「旅」カテゴリーアーカイブ

ひだまり、、、

五辻の「ひだまり」がひっそり閉店していた。それも昨年末に。

何年か前、お気に入りだったカイラス食堂の閉店に尋常じゃないショックを受けた。あの時は友達と店のガラスに張られた「ありがとう。カイラス食堂」という別のお客のメッセージを見て、すぐには閉店していると気付かなかった。家に帰って胸騒ぎがしてネットで調べて初めて、もうあのまったりした時間と空間は戻らないんだなと、、、。その遅発性の喪失感はただものじゃなかった。

カイラス食堂の前を通りかかり店が開いてない事に気づいたけど、きっと気ままなお休みを取ってるんだろうと僕はそのまま車を走らせた。一緒にいた遠来の友人が「なんか紙が貼ってあって、気になるから戻ってください」と言い、ぐるっと回って先の謎の張り紙を見つけたんだった。

さっきその友人から東京から「ひだまりを京都に行った友達に紹介したけどその人は見つけられなかった。ちょっとイヤな予感がするので見てきてほしい」との連絡があった。

彼の予感は当たっていた。見に行くまでもない。ネットにはいくつかの情報が上がっている。
https://webgram.co/p/BPojX46A3P1
すぐに件の友人にメールを書いた。また時を置かず返事が来た。彼は僕たちのお気に入りの店がどんどん無くなっていくことを嘆く、「次はどこで寛いだらいいのか」って。

カイラス食堂のときも、今回のひだまりも、その友人はたまたま京都に来ていて閉店のほんの一週間かそこら前に、僕も一緒に「いつも通り」のんびり、だらだら、まったりをキメこんでいた。鉄道の廃線や列車の廃止に群がる葬式テツみたいなことはしたくないが、、、終わる前に行けてよかったのかも。。。いや、そんなこと慰めにもならないな。。。やっぱりショックだ。

カイラス食堂、タコ焼六ちゃん、ともゑ食堂、みたらし団子の日栄堂、西大路のうどん屋台、、、喫茶静香は再開したけどおばちゃんは施設に入っちゃったし、、、そんで、今度はひだまり。。。どんどん滅びていく。

中でもカイラスとひだまりは別格に寛げた。ほんとに、次はどこへ行ってダラダラしたらいいんだ。。。

一週間後に閉店とは知らず、寛ぐ友人
ひだまりの野菜カレー。これでワンコイン。しかも美味い!

「プレミアムカフェ 中国・世界最大の里帰り」

先日みたNHKの番組。

春節(中国の正月)直前の広州駅と列車内の様子。僕は中国国内で春節の大移動に行き当たったことはないけど、切符を求めて窓口に殺到する人波をかき分け、やっと手に入れた後、くたびれ果てて駅前広場で地べたに座り、鉄柵にもたれて、同じように列車を待つ中国の人たちと一緒に丸一日過ごしたことは何回もある。改札が始まったら我先にプラットフォームを走り押し合いへし合いで席を取り、ぎゅう詰めの客車内で北京からモンゴル、上海から昆明、烏魯木斉から北京と、幾度も何十時間の長旅をしたことも。。。僕の経験したものより更に百倍すごい人混みの渦巻くテレビの画面を見ていたら、中国の記憶が生々しく蘇ってきた。(汗) (@_@;)

今は聞かなくなったが僕が子供の頃には「出稼ぎ」という言葉があり、雪深い東北地方などから作物の実らない冬期の農家の余剰労働人口を季節労働者として大都市が吸収していた。春節の里帰りで移動する中国の人たちの多くが農民工と呼ばれ、あの広大な国の農村地域から大都市への出稼ぎに来た労働者。ただ彼らの多くは季節労働者ではなく、小さなアパートなどで家庭を持ち都市部に定住している。それでも春節には渡り鳥のように生まれ故郷を目指す。戦後の高度経済成長時期に日本人が通ってきた道とどこか似ている。

