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旧車 Fiat 500のトレーラー連結検討(番外その2)

昨日やり残した作業を完了。例によって午後おそくからからのんびりやり始めた。途中、鉄パイプを買いに走ったので、思わぬ時間がかかってしまった。

昨日仮止めした車体とバンパーを繋ぐステーがヤワな板金製なので、力がかかるとへしゃげてしまいそう(わざと壊れやすくして、ぶつかったときにボディーにダメージが及ばないようにしてあるのかも)。しかし、ヒッチメンバーのメーカーはこのステーを留めるM10mmのボルト・ナットの締付けトルクを41.2Nmに指定しているから、板金のモナカみたいな金具は絶対もたない、ていうか、トレーラーなんぞ曳いたらあかんやろ。

ということで買ってきた肉厚の鉄パイプを切って、モナカの中に仕込んでやった。トルクレンチで規定の力を加えてみたがびくともしない。同じく仮止めしあったジャッキアップ用のハードポイントに付けるボルトも同じトルクで、ここも一緒に本締め。

問題は、バンパーが取り付いているエンジンルーム後端の框にはトレーラーを曳くに十分な強度が無く、先に書いた10mmのボルトに共締めされた斜めの補強板をホイールハウスにネジ止めすること。これが難しい。本来ならエンジンを下ろして、ドンガラになった内側から作業すれば何のこともないのだが、、、

手を抜くためには手段をえらばず、努力も時間も惜しまない僕としては、エンジンルームの内側の狭い隙間にノギスやペンを突っ込んで孔の位置を測り、タイヤを外したホイールハウス側にその位置を割り出す、というちょっと間違えたらドツボに嵌まる、賭けみたいなやり方を試みた。

間違えてトンデモな場所に孔を開けたら、強度は落ちるわ錆びのタネになるわ、カッコ悪いわ、、、で良いことは何もない。しかし今まで長年、こういうザツでテキトウなやっつけ仕事で修羅場を切り抜けてきた経験と、運も手伝ってくれて、ほぼピッタリの位置にネジ孔を穿つことができた。

しかし、まだ最後の難関が待っていた。M8mmのボルトをホイールハウス側(つまり外側)から差し込んで、狭いエンジンルームの中でナットを規定のトルクで締めるのは、また困難な作業となる。結局、ジャッキアップして固定スタンドを噛ました状態の車体の下に潜り、片手がホイールハウスでメガネレンチで供回りを止め、もう一方の手がエンジンルームでトルクレンチを使った。こういう時、電子式のトルクレンチは大柄で太いから尚のこと使いづらい。(締め付けトルクはナット側で測らないと意味がない)

全部の作業が終わったら、ちょうど日が落ちて辺りは黄昏れていた。寒っ!   

 


旧車 Fiat 500のトレーラー連結検討(番外)

ドイツからトレーラーヒッチメンバーが到着。

ダンボール箱を開けるのももどかしい、、、とか思いつつ、ベッタベタに貼り付けられた荷造りテープが何やらカワイイので、ついつい写真を撮ってしまう。

無数のテープを切って、蓋を開けたら最初に出てきたのは、またカワイイ ペーパーモデルのFiat 500。凝った精密モデルとかじゃなく、小学生とかでも作れそうなシンプルなの。それがまた良い。

後は、製造販売元Fischer社が出してるFiat 500とその弟分のFiat 126のパーツやアクセサリーの分厚いカタログ。それに送り状や組み立て解説図、ヒッチメンバーの強度諸元などなど。

その下に、肝心のブツがプチプチに包まれて横たわっている。引っ張り出して剥いてみたら、ドイツらしいしっかりした作り。

思ったとおり、取り付けはネジ締めるだけのポン付けとはいかず、車体にドリルで孔を穿つ必要がある。とりあえずエンジンマウント下にあるジャッキアップのハードポイントに2ヶ所、8mmボルト用の孔を開ける。メインの強強度10mmボルトはバンパー・ステーの6mmボルトを置き換えるだけ。後は補助ステーを留めるために左右のホイールハウスに2本ずつ8mmの孔、計4ヶ所。

今日はバンパー周りだけで日が暮れた。それでも仮止め状態で完成とほぼ同じに見える。(これでトレーラーを引っ張るとバンパーがモゲてしまうが、、、)

明日は、もうトレーラーを曳ける状態になる。ただし「物理的には」ということで、法的には、今までずっと書いてきた「連結検討」という書類を提出し、クルマかトレーラーのどちらかの車検証に「けん引ができる」ということを書き込んでもらう必要がある。

