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FIAT 500 ルームランプ再生

ルームランプが変になった。スイッチがグラグラでオフの位置でもランプが点いたり消えたり、しまいにゃレンズ部分が変形し始めた。

過大なワット数の電球の発熱で、中央部分が熔けて座屈している。

以前、ルームミラー内部の配線が外れてショートした折、修理ついでに薄暗かったランプのワット数を上げてあった。以後、室内でものを探したり字を読んだりの苦労がなくなったし、特に問題はなく今まで来た。ところが先日来、エンジンに異音が出て、ドアを開けたまま後ろのエンジンベイと運転席を行き来している時間が増えたため、白熱電灯の熱が災いしてルームランプのクリアプラスチック製ベースが溶け始めたのだった。発火しなかったのは不幸中の幸いだったか、、、。

ネットで調べてみたがランプ部分のみの部品販売は無いようで、ミラーごとごっそり替えるとなると、海外の専門業者では5000円(送料別)、メルカリで見つけたのが12000円、国内の業者だと15000~20000円。とても手がでない。しかもリプロ品でプラスチック製なんで諦めた。

買うのは諦めても、夜間に暗闇の不便はやだ。そんで、ミラーのケース(クラシカルな鉄板製のモナカ)はそのままに、内部のランプ構造をでっち上げることにした。熱対策としてベークライト板を使い、ランプホルダーやスイッチ部分は元の部品をもぎ取って利用する。レンズ部分も熱に強いポリカーボネイトを使用。RoomLamp寸法

完成後、ちょうど日が暮れ始めたので早速装着。まずは通電テスト。電球色LEDランプを突っ込んで、ドアの開閉でオン・オフ確認。本体スイッチでのオン・オフ確認。

一旦配線を外し、ルームミラーのケースに装着。ミラーをステーに取り付けてから、再度ギボシ端子を接続。各スイッチの動作確認OK!

 

 

 


FIAT 500 ワイヤリング・ハーネス全交換(番外編)

ワイヤリング・ハーネスを交換して、車検も通り、電気からエンジンまでほとんど全てが快調なFIAT 500。ただ一つだけ気になってる、ていうか、気に入らないことは、ランプ類をLED化したために起きる「ブレーキランプからヘッドライト・ポジションライトへの電流回り込み(逆流)」だ。具体的には、昼間にフットブレーキペダルを踏むと、ヘッドライトを点灯していないのにメーター照明やライトインジケーターが光ってしまう。ハーネスの取替前は後部コンビネーション・ライト内部のポジションランプに整流ダイオードを挟み込んで電流の回り込みを防いでいた。

以前に買って取り付けた整流ダイオード。値段が高いし、余分な配線が邪魔。

せんだっての電線総取っ替えでは、一旦全ての回路をできるだけオリジナルに近づける方針だったので、整流ダイオードは入れなかった。その後、トレーラー用の配線を施したのだからダイオードを入れない手はなかったのだけれど、まあ面倒っちゃあ面倒だし、そのままでも車検通っちゃうんだから、誰にも迷惑かけないし危険でもない。運転者だけがブレーキかけるたびに密かに気づくだけだ。ただ、やはり点けてもいないインジケーターが光るという「普通じゃない」ことが目の前で頻繁に起きるのは面白くない。

以前取り付けていた既製品の整流ダイオードは2個セットで当時600円くらいしてた。今回、それらを流用しようと思ったんだが数が足りない。どうやらグッチャグチャの旧配線にまぎれて捨ててしまったらしい。そこで、前から買ってあった整流ダイオード(ショットキー バリア ダイオード、1個90円ほど)を使って簡単なアダプターをでっち上げた。ちなみにこのダイオードは45V 20Aなので、LEDから普通の電球に換えても余裕。https://m.media-amazon.com/images/I/61B7sKhATcL._AC_SX679_.jpg

