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ガモフとの邂逅

ガモフはロシア生まれのアメリカ人物理学者だけど、東北地方のある地域ではうっかり口に出せない名前であるとか、ないとか、、、しかし京都人の僕にその意味は判らない。(フェラガモもいけないらしい、、、)

それはともかく、ジョージ・ガモフのことを知ったのは中学生の頃。京都の三条にあったアメリカ文化センターという、米国商務省の宣伝広報機関に併設された図書館に出入りして、メカ好き少年や飛行機小僧向けのPopular Mechanics、Aviation Week、ボーイスカウト向けのBoy’s Lifeなど珍しいアメリカの雑誌を飽かず「眺め」たものだ。(英語、読めんかったもんね、、、)

J.F. ケネディーが大統領だったころだ。。。アメリカ経済がベトナム戦争で疲弊する前で、アメリカ文化センターも潤沢に予算があったのだろう。図書館の書架には雑誌だけでなく、政治経済、科学技術、芸術文化、文学などの入門書から専門書まで、原書訳本取り混ぜて並んでいた。

その中に『ガモフ全集』という分厚くて黒い重厚な装丁の本が十数冊、セットで置いてあった。巻を取っ替え引っ替えランダムに取り出して、恐る恐る開いて読んでみたが日本語なのにちんぷんかんぷんだった。後に大人になってから読んだ『ファインマン物理学』のほうがまだ理解できた。まあ、勉強嫌いな劣等生だった中学生の僕に『ガモフ全集』は難しすぎた。それに懲りてガモフについては以後触手をのばすことはなかった。(あの敗北感は決して忘れることはなかったが、、、、)

昨年12月、大学院で宇宙物理をやっていた友人に「ガモフってどんな人?」っていう、まるで子供みたいな質問をしたら『不思議の国のトムキンス』という一般人向けの物理学啓蒙読み物を書いた人、と教えてくれた。ガモフはビッグバン理論の黎明期に関わった高名な学者だって。友人は、ビッグバン理論を支えた「アルファ・ベータ・ガンマ理論(α-β-γ理論)」という言葉も出してきたが、相変わらずちんぷんかんぷんのまま。。。(ただ、後から。α-β-γ理論の研究を論文化する時のエピソードなんかを知ったらガモフっておちゃめ、って思う)

帰ってから一般向け入門書の『不思議の国のトムキンス』くらいなら平易で読めそうかなと調べてみたら、なんと、それはあの『ガモフ全集』に収められていたんだって。全然憶えてない。十数巻もある全集を網羅して読んでいたら行き当たっていたかも。。。と思って、古書を当たってみたら全集の他の話もまとめて『トムキンスの冒険』とされた訳本をヤフオクで見つけた。全く競ることなく程度の良い一冊を落とすことができた。

実際手にとってみたら、『不思議の国のトムキンス』初版は戦前だったから、戦後の翻訳とはいえ文章の表現は古めかしい。中学生だった僕が『ガモフ全集』の中でこの話に行き当たっていたとしても、おそらく数ページも行かずに投げ出したことだろう。でも、あれから幾らも賢くなったとは言えないにしても、今なら湯水のように時間はあるし、根気だって少しはましになっている。四、五百ページはありそうだけど、パラパラめくってみたらそれなりに面白く読めそうな感じ。

今さら物理学を「啓蒙」されたくもないけど、半世紀も前のやり残しを反芻する、、、っての、どこかでやったなあ、、、(そっか、、、昨秋に行ったスウェーデンへの旅も、そういや中三の時に観た映画『Kungsleden』の舞台の地を訪ねるセンチメンタルジャーニーだったしなあ、、、)


近ごろ食べたもの

出町うさぎ(出町柳):ランチ

芽亜里(比叡平、閉店):レアチーズケーキ

パクチー(河原町丸太町):カレー、ガイヤーンその他

チョコレートケーキ(バレンタインデー)