日本でもかつては正月前後に故郷へ里帰りするものすごい人数の客をさばくため国鉄が年末年始に「帰省列車」というものを走らせていた時代があった。定員を遥かに超える乗車率で身動きが取れない夜行列車内で、集団就職から何年も経っていないようなオボコイ顔立ちの若者がトランプに興じていたり、いかにも出稼ぎという風情の田舎のオッチャン達が酒を酌み交わし、賑やかに手拍子打ちながら演歌や故郷の民謡を唄っている様子をニュースでよく見たものだ。90年代に何度か行った中国の旅で僕が出会った人たちも、春節のテレビ番組の中に映っていた今から8年前の人たちも、恐ろしいような座席争奪狂騒が一段落した後は、おせっかいで好奇心旺盛でやかましく、いきいきと楽しく語り合い、スシ詰めの厳しい状況の車内でも思いやり、助け合っていたが。。。はて、さらに経済成長が進んだ現在の中国ではどうなんだろう。今も駅で、列車の中で、同じような混雑と喧騒が渦巻いているのだろうか。そして人も変わりはないのだろうか。

そういや長らく中国旅行をしていない。中国の人たちと疎遠になって、このごろは文化や習慣の違いや政治、経済、民族問題などを考えていると、僕もつい「やれやれ、中国人は困ったもんだ、、、」と悪態つきそうになる。もちろん、そういった問題で意見が相容れない人たちもいるだろうし、中国人みんながみんな良い人達だいうつもりはないが、、、でも、それは中国に限ったことではない。あんな酷い「大統領」が選ばれてしまうトンデモな国だってあれで良しとする人ばっかりじゃないし、選んだ人たちだって別に狂ってるわけじゃないだろうし、振り返ってみれば自分のこの国だって同じこと。ともすればついつい国というくくりで外国人、外国文化を見てしまいがちだけど、心して別けて考えるようにしないとな。。。

デッキも通路も座席もぎゅうぎゅうの列車内で、人をかき分けて弁当を車内販売をするのが映っていた。発泡スチロールの四角い容器に詰めたご飯の上にお玉でオカズを載せてくれるぶっ掛けメシ。僕もよくお世話になった(衛生面で問題があることもあったけど、、、)。さすがに列車の車内販売のようにその場でぶっかけてはいなかったが、90年代初期の中国では旅客機でもほぼ同じような食事が出されることがあった。この番組の撮影は北京オリンピックの翌年だったから、9年経った今はもうあんな素朴な弁当は無くなっているだろうと思っていたから、画面に映ったときは「おおっ!」と言ってしまった。う~ん、これも変わってほしくないな。。。次、行った時も食いたいなあ。。。


無為徒食

ああ、今年も元旦からぐうたらしてるうちに日が暮れた。。。いつも通り何も変わらず、また無為に一日が過ぎていく。

そこで、思い立ってひと歩き。 で、気がついたら7kmも歩いちゃってるし、、、


What I Ate Recently

これでは体重が落ちるわけがない。。。


ホンダのウィンカーリレー

角スコ馬頭琴製作のために作業場を使わせてくれた友人、久木田敦さんからもらったオモチャ。バイク好きの彼が古いホンダ二輪から取り外して大切に取って置いた電装部品。彼はクリスチャンだからちょっと早いクリスマスプレゼントだな。

今どきのウインカーリレーは電子化されていて面白くも何ともない。ちょっと前までは通電すると発熱してバイメタルが曲がり接点が開放されるタイプだった。これも機械としては見るべき所があまりない。

しかし、まるで時計のテンプのようなヒゲゼンマイの付いた回転子を備えて、それを電磁コイルで駆動する機構を持つリレーは初めて見る。

よく観察するとはずみ車には重量バランスを微調整したドリルの跡がいくつもあるし、軸受けのガタを無くすネジがご丁寧に軸の両端に付いていて、ネジ頭を固定するためのペイントが施されている。

テンプ機構は振り子の定周期振動に頼っていた時計を重力の呪縛から解き放ち、波にもまれる船舶のクロノメーターに使われた。姿勢や加速度の影響を受けにくいし、バイメタルのように外気温が極端に低いと作動しなくなることもないから、船じゃなくても同じように揺れたり傾いたりする自動車やバイクで使おうというのは解る、、、が、果たしてここまで精巧な機構に手間をかけ、精密に点滅間隔を制御する必要があるのか。不思議。

いつの時代のどんな形式のバイクなのか聞きそびれた。ホンダ以外のメーカーも同じようなウィンカーリレーを使っていたんだろうか。こんな末端の部品に惜しげもなく手間と金をかけるのは恐らくホンダだけだったんじゃないかな。。。