Amazonで購入したショットキーバリアダイオードリアコンビネーションライト内部の配線に挟み込むだけなので、いちいちリード線を着けるまでもなく、ダイオードの足にいきなり平型端子のオス・メスをカシメ着けた。邪魔にならないようできるだけ短くしたので絶縁カバーを後から入れる必要があったが、カバーの根本をカッターで切り開き、装着後に熱収縮チューブで更に覆って切れ目が露出しないようにした。これでわずか数cmのアダプターが完成

ショットキー バリア ダイオードを使った逆流防止アダプタ。

早速、リアコンビネーションライトのポジションランプの端子を外してアダプターを挟み込んだ。結果は上々。ヘッドライトOFFの状態でブレーキを踏んでも、もう不要なインジケーターランプやポジションランプが光ってしまうこともない。メデタシメデタシ。

右後部ポジションランプに給電する黄黒線に逆流(回り込み)防止アダプタを取り付けた。
左後部ポジションランプに給電する黄線に逆流(回り込み)防止アダプタを取り付けた。

FIAT 500 ヘッドライトの総取っ替え(ていうか、でっち上げ)

前半:なんで?(暇な人はこちらから)

後半:作り方(うだうだと能書きを読みたくない人はこちらだけどうぞ)

    1. ヘッドライト・リムの加工
    2. ヘッドライトマウント金具の加工と製作
    3. ガラスレンズと反射鏡の加工
    4. 塗装
    5. 最終組立
    6. 試運転

注)最後に追記あり。

前半

ヘッドライトの絶えない苦労

FIAT 500のヘッドライトに苦労する人は多いらしく、以前に車検場で声をかけてくださった方も「私もFIAT 500に乗っていたが、光軸がどうしても合わなくなり、車検に通らないので乗るのを諦めた」と。僕も、チンクの軽い車体と短いホイールベースのせいで僅かなガソリンの量やなんかの重量バランスの違いが光軸を大きくズレて、ユーザー車検ではいつも落っこちては現場で目見当の調整で無理やり通すという綱渡りを毎度やっている。さらには、ノーマルの白熱電球のランプでは光度が足りず、そんならとハロゲンに替えたついでにワット数もアップしたら電流が足りなくなり、余計に暗くなって車検に落っこちたりもしている。(おかげで本ブログでも「ヘッドライト」や「LED」という投稿や文字が氾濫している)

光軸についてはヘッドライト検査で落っこちた場合に車検コース出口でもらえる「ズレ具合」の数値と、FIAT 500のヘッドライト調整ネジの回転でどれくらい光軸(の先の点)が移動するかの関連をある程度把握できたので、次回からはハラハラ・ドキドキは無くなる(はず)。光度不足の問題は電力消費(ワット数)の少ないLEDヘッドライトにすることで対応できた。

ところが、明るくなった期待のLEDのランプの発光部は、白熱球やハロゲン球のようなコイル状フィラメントではなく、面発光のLEDチップがある程度の厚みのある壁を隔てて左右に配置されているので、旧来のヘッドライトの反射鏡ではうまく配光できない、という別の問題が新たに出てきたしまった。

LEDランプの発光面は左右に分かれている。
現在使用中の電球(ハロゲン)色LEDヘッドライトのロービーム配光。クラシカルな色と明るさは申し分ないしカットラインもくっきり。ただ、配光ムラと中央部の暗さ、それにカットアングルの異常なアンバランスはとても気に入らない。(旧車の車検はハイビームなので、これでもパスするが、、、)

ウチのチンク嬢のヘッドライトはCarelloというちょっと高めのブランドのものが付いてきたんだけど、どもうこれはLEDランプとの相性が悪いようで、いままで3〜4種類のLEDヘッドライトを試したが、どれも乱反射・乱屈折によるあらぬ場所に多数の輝点が出るうえに、ロービームの中央部分が暗くなってしまう。それなりに明るい照射範囲の真正面が抜け落ちたように暗いのは、夜間走行で相当なストレスになる。

