「自動車・バイク」カテゴリーアーカイブ

鰯の頭も信心から(FIAT 500の電子防錆)

1990年代の中頃は北海道の十勝に住んでいて、トヨタのハイラックス4WDに手製のカーゴシェルを荷台に被せて走り回っていた。北国の冬道は凍結防止の塩カル(そう、塩です!)がたっぷり撒かれるので、クルマのボディーにはすこぶる悪い。そこで大枚はたいて買ったのが「Rust Buster」なる代物。今ではもう売ってないが、似たようなものはまだ色々と市場に出回っているようだ。

比較対象が無く検証のしようがないのでRust Busterが効いたかどうかは定かではないけれど、7年くらい乗った件のハイラックスはほとんどサビが出なかったのは事実。そのハイラックスは北海道を離れる前に知り合いに譲り、Rust Busterだけ取り外して持ち帰ってあった。それを後に京都で乗り始めたホンダのビートに取り付けたが、乗った期間が短く、効果のほどは判らない。

さて、今のフィアット500には、最初のうちこれと言ったサビ対策を施さなかった。元々そこら中に傷があり、前のオーナーはステッカーなど貼ってサビ孔を塞いでいたが、だんだんそれが酷くなってきたので板金屋さんで修理してもらったのを機に別の電子防錆の機器を取り付けた(「Today’s homework project 今日の工作」の投稿参照)。以来、ひどいサビの侵食は進行が止まっていた。(あくまで主観だが、、、)

高電圧発生器・550V!!!

この電子工作みたいにシンプルな電子防錆機器は値段も安く、何よりその販売サイトがとても誠実そうだし、防錆効果の実地テストも公開していて、そのうえ他の電子防錆機器では公開していないような、電流、電圧、その他のデータも明記し、はては回路図までご開帳。色んな意味で信頼のおける店だ。

ところが今年の正月に行ったワイヤリング・ハーネスの総取っ替えの時に外して、常時接続の電源を取り出すのが面倒でそのままになっていた。その結果、、、梅雨と夏を越したあたりで車体塗装にブリスターが発生しているのを発見。

これはイケません。と言いつつ今になって電子防錆はやはり効いていたんだ、と再認識。自作したアノード(車体に貼り付けた+に帯電する電極)はそのままにしてあるので、電子防錆機器を復活しなければ。ところが、その機器が見つからない、、、どこに片付けたのやら、、、。慌ててあちこちガサガサしていたら何と偶然にも10年以上前にビートから外した年代物のRust Busterが出現。う〜ん、これも何かの縁だろう、とこれを取り付けることに。

今はもう売ってないRust Buster

ついでに、使わなくなっていた充電用ソーラーセルもバイザーに復活させて、バッテリーから引き出したヒューズ付きの常時接続電源線につなぐ。こちらは専用のシガーソケットを室内に設置して脱着しやすくした。これで長く乗らなくてもRust Busterによるバッテリー上がりの心配はなくなるという寸法。

というわけで、めでたくRust Busterとその専用アノードをフロントボンネットの下に、もう一つのアノードを室内のリアウィンドウ下に取り付けた。

さてさて、効能のほどは如何に?!


追記:このRust Busterなる電子防錆装置を購入したのは四半世紀も前の話で、今はもう売ってない。が、似たようなのはいくらでもある。最近まで使用していた別の防錆機器はまだ売ってる。ただ、それもこれも含めて本当に防錆の効果があるのかは判らない。それでも、実感として効いていたと思われるし、使用をやめて1年経たずにサビが増したのも事実。いろいろ考えても実証できない以上は、効果を保証するものではないことをことわっておく。信じるか信じないか、、、 知らんけど。


FIAT 500 オルタネーター異音を修理

最近、うちのチンク嬢がまだダダをコネ始めた。

まず、バッテリーを落とし込んであるフロント部分の雨水ドレインがゴミで詰まり、水が溜まっていたところに、ガソリンタンクの吸気ホース(チェックバルブじゃない!昔のオフロードバイクか?W)の先端が浸かって、走るたびにガンガン水を吸い込んでいた。路上でエンストし、そのまま再スタートできずJAFのお世話になった。燃料系の水抜きは大変だったが、まあ、掃除を怠ったオーナーの自業自得。