きりたんぽ鍋+豆腐+ハタハタ粕漬(友人宅、秋田美人、北海道美人)

Focalpoint(西陣):ニンジャボール

みつばち(出町):クリームあんみつ+白玉、餡こトッピング

ニンジャボール(自宅)お土産、ニンジャボール各種

 


ひだまり、、、

五辻の「ひだまり」がひっそり閉店していた。それも昨年末に。

何年か前、お気に入りだったカイラス食堂の閉店に尋常じゃないショックを受けた。あの時は友達と店のガラスに張られた「ありがとう。カイラス食堂」という別のお客のメッセージを見て、すぐには閉店していると気付かなかった。家に帰って胸騒ぎがしてネットで調べて初めて、もうあのまったりした時間と空間は戻らないんだなと、、、。その遅発性の喪失感はただものじゃなかった。

カイラス食堂の前を通りかかり店が開いてない事に気づいたけど、きっと気ままなお休みを取ってるんだろうと僕はそのまま車を走らせた。一緒にいた遠来の友人が「なんか紙が貼ってあって、気になるから戻ってください」と言い、ぐるっと回って先の謎の張り紙を見つけたんだった。

さっきその友人から東京から「ひだまりを京都に行った友達に紹介したけどその人は見つけられなかった。ちょっとイヤな予感がするので見てきてほしい」との連絡があった。

彼の予感は当たっていた。見に行くまでもない。ネットにはいくつかの情報が上がっている。
https://webgram.co/p/BPojX46A3P1
すぐに件の友人にメールを書いた。また時を置かず返事が来た。彼は僕たちのお気に入りの店がどんどん無くなっていくことを嘆く、「次はどこで寛いだらいいのか」って。

カイラス食堂のときも、今回のひだまりも、その友人はたまたま京都に来ていて閉店のほんの一週間かそこら前に、僕も一緒に「いつも通り」のんびり、だらだら、まったりをキメこんでいた。鉄道の廃線や列車の廃止に群がる葬式テツみたいなことはしたくないが、、、終わる前に行けてよかったのかも。。。いや、そんなこと慰めにもならないな。。。やっぱりショックだ。

カイラス食堂、タコ焼六ちゃん、ともゑ食堂、みたらし団子の日栄堂、西大路のうどん屋台、、、喫茶静香は再開したけどおばちゃんは施設に入っちゃったし、、、そんで、今度はひだまり。。。どんどん滅びていく。

中でもカイラスとひだまりは別格に寛げた。ほんとに、次はどこへ行ってダラダラしたらいいんだ。。。

一週間後に閉店とは知らず、寛ぐ友人
ひだまりの野菜カレー。これでワンコイン。しかも美味い!

失敗ではない、、、ってさ。

原子力で見積もり通り、予定通りに運んだことってあるか?
たとえば原発の安全性、たとえば高速増殖炉、たとえば核燃料サイクル、どれも破綻してる。
 
既存原子炉をまともに廃炉もできるかどうかも怪しいのに、福島の廃炉計画に予算や期間が明記される。しかも案の定どんどん金額は膨らんで当初見積もりの倍になってるし、どうせ期間だってずるずる延びるに決まってる。
 

先日福島第一の2号機内部に東芝と国際廃炉研究開発機構の作ったさそり型の調査ロボットが投入されたが、炉内に入った途端あっさりと壊れた。高い放射線量で壊れるまえに、クローラー(いわゆるキャタピラ)に堆積物のカスが挟まって動けなくなった、だって。シロートの僕が見てもちゃちで壊れそうだったもんな。高専のロボコンレベルのシロモノ、、、(あ、高専の生徒さんに悪いわ。ごめん)

なのに東電は「失敗ではない」と言い張ってる。圧力容器内部を動き回って状況を観察し、底部に溶け落ちて溜まっている(いや、底を貫いて地中食い込んでるかも、、、)燃料デブリまで撮影できるかも、と言っていたはずなんだけど、実際に出来たのはレールの上を僅か数メートル進んだだけ。わずかな写真撮影と線量を測っただけ。ロボットが見た目通りに役立たずだったと証明しただけだ。(お値段おいくらなんだろ?)