もとから付いていたCarello左側通行用ヘッドライト

あれこれ実験するうちに、ライトの基部に下駄を噛まして少し発光点を後退させるとそれなりに良くなった。ところが、こんどは光軸がズレる。夜間、真正面が暗くて恐る恐る走るか、ズレた光軸で対向車に目潰し食わせて怒られるか、、、。どちらも嫌なので、いっそヘッドライトを取り替えることにした。

どんなヘッドライトを選ぶか、、、:

    1. Carelloの反射鏡に相性の良いLEDランプを入手。
    2. Carello以外の別のブランド(あるいはノーブランドやオリジナル)のFIAT 500用ヘッドライトを購入。
    3. 別の車種のヘッドライトを流用(当然、相当程度の改造が必要)。

1は、過去3回の人柱体験で、あるかどうかもわからない「相性の良いLEDランプ」に出会うには金がいくらあっても足りないと悟った。(そもそも数十年も前の設計のCarelloヘッドライトはLEDのことなど全くこうりょされていない)

2は、上等のCarelloでダメなのなら他も似たりよったりだろうと推量。希少車のFIAT 500用ヘッドライト本体は下手するとLEDランプより高い。さらに、もとより売っている種類が少ない(ウチのは右ハンドルなのでなおのこと)。全く財布に優しくない。

3は、レンズ径が130mmという小さなヘッドライトって、古いホンダ・モンキーやXL250Sのショボいものくらいしか選択肢がない。それでも、モンキー用はそれなりにドレスアップパーツが売られているので、それこそマルチリフレクターヘッドライトなどもある。よく調べてみたらH4という一般的に普及しているタイプのランプ口金のものも売られているので好都合。ただし、たいていは反射鏡がプラスチック製でハードな改造に耐えられないかもしれない。一瞬、マルチリフレクターヘッドライトに手が伸びそうになったが、後の苦労を想うととてもポチれなかった。

結局選んだのは3の「他車部品を流用・改造」なんだけど、モンキーではなくカワサキ・エリミネーター125用のヘッドライト。

特にエリミネーターのをを探したわけでないが、ヤフオクに「直径130mmφ」というタイトルで程度の良いものが2つ同じ出品者から出ていた。エリミネーターのライトの口金は二輪にもかかわらずH4だしなお好ろし。早速、出品者に問い合わせて「一番外側の直径」を実測してもらったら「約130mm」だとのこと。しめしめ、これならFIAT 500の小さなヘッドライト・リムの内側に収まる。そんで競合者なく無事落札。2ケで4000円也。送料は同梱で安くなった。

ところが出品者ときたら、質問からズレた「レンズの有効径」を測ったらしく、届いたのは正しくエリミネーターのヘッドライト(Stanley製)だが「一番外側の直径」は145mmもあるじゃん!!!しかもレンズ部分は前方に10mmほど突出している(つまり分厚い)。ったくぅ!(145mmならもっと別の車種のも選び放題だったのにぃ。CibieやKoitoの4灯ハイ/ロービーム兼用タイプがこのサイズ)。

左手側の黒い方がエリミネーター用。右のCarelloより一回り大きいのが見て取れる。ガラスレンズも10mm前方にせり出している。

おかげで「無加工でヘッドライト・リム内にスッと収める」という夢は潰えて、苦難の改造作業が始まる。

以下は、その作業内容。


その前に、追記:

この記事を書いてから、よくお世話になるFiat 500 の『Online Manual Wiki』に似たような、しかももっと加工作業が少なくて簡単なヘッドライトの「作り方」があることに気が付いた。ただひとつ、Wikiの記事ではリムの折返し切断にサンダー(ディスクグラインダーを使うとなっていることについては、僕の「ブロックで気長に擦る方法」(後述)で代用できるから実質必要な道具はドリルと金ノコくらい。

こちらから⇒『左側通行用ライトに置換える』


後半

用意するもの:Kawasakiエリミネーター125用ヘッドライト、旧FIAT 500用アルミ製ヘッドライト・リム、光軸調整ボルト、テンションスプリング、M5-15mmの高ナット、T字金具、厚さ5mmのスポンジ(裏が接着面になっているのが便利)、アロンアルファ4020、エポキシパテ(金属用)、ラッカースプレー塗料、木片(長さ140〜150mm程度)、M5ビス2本