ただし、ヒッチメンバーは「指定部品」というもので、構造変更の改造申請や車検証の登録内容の変更とは関わりがない。(この辺が法律のヘンテコなところで、トレーラーを自作したりしたら、とてつもない労力で強度計算をしないといけないのに、ヒッチメンバーに関しては強度計算どころか、取り付けた届け出さえ要らない。せっかく、真面目なドイツの会社がどっさり強度の資料を送ってくれたというのに、、、)


旧車 Fiat 500のトレーラー連結検討7(終)

もう、トレーラー連結検討についてはこれでおしまい。

おそらく、日本ではまだあまりやった人がいないのではないか、という旧Fiat 500でのトレーラーけん引。運輸支局という役所の判断はどうあれ、軽自動車検査協会でトレーラー側にけん引車両の型式を登録すれば、合法的に総重量220kgほどのカーゴトレーラーが曳けることが判った。

しかも、引っ張る方の自動車にトレーラー総重量を登録するということ(いわゆる950登録)しか頭になかった僕に、そういう手段を教えてくれたのは、件の役所の職員だった。マニュアルに書いてないことはできない、という役所のルールに阻まれて950登録による連結検討は無駄な努力だったけど、実を取れたのはその人のお陰だから、まあ、これ以上ぐだぐだ言うのはやめておこう

と言いつつ、まだ心残りのことがある。

Fiat 500の車重、総重量、駆動軸重、馬力ではヘッド(けん引車両)側へのトレーラー重量の登録はできない。特に馬力不足ということ。25馬力ならOKになるのだが、、、(それと、もっと危ういはずの制動力は車検場で実測したがOKだった)

カタログデータでは18PSとなっているが、メーカーの正式な諸元がないのでどうしようもない。なぜか運輸支局の持っているデータでは22PSとして計算される。最後期のFiat 500Rはたしか23PSだったはず。どこから出たのだろう。ブレーキ性能のデーターは無かったのに、、、誰かがNet出力をテストベンチで計測して届け出たのかなあ、、、まあ、それでも950登録には足りない。

ところで、僕のチンク嬢はイタリアのカロッツェリア Italo Sportによるチューンドアップのエンジンで下の古い雑誌に載ったデータでは28〜32PSもある。なんとか、これで認めてもらえないか、、、でも、雑誌の広告だし、、、。この雑誌の写真をアップした人に何とか連絡をつけて、カタログや使用説明書でもいいからメーカーや販売店の出した「仕様」を手に入れられたらなあ、と思う。エンジン型式は同じ110F.000なので、問題なさそげだし。
http://minkara.carview.co.jp/userid/1700607/car/1267338/profile.aspx

もっと問題なのは僕のエンジンが「本当にItalo Sportか」と問われたら証明できないこと。ヤフオクで落としたもんだしなあ、、、(シリンダヘッドを外してボアから排気量は間違いないし、エンジン全体のコンディションは、知り合いの車屋さんが「一度も回してない」と言っていたから「日本の代理店の予備機」という触れ込みは正しいと信じてる)

とりあえず、軽登録で合法的にトレーラーを曳ける状態にしておいて、後からでもエンジンの数値を入手できたら、Fiatにトレーラー重量を追加登録することにしよう。

というわけで、お役所とのやりとりと、ウダウダはこれまで。


追記: 下の画像はItalo SportのチューンしたFiat 500が発売されたときに購入され、現在も乗り続けられている方がお持ちの画像で、連絡を取ったところ資料を幾つかお持ちだとか。雑誌もあるそうで、僕のチンク嬢が25馬力以上あることの証明になるかも、、、

http://cdn.snsimg.carview.co.jp/minkara/usercar/000/001/267/338/1267338/p3.jpg?ct=4581d692b19f
みんから「kita_fiat500l」さんのページより

そのうち、ドイツからトレーラーヒッチが到着する手はずになっている。(貨物はフランクフルトを出たとか)待ち遠しいな。


旧車 Fiat 500のトレーラー連結検討6

役所の現場の係の人たちはみな親切で、シロートの僕が変な資料を突きつけて、しつこく食い下がっても嫌な顔面せず答えてくれる。アポなしで行ったときは、担当がいないと言われて「避けられたか?」という被害妄想もちょこっと抱いたが、それ以外は連絡をくれと言えば、ちゃんと電話がかかってくるし、ぐだぐだ書いた書類も読んでくれ、検討してくれる。ただ、最後のところでは法律の壁、、、っていうよりお役人の壁を感じざるを得なかった。

今回トレーラーの導入について相談に行くまで、実際に検査を行う「現場」つまり、色んな機械がコースになっているところは、別の「独立行政法人」に分離されていたことを迂闊にも知らなかった。車検で何度も行ってるのに、、、

