以下は、FIAT 500 Online Manualに投稿した自分の記事「ブレーキフルードリザーブタンクのホース(汗)」を転載したものです。このオンラインマニュアルは旧車チンクエチェントのオーナーにとって貴重な情報が満載のサイトで、興味のある方は是非そちらも参照してください。
もっと原語(英語/仏語)に忠実なreservoirのカナ表記は「レザヴワ」だが日本では誰もそう発音しない。
問題発生
微妙にブレーキフルードが減る。最近は少しずつその減り方が酷くなりつつあった。ふと見るとリザーバータンクからマスターシリンダーに繋がっているホースが汗をかいている。結露じゃなくブレーキフルードが滲み出しているのだった。
前オーナーから引き継いで10年。足回り、ワイヤリングハーネス、エンジン、トランスミッション、、、、もちろんブレーキ系統も、およそ車体の9割に自分で手を入れてきたが、このホースは見逃していた。ていうか見た目はすっごくきれいだったんで、ま、いっかと。しかし今回、この問題が出てよく見たらホースは「燃料用」のものが流用されていた。
普通じゃないエア抜き
用意するもの
- ブレーキフルード対応のゴムホース(内径6〜7mm、長さ7〜80cm)
- ホースクランプ(元からあるものを流用)
- 耐油透明チューブ(内径5mm、長さ30cmほど)
- ビニールテープ(少々)
- ブレーキフルード100ccほど
- 調味料・ソースボトル(ケチャップ等を絞り出す、口の尖った蓋のあるもの)
- フレアナットレンチ(8mm)
前もって準備すること
リザーバータンクとホースの準備
- ジャッキアップし、タイヤ(前後輪のどちら側でもよい)を一つ外す。
- リザーバータンクの蓋を緩めるか外しておく。
- リザーバータンクホースのマスターシリンダー側の端に近い部分をロッキングプライヤーで挟み、フルードが漏れないようにした上で、ホースをマスターシリンダーから外す。
- ロッキングプライヤーを解除し、フルードを適当な容器に排出する。
- ホースをタンクから引き抜き、車体から外す。
- 新しいホースをマスターシリンダーとリザーバータンクに繋ぎ、ホースクランプで固定する。
エア抜き作業
- 1,ホイールシリンダーのニップルの下にウエスやペーパータオルを敷き、フルードが漏れてもタレずに吸収できるようにする。
- 2,フルードの入ったボトルを逆さにし、軽く押してチューブの先端までフルードを満たす。チューブの先をつまむか開口部を指で押さえて逆流しないようにする。(チューブの先端をボトル内の液面より少し高く保つとやりやすい)
- 3,ホイールシリンダーのニップルにチューブを差し込む。(泡が入らないように)
- 4,フレアナットレンチでニップルのナット部分を1/4〜1/3回転ほど緩める。
- 5,ボトルをゆっくり強く絞るように押してフルードをホイールシリンダーに送り込む。
- 6,ボトルを押したままレンチで軽くニップルを締め込む。(締め込む前にボトルを押す手を緩めない)
- 7,ボトルの蓋を緩め、ボトルにかけた圧を下げて空気をボトル内に送り込む。ボトルが元の形状を取り戻したら蓋を締め込む。
- 8,リザーバータンクまでフルードが逆流していたらOK。来てなければ4以降を繰り返す。
- 9,ホイールシリンダーのニップルを締め込み、チューブを外し、こぼれたフルードを拭き取り水で洗い流す。
- 10,ニップル内外をよく拭き、キャップを被せ、ホイールを復旧す。
- 11,リザーバータンクに規定量のブレーキフルードを注ぎ足して完了。
ホースと交換とフルード追加後
新しいリザーバータンクのホース↑。漏れたブレーキフルードで下部のペイントが剥げているのがわかる。一度錆止めを吹いたがすっかり剥げてしまっている。保護のためのコルゲートチューブは、汗かきや漏れの発見には邪魔かもしれない。後で下部だけにしておこうと思う。