1,ヘッドライト・リムの加工

  • 折返しの切り取り(前方):前方にせり出した分厚いレンズと、反射鏡後方にあるライトのマウント位置の整合を保つために分厚いヘッドライトを前進させないといけない。ヘッドライト・リム前方の内側への折り込みを10mm切り取る。小型ボール盤にダイヤモンド(ディスク)カッターを付けて切削すると折返しを一定幅に正確な切断ができる。
    ダイヤモンドディスクでヘッドライト・リムの切断。

    前方の折返しを切り取る。左側は未加工。右側は切り取り後。
  • 折返しの切り取り(後方):FIAT 500のアルミ製ヘッドライト・リムの内径はカツカツの145mmプラスアルファ。しかし、縁には補強の折り込み加工が邪魔くさい。予定より10mmも大きい直径145mmのエリミネーターのヘッドライトを収めるためにリム後縁の折り込みを切り取り、少しでも開口部の直径を拡大する。
    折返しを切り取るというより、コンクリートやセメントで削り取る。

    リムの縁をキレイに切り取るには「缶切り無しで缶詰を開ける方法」の動画を参考に、セメントブロックの上で擦り続けると、キレイにリング状に折り込みが取れる。

2,ヘッドライトマウント金具の加工と製作

  • マウント金具の位置決め:ヘッドライトの周囲に4ヶ所、等間隔に印を付ける。1ヶ所は上記にスプリング基部。スプリング基部の対向位置はヘッドライトの固定ポイント。残り2ヶ所は光軸調整用ネジ(M5長ナット)の取り付け位置。

    時計の1時半、4時半、7時半、10時半の位置に印を付ける。
  • 金具の取り外し:エリミネーターのヘッドライトから、光軸調整用ネジ受け金具のスポット溶接部分をドリルで揉んで外す。
    スポット溶接をドリルで外す。

    取り外した光軸調整ネジ受け金具
  • 接着面の整形:スポット溶接跡を金工ヤスリやサンドペーパーで平らに整形。
  • スプリング取り付け基部の形成:ヘッドライトの固定台座(台形)を高さ、幅、共に切り詰めて、穴を開け、マウント用テンションスプリングの基部にする。(ディスクグラインダーでカットする際に「食い込み」に注意!)
    ヘッドライト固定台座(右奥の台形の出っ張り)

    台形の金具を切り取り、バネを引っ掛ける孔(2〜2.5mmφ)を穿つ。
  • 高ナット受けを作る1:光軸調整のネジ受け金具を上下半分にカットし、光軸調整ネジを受け入れる高ナットの補強材を作る。
  • 光軸調整ネジ台座金具をカット。
  • 高ナット受けを作る2:切り取った台座のL字形の下半分をM5長ナットの幅(8mm)の隙間を開け、先に目印を付けたの位置(1時半と7時半)に接着。耐熱性、耐衝撃性に優れたアロンアルファ4020を使用。(前もって接着面はサンドペーパーで塗料を落とし、金属を露出させておく)

    M5の高ナットの幅(8mm)の間隔を開けてL字型の金具を接着する。
  • 光軸調整ネジの位置決め治具:高ナットを配置する間隔128mmと同じ間隔で木片にM5のビスを植える。それぞれのビスにM5の長ナットを取り付け、位置を移動した光軸調整台座にその状態のまま長ナットを挟み込み接着。

    光軸調整ネジの位置決め治具。
  • エポキシパテで補強:光軸調整ネジにはかなりのストレスがかかるし、アロンアルファ(シアノアクリレート)の耐水性はあまり期待できないので、補強に長ナットと台座をエポキシパテ(金属用)で包み込み、整形する。

