昨日の日曜、京都の堺町画廊での「エクアドル・インタグの鉱山開発を考える実行委員会」の一井リツ子さん、一井不二夫さんの報告会に行ってきた。
森と大地と共に生き、抵抗する住民たち
~南米エクアドル・インタグ地方で起こっていること~
日時:4/12(日)PM3:00~5:00
場所:堺町画廊
民衆運動の支持を得て政権についた南米エクアドルのコレア大統領の反米、反新自由主義政策について、ぼんやりと革新的な社会改革をやっているとか教育に力を入れているくらいしか知らなかった。
しかし、インタグ地方での環境、共同体社会、家庭と個人の生活の破壊を「合法的」に推し進める政府と国営企業の銅鉱山開発のむちゃくちゃなやりかた(どうむちゃくちゃかはこちらのブログを読んでください)を一井さんたちから聞き、一面的な知識の危険さを再認識した。
教育に関してもSANE:「エクアドルの子どものための友人の会」の杉田優子さんの報告では、教育の無料化や機会均、無料給食等とは裏腹に、昔、社会構造を考慮しないで「教育改革」を推し進めたソビエト連邦やモンゴル人民共和国の混乱を想像させるものだった。
皮肉なことに、というか、問題の根が深いのは、まずコレアがこれまでの「泥棒」のような大統領ではなく、専制独裁的であっても少なくとも理想的な憲法の錦の御旗の元に改革を行っているということ。あまりにも酷すぎた過去の権力者よりは「まし」だということで、今も全国的には支持を受け「改革」を推し進めている。
しかしそれは、前述した第一世代の社会主義国がその成立からあまり時間を置かずに理想とはかけ離れて民衆を弾圧していった轍を踏んでいるように見える。さらに進んで、それらソ連、モンゴルの社会主義体制が崩壊した後に起きた貧富の差の拡大やそれに伴う教育の不平等化を見ると、シベリアの奥地、ゴビの辺境の子どもたちにも教育の光が当たっていた社会主義時代のほうが、ストリートチルドレンのいる社会よりは「まし」であったとも言えるかもしれないこと。。。
お話の中でも出てきたが、インタグなど一地方での開発や教育の問題がエクアドルの国民にどこまで理解されているか、振り返ってみると日本における沖縄の基地問題と類似した状況ではないかということ。。。
幾重にもややこしい話を重ねてしまったけど、昨日の2時間ほどの短い報告を聞きながら思ったのは一言ではとても言えない複雑な思いだった。
帰りにエクアドルのフェアトレード・チョコレートを買った。乳化剤を使わず、カカオ栽培からチョコレートの製品化まで全てエクアドルで行われている、フェアトレードとしては珍しいケースだそうだ。いろいろ種類があったなか目についたのは「Nib」という名のココア豆のクランチが入ったのを選んだ。クランチの歯ざわりは今まで食べたどのナッツとも違う、不思議なサクサク感があった。美味い。地球の裏側への僕ができるささやかな協力。