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餃子作る

作る、つっても、餡は先日iPhoneの設定を手伝ったお礼にと、いただいた「元」明養軒の焼き餃子のお土産にプラスアルファで付いてきた餡を、手製の皮で包んで焼いただけ。

うちに中力粉しか無かったのでそれを使ったけど、結構モッチリ。餡はもらってから、すぐに食べる機会を逸したので冷凍してあった。冷凍するとベチョベチョになるからしない方がいいと言われていたけど、思いの外だいじょうぶだった。

皮は中力粉300gに水(お湯)150cc。重量比だと2:1だな。それに塩をひとつまみ。ボウルに入れて箸で混ぜ混ぜ。最初はなんかそぼろ状になってるが、そのうち何となく生地らしくまとまってくる。その頃には熱くなくなってるんで、手で捏ねてまとめる。グーで押して内部の空気抜き、シワもなくす。生地ををラップに包んで30分ほど寝かせる。

母が昔、北京に住んでいたためか、うちでは子供の頃は餃子の皮は手作りだった。ていうか、60年も前は日本で自家製の餃子を作る家庭なんてそんなに無かったし、家庭の食には保守的だった京都の中心部の、呉服問屋の多い室町界隈の家々じゃなおのこと。当然、餃子の皮なんぞ売ってなかった。(ちなみに、母は辣油も作っていたなあ、、、)

母から引き継いだ餃子用の麺棒で皮を作るのは難しくないが、僕は包むのがあまり得意ではない。先日のiPhone設定を手伝った元明養軒の元看板娘で元後輩のスゴ技、超高速餃子包みを習っておけばよかったなあ。

そうは言っても、もう生地つくっちゃったしやるっきゃない。中力粉の生地は今ひとつ腰がないというか、扱いにくいなあ。破けることはないけど、ひだを作ってるうちに餡の重さでダラーと伸びちゃうし、、、。

(追記:どうも「塩ひとつまみ」では足りなかったのかも。グルテンをもっと活性化するために、今度作るときは小さじ一杯くらい入れてみよう)

300gの小麦粉と150ccのお湯で、都合450gの生地から約30枚の皮が出来た。。。が、もらってきた餡では16個しか包めなかった。冷蔵機に有り物の納豆や黒ニンニクで水増しした。それに長らく冷凍庫の底に見捨てられていた生ソーセージを解凍して刻んでみたら、何となく餃子の餡のようになったので、28個まで出来た。。。

が、あと2枚が残った。もう入れるものが無い。仕方なく形の悪い方を刻んで「具」に見立てて最後の1個を包んだ。これは、チベットの僻地の町で雪に封じ込められた友人二人が話してくれたことを思い出して作った。彼らは孤立した町で数ヶ月過ごすうちに、地域全体が外部からの補給を絶たれたため、通っていた食堂の餃子の肉がだんだん少なくなり、しまいには中身の餡が皮と同じものになったそうだ。うちじゃ、そのプロセスをほんの30分ほどで経験したわけだなw。

何はともあれ、出来た餃子をちゃちゃっと焼いて完成!「コーテル・イーガ!」、「オウ!ミンバイヨー」ちう昔聞いた珉珉だったか王将だったかのやりとりを思い出す。

夜中に突然餃子を作って、一人黙々と食すってのは正直あまり楽しくもない。救いは餃子の餡が(全てではないにしても)高校生の頃に食べた青春の思い出の味に連なっていること。ていうかその味を作っていた人の手になるものを今まだいただけるのだから、独居老人の独りメシの悲哀というシチュエーションはともかく、噛みしめるたびに溢れ出る味は格別だった。

夢中で作って、夢中で貪って、気が付いたらズボンが真っ白、、、。何やってんだか、、、