    光軸調整ネジをエポキシパテで補強。
  • 固定ポイントを作る1:市販のT字金具を固定ポイントのアームにする。1ヶ所を折り曲げ、足になる部分をヘッドライトの周囲の曲線(円弧)に合わせてディスクグラインダーで削る。

    T字金具をライトのフランジ部分に合わせて整形。
  • 固定ポイントを作る2:古いヘッドライトから、調整ネジと固定ポイントのノッチ(ボディーの孔へ差し込む部分)の距離(99mm)を測り、それに対応するようT字金具から作ったアームの先を折り曲げ、切削して加工。

    光軸調整ネジ孔から固定ポイントのノッチまでの距離を計測
  • 固定ポイントを作る3:スプリング基部の対向位置(4時半)に、上記のアームをアロンアルファで接着(前もって接着面はサンドペーパーで塗料を落とし、金属を露出させておく)。本当はロウ付けか、せめてハンダ付けにしたかったが、ガラスレンズを外したくなかったので諦めた。

    固定ポイントのアームの先を、ボディーに差し込むように加工。

3,ガラスレンズと反射鏡の加工

  • スモールランプ用孔:反射鏡の裏側(外側)から、スモールランプ用の孔(15mmφ)をドリルとリーマーで開ける。切り口に塗料(透明)を塗って錆止め、メッキの剥離止め。

    ヘッドライト背面。大きい孔はH4ランプの受け金具。小さい孔はスモールランプ用。
  • ブレ止めと防水:ガラスレンズの周囲に厚さ5mm、幅10mmのスポンジを貼る。レンズ下側(6時の位置)には排水用の隙間を開ける。(これでヘッドライトがリムの内側でぐらつかないようにし、また正面からの風圧を伴う雨による水の侵入を防ぐ)

    スポンジラバーをレンズ周囲に貼り付け。

4,塗装

  • マスキング:ガラスとランプ口金受け部分にマスキングを施し、ネジ穴とスモールランプ開口部には筒状に巻いた紙を差し込んでおく。
  • 塗装:金属用プライマーを15分間隔で2度塗り。さらに1時間おいてラッカースプレー(黒)を15分間隔で2度塗り。

    マスキング後にスプレー塗装。
  • 焼付乾燥:最終乾燥は、赤外線グラファイトヒーターで焼付。

    グラファイト赤外線ヒーターで焼付乾燥

5,最終組立

  • 固定ポイントの接着:固定ポイントのアームには強い引張りの力がかかるので、アームとリムの間を埋めて側面からも接着するために、エポキシパテ(金属用)をアーム基部外側に塗りつける。
  • ライトとリムの合体:ヘッドライトをリムに差し込み、はみ出たエポキシパテを掻き落とす。
  • リムの接着:正面から見てリムとガラスレンズの間に隙間が開かないよう、ヘッドライトを後ろから押し付けながら、ヘッドライトの裏側からアロンアルファで接着する。
  • ポップリベット補強:固定ポイントのアームを更に補強するために、リム外側からアームまで貫通する孔を開け、ポップリベットでカシメる。
    リベッター
    ポップリベット(表)

    ポップリベット(裏)
  • 余計な仕事:(エクストラ・ワーク:スモールランプ用の孔の一つを、うっかり大きめに開けてしまったので、1mm厚のアルミ板をワッシャー条に加工し、曲面に合わせて形状修正し、Super Xで接着。写真上中)

6,試運転

  • 暗くなってから、平坦な地面と垂直の壁を求めてスーパーの駐車場に行った(ちゃんと買い物もした)。古いヘッドライトを取り外し、できたてホヤホヤの新しいヘッドライトに交換。
    まず運転席側のヘッドライトを交換。
    独眼竜、、、

    運転席側(右ハンドル):新、助手席側:旧。新しい方が光の滲みが少ないように思える。乱反射が少ないからなのかも。
  • 壁にライトで投光。光軸調整ネジで上下と左右の方向を「大雑把に」調整。レンズカットは左右対称(右側、左側通行の区別がない)だが、LED発光体のマスキングによりそれなりに左側上がりの「カットライン」が出ている。
    オリジナルのCarello+LED。配光ムラがひどいし、各ライトの中央部が暗くなっている。左側のカットアングルは酷い。

