカーで固定する方法だが、カッチカチのポリエステルとガラス繊維じゃ無理。接着するにしても、ある程度テンションを掛ける必要があり、そこそこの強度と耐候性が求められるが、時間のかかる接着剤だと硬化するまで手で押さえるのはしんどい。そこで耐候性は「?」だけど、瞬間接着剤を併用することにした。
材料:
で、その制作過程と完成品の取り付け画像が次の写真やギャラリー。
下準備
膝パッドのサイズが判らないので、実写やウェブからの画像と実物のダッシュボードを見比べて、スイッチやランプの間隔を計測した値から幅を割り出す。
離型剤要らずの養生テープを大量に貼り付け、その上に直に当り線を描く。
積層作業
養生テープの上から樹脂とグラスマットをハンドレイアップしたが、とてもじゃないけど写真を撮れる余裕は無かった。
ボルトの固定は、金属用のエポキシパテを使うべきだったが、ケチって有り物ので間に合わせたら柔らかすぎて後に供回りして困った。
脱型(ていうか剥離)
養生テープからの離型は完璧。
整形
ダイヤモンドカッターは食い込みもなく、FRPの切断には最適だが、、、粉塵がひどいのでマスクとゴーグル、帽子、雨ガッパ等々の防護が必須。
クッションと上皮張り
取り付け
完成
オマケ