
「日記」カテゴリーアーカイブ
Fiat 500 フロントシート交換 その2
背もたれのガワを引っぺがして、破れた部分を補修した。
補修箇所は都合5箇所。
1)一番目立つ大きな破れが運転席背もたれ右下の乗り降りで腰が擦れる部分。
2,3)同じ背もたれの左肩部分に2箇所、それぞれ大小の割れ目。
4)運転席背もたれの中央右寄りの縦の縫い目に沿った割れ目。
5)助手席背もたれ右側、鋭利な刃物による切り傷。
補強のため上記すべての箇所を布で裏打ちした。特に(1)は傷んだ面積が大きく、僅かだが欠損している部分もあったので、表側からレザーを貼り付けた。
裏打ちだけでもそれなりに裂け目はつながったが、あまり美しくないし、擦れて地が見えている部分もある。さらなる補強と美観のため、上からパッチを貼ることにした。(この部分を温存するために背もたれのレザーを運転席と助手席でスワップした)
シートを引き取ったとき、後席は要らなかったがレザーだけ剥がして持って帰ってきた。その後席から切り出したレザーを補修パッチとして使った。パッチの縁をできるだけ目立たないようにしたかったので、レザーの縫い合わせ目を紙で型取りして、予備レザーの赤いステッチも残し、その外側で裁断し貼り付けることで背もたれの方の赤ステッチが隠れても装飾用のステッチが失われないように工夫した。また、パッチの縁が白く見えないようにマジックインキで断面を黒く塗った。
接着剤スーパーX(黒色)は目立たず、固まってからも柔軟性があり、またいつの頃からか「黒」が出ていて、この手の修理には欠かせない。
修理した運転席側のレザーを助手席の背もたれのウレタンに被せ、途中の引っ張りをホグリンクではなくタイラップで締め付け、最後まで被せ終わったら下部のまたタイラップで固定。陽の当たらない場所なので経年劣化することはないだろう。また外す時が来てもニッパーで簡単に切れるし。
最後にヘッドレストホルダーを差し込んで、作業終了。若干のシワと継ぎ目の上部は隠しきれなかったので、横線が入っているが、傷んだ背もたれのレザーは助手席に移し替えたからドア側からは判らない。
背もたれ上部の割れ目、サイドの切り傷は裏打ちして、表の傷を接着剤で埋めたらほとんど目立たなくなった。強度も十分だろうからパッチは施さなかった。
Fiat 500 フロントシート交換 その1

うちのチンクちゃんの前席は前のオーナーによってセミバケットシートに交換されている。オリジナルはまだ新品がヨーロッパから入手可能だが如何せん高価。そこでGoogle画像で物色してたらダイハツ・ミラジーノのレザー仕様がクラシックFiatに違和感なさそげに見えた。


前席、後席セットで4000円弱というのをヤフオクで落とし、送料がもったいないのでトレーラー引っ張って、伊丹まで行って引き取ってきた中古シートはまずまずのコンディション。だけど運転席の背もたれ左下(出入りするときに擦れる部分)が破れていた。
修理には、使わない後席のレザーから切り出したあて布を上から貼るにしても、皮を剥いで裏打ちしてやらないと強度が出ないし、なによりウレタンフォームで立体的に膨らんでるからシワなくきっちり仕上がらない。あまり気が進まないがレザーを外して補修することに。
背もたれのレザーを脱がすには「ホグリング」という針金の留め金を外す。これがまた硬くてめんどくさい。どうせ再度取り付けるときには使わないからロッキングプライヤーとラジオペンチでエイヤっと輪っかをこじ開けた。
ヘッドレストはスポッと抜けるが、その基部の部品(ヘッドレストホルダー)がいくら引っ張っても抜けない。背もたれの後ろ下部からレザーの下に手を差し込んで、ホルダーの先を摘まんでロックを外しながらもう一方の手で上に引き抜く。
めでたく上半身ハダカに、、、ひん剥かれたシートは「いや~ん!」とは言わなかった。中身のウレタンは思ったほど劣化していない。しめしめ。
ガラスファスナー
十年以上も前だろうか、知り合いの堺町画廊の窓ガラスにヒビが入り、その修理をしたことがある。おそらく戦前から嵌っていたであろうガラスは良い感じに表面にムラがあって、新たに平滑なガラスと入れ替えたら違和感がある。
そこで、昔、まだガラスが貴重だったころに(と言っても昭和3〜40年代だが)よく見かけたヒビ割れを継ぐファスナー状の部品で修理することになった。(画廊のオーナーから頼まれた、というか、僕が買って出た)
その部品の名前は知らないし、おそらくもう売ってもいないだろう。無けりゃ作るだけのこと。
とは言うものの、どこかに見本があるわけでもなく、もちろん作り方もわからない。おぼろげな記憶を頼りにおそらくこうだろうという構造を考えだした。
まあ、さほど複雑でもないし、工作が難しいわけでもない。ビールの空き缶(その時はスチール缶)をリボン状に切り出し、両側にタブ状に切れ目を入れて交互に上下に折り曲げ、ムカデみたいになったファスナーをヒビの隙間に挟み込む。ただそれだけ。
子供の頃に見かけたものは工業製品だからタブが細かく揃っていたが、間に合わせのブリキバサミではあまり綺麗には手作りできない。タブは1辺が5mmくらいの方形になってしまった。でもまあ、許容範囲だろう。
折れ曲がったタブを木槌の頭で押さえつけたり、軽く叩いたりして、ガラス平面に馴染ませた。
もうずいぶん前のことだからどれくらいの時間を費やしたか憶えていないが、まあ、チマチマとめんどくさい仕事ではあったなあ、、、
(忘れられた方法でガラスを継いだら、戦前生まれだった当時の画廊オーナーには喜んでもらえた)
GlassFastener-compressed