次に、エンジンベイからのノイズが異常に大きくなったので、リアフードを開き、運転席のドアも開けたままあれこれチェックしていたら、ルームランプが過熱しておかしくなった。スイッチが壊れ、レンズが溶けた。その顛末は前回の投稿「FIAT 500 ルームランプ再生」に詳しく書いたのでここでは省略。

さて、そのエンジンからの異音の原因だが、水を吸ってエンストしたことと関係が有るのか無いのか、、、。なんかガツガツ、コンコンとく嫌な音とゴロゴロというベアリングの壊れたような音

前者はノッキングを疑われるのだが、水は関係なさそげ。以前に電子点火にしてあり、ポイントのような点火時期のズレは考えにくいのだが、現実にタイミングライトを当ててみたら既定より随分早い時期に火花が飛んでいるようだ。ポイント点火をやめたのに、何で???とも言ってられないので、ディストリビューター(と言っても今は2気筒同時点火なので、単に電子点火のローターだが)を回して点火時期を調整を試みる

ところがすでにディストリビューターは目一杯回った状態でそれ以上の調整が利かない。元々の組み込み位置がおかしいようだ。そこで、ディストリビューターを根本から引っこ抜いて、先っぽのギアを一歯ずらして復旧してみたら、今度は点火時期がメッチャ遅くなってまともにアイドリングすら難しい。どうやらディストリビューターをエンジンに突っ込む際にギアの噛み合いがずれてしまうようだ。ひたすら試行錯誤で、なんとか解決。これでエンジン音が少しマイルドになった。ふう。。。

(追記:ディストリビューターの駆動歯車はヘリカルギアになってるんで、エンジン内部のギアに抜き差しすれば少し回転するから、これがなかなか難しい)

(追記:それでもまだ、カチカチ音が残っていたので、バルブクリアランスも後に調整した。バルブクリアランス調整は昨年末にやっているんだけど、、、点火時期と言いタペットと言い、なんで狂うのだろ?)

ここからがやっと今日の本題。後者のゴロゴロいう異音はどうやらオルタネーターのベアリング損傷らしい。点火時期のズレと同時に起きるから話がややこしい。まあ、なんとか区別がつく程度の知識は持ち合わせているが、、、。

ややこしいと言えば、本来なら古いチンクはダイナモ(直流発電機)が装備されているが、うちのは低回転でも安定して発電するオルタネーター(交流発電機)に換装してある。オルタネーターは本体と取り付けベースが一体になっており、分割式でストラップで留めてあるだけのダイナモのように簡単にはすんあり脱着できない。つまり冷却ファンシュラウドの一部のネジを外してゆさゆさと浮かせてやらないといけない。シュラウドにはおっそろしい数のネジが付いており、どこをどう外せば良いのか、、、マニュアルやネット情報にはダイナモのことしか出てこない。しかたなく闇雲にネジを緩めたのが良くなかった。先ずはしっかりものを考えるべきだった。結局、オルタネーターは外れたが、その脱着に関わるネジはシュラウドをネジはエンジンに固定している10数本だけだったと後から判明。くそ!(頭を使わず、手が先走るとこうなる。)

外したオルタネーターを手で回すとゴロゴロした感じがする。やはりベアリングの摩耗に間違いない(って、間違っていたらどうすんねん!)。分解自体はスムーズに行ったが、回転子の軸のプーリー側のキーが舐めていることが判明!ベルト駆動で軽い負荷のオルタネーターとファンを回すだけだから一発でこんな舐め方をすることはまずない。おそらくキー(スピール)の嵌合が悪いか何かで、少しずつ削れて行ったのだろう。

FIAT 500のオルタネーターは国内でも買えるが10万円もするのでとても手が出ない。ていうか、中古エンジンが買えそうな。。。海外のサイトではリビルト品が3万前後。でも、遠い異国から届くのを待ってはいられない。とりあえずキーの代わりにM6のイモネジをぶち込んでおく。長年の擦れで軸とスリーブの間にガタも出ているから、モンゴルで習ったアルミテープを巻いて誤魔化す方法をやってみた(W)。(ちなみに海外では新品、リビルトの本体だけでなく、ステーターやローターなどの部品も売っている。新品ローターは1万円ほどだから買っておこうかな)