    左は以前からのCarello。右(運転席側)が新しいヘッドライト。ムラがない。
  • 家の近所まで戻り、貸倉庫の壁に投光して少し離れた位置での光軸や照射範囲を確認。
    ロービーム

    ハイビーム
  • 10mほど先の壁にロービームを照射したときの配光。境界が少しボケてるが、カットラインのエルボーも確認できる。
  • 原谷から御室へ抜ける峠には街灯が一切ないので、道路でのライトの照射具合を確認しやすい。
    Low Beam
    ロービーム
    ハイビーム
    ハイ/ロー切り替え(Gifアニメ)


 

追記:

ここではKawasaki エリミネーターのヘッドライトを使っているが、最大径がφ145mm以下であれば、自動車用4灯式のロービームタイプを使うことも可能だと思う。それ以外のオートバイ用でも工夫次第でいくらでも選択肢はあると思う(例えばアフターマーケットパーツが比較的豊富な旧型HondaモンキーのヘッドライトなどにはH4ソケットのタイプもある)。ただし、Fiat 500のヘッドライト・リムには収まるが、光軸調整ネジやマウントのフック、スプリングなどの取り付けにはそれぞれ個別の工夫が必要。つまり用意したライトがリムにさえ収まれば何とかなるという話。

その中でもっとも簡単な方法は、ご自身もFiat 500のオーナーである大塚氏が「Fiat 500 Online Manual Wiki」に寄稿されている『左側通行用ライトに置き換える』という記事が非常に参考になる。(ライトやリムの加工が最低限であり、そのため応用が利くライトの選択肢が増えるので、そちらを読めば、私のダラ長い記事は読まなくてもいいかも、、、ここまで読まれたのなら、遅かりしですが、、、W)

Online Manualの記事でひとつだけ注意すべき点がある。大塚さんのやり方で、ヘッドライト自体の加工が最低限である理由は、光軸調整ネジのナットがボディー側に移されていること。具体的に言うと、本来なら調整ネジの頭が嵌る孔にナッターでM5のナットを打ち込んであり、そこにボルトをねじ込み、その先でライトを押して角度を調整する、という算段。これはFiat 126などで採用されている方式と同じなので機能には全く問題がない。強いて言えばナットの先を丸めてやるとライトに優しい(あるいは126用のボルトを調達すれば先端はボール状になっている。)


Fiat 500 ヘッドライト「イカリング」化の検討

何年か前に、ハロゲン球でヘッドライトの照度が足りず車検に落ちたことがある。そんでLED化したんだけれど、車検には通ったものの、なんだか白っぽい色目の光が気に食わず、安い電球色LEDに換えた。どうもLEDは家電でもクルマでも電球色と言われるものは白色系のものより明るさに劣るようだ。知り合いの自動車工場の社長がサービスで照度を測ってくれて、ユーザー車検で通るかどうか、、、と言う。これじゃハロゲンと同じじゃん。で、またしばらく白色系のLEDに戻していた。車検に通ったLEDヘッドランプだから機能的には問題ない。ただ色がチンクの雰囲気にそぐわなないのだ。

安物のLEDランプを取っ替え引っ替えしていても埒が明かん。そこで、ここは一つ、大枚張り込んで今までのより数倍の値段の高いやつを買った。別に宣伝するつもりじゃないけど、fcl.という特にLEDやHDIなどのクルマのライトに特化した会社の「ハロゲン色」タイプ。これは装着した途端に明らかに今までのとは明るさが違うのが判った。安物電球色LEDは言うに及ばず、白色系の安ものよりもまだずっと明るい。