失敗ではなかったのなら成功なのか?たとえば人工衛星を打ち上げようとして、ロケットの第一段目は点火したけど、発射してすぐ停止、二段目も衛星も海に落ちたら、それは成功とは絶対言わない。誰が見てもあからさまに失敗だ。こういう役人や政治家みたいな言葉の使い方が、東電の隠蔽したり事実を曲げたりする危険な体質を現している。(南スーダンで自衛隊が巻き込まれたのは「戦闘ではない」と言い張るどこぞの政府と同じ)

炉内偵察ですらこの体たらくで、内部のデブリの位置さえ判らないのに、対応する技術も実際の解体機器も開発はおぼつかない。それで「いついつまでに廃炉」なんてよく言えるなと思う。

絶対確実なのはあと数十年(いや百年以上かも)、マッチポンプみたいな原発メーカーは廃炉ビジネスで儲け続けられるってことだけ。ただ、東芝は来年まだ存在してるかどうか知らんけど、、、

クソの垂れ流し、ケツの拭き忘れ

以前、FacebookなどのSNSに失望して、やめると騒いだことが何度もあった。またその兆候が出てきている。今もまだSNSは悪意のガセネタ、フェイクニュースなどで溢れかえっているから、見ていてとても気分が悪くなる。

僕の知り合いや友人の中にはそんな有害な情報をわざわざでっち上げて流布る人なんていない(と思いたい)。しかし、しかしだ、、、何人もの知り合いが、自分ででっち上げたのではなくても、騙されて、インチキなブログ記事をろくに内容も精査せずに無批判、無自覚にシェアしているのを見ると、放っておけなくてついつい要らぬお節介なコメントをしてしまう。

フェイクのネタ製造元のヤカラはともかく、そうと知らずにシェアした人達には悪気が無いのだが、、、それがためにどれだけの人が傷つくか、ということを考えていない。中身もわからないまま記事のタイトルに煽られて、リンクを張ったり、シェアしたり、、、悪意がないからと言って害毒の拡散に加担していることには変わりない。騙されたのだから被害者だということにはならない。無分別の彼らはフェイクニュースの共犯者であり、加害者でもあると思う。

よく読まないどころか、読む前にとりあえずシェアしておいて、自分は「後で読む」ってのを批判したことがあるが、これも悪意じゃなく、単に今は時間がないからと、まるでメモ代わりのように、とりあえずリンクしておこうかというもの。タイトルだけで中身の判らないものをバラ撒くって、なんでそんな無責任なことができるのか。僕には理解できない。

こういうお気楽な、無責任な人たちは、無邪気に自分で流した情報について何のフォローもしない。それが間違ったニュースや悪意の情報であったと判明した後は特に完全シカトを決め込んでいる。そんな人達でも安倍やトランプの厚顔無恥で危険な嘘メッセージを非難し危惧しているのだから、やんなるなあ。。。恥ずかしくないのかな。いや、恥ずかしいから自分のケツも拭かないで素知らぬふりをするんだろうな。

例えていうなら、尻を拭かずクソの付いたままのケツで、パンツも穿かずに電車のシートに座り、くっさいクソを座面になすくり付けておいて、自分はさっさと降りてしまう、って感じだな。そういうことをやるかねえ、普通。

そう言うお前、何様や!と怒られそうだな。僕も自分の書くことにすべて裏を取っているわけじゃない。間違ったり早とちりも多々ある。でも、他所のサイトをリンクしてシェアするときはできるだけ読み込んで、納得いくものに限っているし、必ず自分の考えをコメントとして添えている。まあ、それでも心してSNSを使っていこうとは思うが、こんな気分にさせられるのが続くなら、やっぱやめたほうが体には良さそげだ。。。