(追記:20年以上前、モンゴルのベテランドライバーは、無人の大草原の真ん中で自動車が故障しても、ありあわせの材料で修理してしまった。例えばUAZのオイルパッキンが傷んでオイル漏れが発生したら、ダンボールの切れ端で代用していた。しかもその型を取るのに、端面にダンボールを当てがい周囲を石で叩いて切り抜くという信じられないような方法で!また別の時には、舐めたボルトを固定するためにタバコの箱のアルミ箔と一緒にねじ込んだり、、、。)

閑話休題。ベアリングの抜き出しと打ち替え自体は難なく終了。オルタネーターを再組み立てし、新しいブラシも奢ってやった。これであと10年は行けるだろう。いや、スピッル代わりのイモネジとアルミテープがどこまで持つか、、、。

さてさて、オルタネーターの再取り付け。オルタを据え付け、ファンがシュラウドに干渉していないか確認するにはある程度のネジでシュラウドをエンジンに仮固定する必要がある。ファンとオルタネーターの間のフランジにシムを噛ませてこの調整をするのだが、うっかりシムをシュラウド内に落とすと大変なのでできれば使いたくないのだが、結局、何度かの試行錯誤で元通りの位置にシムを入れることに。

その間、ネジを何回脱着したことだろうか、、、中でも、最終の組付けで苦労したのが、ファンシュラウドをエンジンに固定しているM8のボルトのうちエンジンの後方から見て裏側にある2本。直接見えないので手探りで入れる。しかしシュラウドの穴とエンジンのネジ穴がズレているので、抜くのは簡単でも組み付けるとなると困難甚だしい。こういうことは本来ならエンジンを下ろしてやるべき仕事なのだ。ていうか、オリジナルのダイナモであればシュラウドは一切触る必要がない。オルタネーターの効用を考えたら痛し痒しといったところか。(分解して解ったのだが、裏側のネジは外さなくてもよかった。とんだ無駄骨だった)

何だかんだで修理が完了したのは作業を初めて二日目の日が落ちてからだった。(まあ上記の「見えない」ネジの取り付けは日が暮れようが関係なかったけどね)


FIAT 500 ルームランプ再生

ルームランプが変になった。スイッチがグラグラでオフの位置でもランプが点いたり消えたり、しまいにゃレンズ部分が変形し始めた。

過大なワット数の電球の発熱で、中央部分が熔けて座屈している。

以前、ルームミラー内部の配線が外れてショートした折、修理ついでに薄暗かったランプのワット数を上げてあった。以後、室内でものを探したり字を読んだりの苦労がなくなったし、特に問題はなく今まで来た。ところが先日来、エンジンに異音が出て、ドアを開けたまま後ろのエンジンベイと運転席を行き来している時間が増えたため、白熱電灯の熱が災いしてルームランプのクリアプラスチック製ベースが溶け始めたのだった。発火しなかったのは不幸中の幸いだったか、、、。

ネットで調べてみたがランプ部分のみの部品販売は無いようで、ミラーごとごっそり替えるとなると、海外の専門業者では5000円(送料別)、メルカリで見つけたのが12000円、国内の業者だと15000~20000円。とても手がでない。しかもリプロ品でプラスチック製なんで諦めた。

買うのは諦めても、夜間に暗闇の不便はやだ。そんで、ミラーのケース(クラシカルな鉄板製のモナカ)はそのままに、内部のランプ構造をでっち上げることにした。熱対策としてベークライト板を使い、ランプホルダーやスイッチ部分は元の部品をもぎ取って利用する。レンズ部分も熱に強いポリカーボネイトを使用。RoomLamp寸法

完成後、ちょうど日が暮れ始めたので早速装着。まずは通電テスト。電球色LEDランプを突っ込んで、ドアの開閉でオン・オフ確認。本体スイッチでのオン・オフ確認。

一旦配線を外し、ルームミラーのケースに装着。ミラーをステーに取り付けてから、再度ギボシ端子を接続。各スイッチの動作確認OK!