で、今は自分の趣味的にも、法的にも、安全上も、ヘッドライトに何の問題もないんだけど、ひとつだけ気に入らないことが残っている。これは、安物、上等に関わらず、LEDヘッドライトとFiat 500のヘッドライトの反射鏡との相性がうまくなくて、ロービームもカットオフの折れ曲がり部分に暗点が発生するのだ。壁に光を当てて光軸の調整とかする分には、ちょっとした切り欠きのような暗い部分でしかないのに、いざ路面を照らしたら両方のライトの照射面が重なる部分が影のように薄暗い。全く照らしていないわけではなく、輝度の高い光軸の中心と比して相対的に暗く見えてしまうのだが、クルマの真正面にそういう影みたいな暗いところがあるのは気持ちのいいものではない。なんとかしなくっちゃ。

結論から言うと、あれこれ試行錯誤の結果、LEDのランプをほんの僅か後退させてやると、この暗点が少しぼやけて小さくなることが判った。Fiat 500のヘッドライトは古い欧州車にあったH4eという口金で、一般的なH4がそのままでは付かないのでアダプターをかましてある。そこで、そのアダプタとH4の口金の間にワッシャー状のスペーサーを針金で作って挟み込み、ライトの位置を1mmほど後ろへ下げた。これで問題は解決した。

そこに至るまでレンズ径130mmという4輪用としては異例に小さなヘッドライトを、新品・中古、国内外を問わず探しまくってもなかなか良いものに出会わなかった。たまにヒットしたと思ったらそれは旧Fiat 500用だったりして。。。偶然、最近LED化したうちのXL250Sのヘッドライトが130mmだった。そしてそれはカスタマイズパーツが豊富なモンキーと同じサイズ。なので、入手しやすいバイク用のヘッドライトの反射鏡部分やレンズを流用することを考えた。問題は、車用のヘッドライトにあるすれ違い用ロービームのカットオフラインが、小さなバイクのヘッドライトには無いこと。

なんか細かい規則があってじゃま草

ところが、、、バイクの話だけど、XL250Sの兄弟車で車検のあるXL500Sのライトは250と同じものなので、カットオフラインを出すためのレンズは付いていない。そんなんでいいの?と思って調べてみたら、なんと!国交省運輸局の資料に「カットオフを有しない」前照灯(ヘッドライト)という検査基準が示されている。詳細は省くが、カットオフラインについての基準が細々あるのに対し、カットオフが無いものは最高光度点が照明中心の左下にあればいい、という相当に適当なもの。そんでよく考えてみたら、車検時のヘッドライト検査をロービームでやるかハイビームでやるか以前に、そもそもカットオフラインの無い旧車は車検のとき、ライトチェックは走行状態(ハイビーム)で行われるから、カットオフラインもへったくれもないのだ。(ロービームは、対向車とのすれ違いで、相手に眩しさを与えないためのものだから、道路の左側の歩行者や自転車をどう照らすか、つまりカットオフで高い位置まで照らすか、足元だけでいいのか、はどうでもいい、ということになる)

国交省四国運輸局の資料より https://wwwtb.mlit.go.jp/shikoku/content/000004720.pdf

そんなら、上記のように130mmのバイク用ヘッドライトを改造してくっつけても問題ないわけで、となるとマルチリフレクターなども選択肢に入ってくる。そういうのを検討する中でイカリング状の輪っかが付いたものが面白そうだった。周囲のリングだけじゃなく、中心部分に横一文字の線が光る。ちょうどカエルやヤギなどの地面に平行な横長の瞳孔のようにも見える。

とまあ、長々書いたけど、LEDランプとヘッドライトの相性の悪さはすでに解決したので、Fiat 500のヘッドライト イカリング化計画はGIFアニメでの検討段階で潰えた、とさ。

 

 

 


XL250Sのライト

先週、夜晩く衣笠開キ町あたりを原谷の家に向かって走っていたら、突然バイクのヘッドライトが消えた。LowビームにしてもHighビームに戻してもダメ。暗い千束の谷底の道を通らなきゃならないのに、、、(でもまあ、街からの帰り道で後数キロだから何とかなったんだけど)