その審査機構の元の組織である運輸局の出先(運輸支局)が、トレーラーの登録に使う「連結仕様検討書」を吟味するのに使っている現場のマニュアルは「自動車検査業務等実施要領」。そこには軽自動車検査協会が適用してくれたような旧車についての別式は表わされておられず、パソコン画面で機械的に数値を入れたら、その式にしたがって自動計算される。したがって有無を言わさず「軽量非力なFiat 500はダメ」だとなる。

先に発見した「独立行政法人自動車技術総合機構審査事務規程」を示しても、彼らのマニュアルである「自動車検査業務等実施要領」の根拠となる法律「道路運送車両の保安基準の細目」を引っ張り出しても、マニュアルに書いてないことはできないというのだ。

同じところから分かれても、準拠する法律は同じはずだけど、、、。

元の運輸局がダメということを派生した現場の審査機構はOKと言ってるってこと?と、その辺りの関連資料や法律の根拠を出典を示して再度問い合わせたが、やはり「書いてないことはできない」んだって。

まあ、先に書いたようにトレーラーサイドでことを運べばいいだけのことなんだけど、ヘッド車の車検証にけん引能力を書き込んでもらえたら次のようなメリットがある:ヘッドの車検証には曳くことができるトレーラー総重量が何kgまでとだけ書かれるので、それ以下であれば別のトレーラーでも構わない臨時に他人のトレーラーを曳いてもいいし、トレーラーを買い換えて登録する度にヘッド(けん引車両)であるFiat 500の形式をいちいち車検証に書き込んでもらう手間が省ける

たかだかそれだけのことでも、役所が法律の適用を間違っているか、少なくとも見落としているのなら、何とか権利は行使させてほしいもんだ、、、と思った。

しかし、何度か運輸支局や軽自動検査協会へ足を運び、担当の人と直接話をし、また電話でも10回は下らないやり取りがあった、が結局は運輸支局の方は何の進展もなく撤退に終わりそうだ。

とほほ、、、

ただし、合法的なけん引は行えるんで、ま、いいんだけどね。。。(マケオシミ)


旧車 Fiat 500のトレーラー連結検討4

軽自動車検査協会京都事務所にて:

京都事務所
from www.keikenkyo.or.jp

軽自動車検査協会のカウンターでトレーラーの連結の相談だというと、今度はツナギを着たいかにも技術者という感じの男性二人が応対してくれた。若いけど課長と呼ばれている人と、もっと若い職員に、トレーラーはまだ買ってないがこれこれのタイプとiPhoneで画像を見せ、トレーラーの自重やサイズなどのデータも示した。彼らは普段はジェットスキーや小型ボートを乗せるようなトレーラーを扱ってるのだろうか「全長2m、自重70kg」というのがピンとこないらしく、しばらくトンチンカンなやりとりになってしまった。それでも嫌な顔ひとつせず、なんとか登録できないか何度も数字を入れては計算し直し、細かく説明してくれた。

自重70kgの軽量カーゴトレーラー from up-line.roro.jp

カタログデータの18PSでは非力すぎてとてもだめ。運輸局が持っている22PSというデータが採用できるとしても、そのままでは現行の連結検討の「走行性能」に関わる計算式に代入するとやはり足りない。ちなみに25PSならなんとか150~200kgまで曳けそう。。。

ところが、なんと昭和49年3月31日以前に登録された車には緩い基準の計算式が適用できるので、22PSでもなんとかなる、って!!!(嬉し)

それによると「もしもトレーラー自重70kgの数値が正しいなら、総重量220kgで積載量が150kgまでのトレーラーを登録できる」との回答を得られた。ただし、Fiat 500の性能マージンが少なく、とてもシビアな数字で、トレーラーの自重が90kgになったら登録アウト。ハナから重量物を積むつもりはなく、市販されている中で最軽量級の70kgのもので十分。

BLAST-CARGO T-23
非常に小型だが自重は120kgもある from blast-trail.jp

なんとか登録できないかと知恵を絞ってくれるこちらの係の人たちも、京都運輸支局の女性職員と同じく、クルマへの愛情のある人たちだということがよく感じられ、こちらが車好きのシロートだということで、余計に親切にしてもらえたのかもしれない。

今回は登録が可能かどうかだけの下調べだった。何はともあれFiat 500でトレーラーが曳ける可能性が十分あることが判ったところで、今日の仕事はここまで。

トレーラーの選定、購入、登録などが決まったら、またここのブログで報国予定。