一瞬、頭をよぎったのは、8年前、ネットで見つけたこのXL250Sを買いに愛知県の江南まで行った帰りのインシデント。

ネットの写真ではきれいに見えたけど、実物見たら、やっぱ何十年も前の物だから錆だらけだし、タンクも凹んでるしで、年相応。ただ、試乗させてもらったらエンジンは大丈夫そうだし、6Vで弱っちい電装もウィンカー、ライトなどちゃんと作動していた。ブレーキもOK。フロントフォークなどもバラしてオイルの交換もしてあった。

「買いたいんだけど、京都まで乗って帰れる?」と聞いてみたら、即「ダイジョブ」との返事。よほど自信があったんだろう。バイクショップの主人の兄ちゃんも、なんか、信頼できそうだったし。そんで、それを信じて、チンタラ乗って帰る途中、雪のちらつく関ヶ原を過ぎ、湖東を走ってるときに日が暮れた。

で、ライトを点けようしたら、ウンともスンとも。場所ははっきり憶えてないが、江南から京都まで140kmの道半ば。まだ琵琶湖大橋も遠いのに。。。

ヘッドライトをバラしてランプを見たり、ヒューズを確かめたりしたが、何ともない、、、。昼間は点いてたのにぃ、クソ!埒が明かないので、スモールだけで、パトカーに出会わないよう(かと言って完全に真っ暗な田舎道は前が見えないし、、、)コソコソと裏道を通って帰ったら、家に着いたときはすっかり夜も更けていた。

ちなみに、バイク屋さんの名誉のために書いておくと、翌日、配線の導通をチェックしてみたらライトのオン/オフを司るスイッチボックスの中で目視では判らないハンダクラックが発生していた。おそらく、長距離の移動中に振動で元々は接触していたクラックが広がってしまったのだろう。こんなものは前もって調べようもない。

閑話休題。

XL250Sの電装はバッテリーが6Vで元々頼りないので、すぐにウィンカーなどが点かなくなる。そんで今は補器のライト関係をメーターからテールランプまで全て、電力消費が少なくて切れる心配もあまりないLEDに差し替えてある。バッテリー系統を介さない交流のヘッドライトを除いて、、、。

流石に6V、交流に対応するLEDヘッドライトの球はなかなか見つからない。ヘッドライトとテール/ブレーキランプ以外は直流化されているので、そちらの回路からヘッドライト用に線を引き出せば良いのだけど、せっかく豊富に発電している交流を捨てるのが忍びない、という超ケチ臭い根性が邪魔をするのだ。

で、遅まきながら、ヘッドライトの不点灯の原因だけど、、、やっぱ単なる球切れだった。

先に書いたインシデントのために、先ずはスイッチボックスを疑った。件のハンダクラックは当然修理したけど、他にもハンダ付けされた場所は幾つもあるからだ。それでスイッチボックスを外して導通を調べたが何ともない。ヒューズも調べた。ここに来てやっと球切れを疑った。順序が逆だろ。(笑)

ただ、球切れだと思わなかった(ある程度)合理的な理由もあった。それは、High/Lowを切り替えても全く点かなかったことだ。2本あるフィラメントが焼ききれてもどちらかは生きているはず。。。なんだけどね。

切れたハロゲン球を取り出してみてびっくり!見事、真っ二つに破裂していた。これじゃHighもLowもクソもないわ。

車やバイクのもそうだけど、プロジェクターのランプなども寿命が尽きる時に破裂することがある。というか、ボンッ!と大きい音をたてて破裂してオシャカになる。高輝度を出すために希ガスが封入されている。点灯時は相当の高温になるので球内部は高圧になる。ガラスが耐えられなくなって割れるとこんな結果になる訳。

今朝、替えの球が届いたので早速交換。1分で仕事完了!XLはエンジン音がうるさいので音は聞こえなかったなあ、、、

ま、メデタシメデタシ・ドンドハレ

下のリンクは、レストア直後のXL250Sの晴れ姿。https://www.facebook.com/3650742706292

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追記:
その後のヘッドライトLEDはこちら