悩ましい返事と、さらにグダグダ再返信

【悩ましい返事と、さらにグダグダ再返信】
        

On 2016/07/10 10:47, KENJI wrote:    

これに関してはノーコメントで。
親子でも関わらないでおくべき事って有ると思うんで。  

息子より        

      再返信  ————————–  
けんけん、 大人な対応ありがとう。    
考えを聞かせてと言ったけど。ノーコメントという返事をもらえただけでいいです。

  
ノーコメントはそれ自体コメントだし、その裏側はそちらの想像にまかせるよ、というメッセージだと勝手に解釈しておく。こちらも脅迫的に「〜しないと、・・・だぞ」などと親ヅラして差し出がましいこと言うつもりもないし。  
ただ、親子で直接関わりディスカッションや口論はやらないとしても、僕の考えを知っておいて欲しいとは思った。それをどう受け止めてどう思い、どう行動するかまでは干渉するつもりもない。(お願いではあったけどね)  
それでも、いつかそういうことを越えて腹の中の話ができるようになればなお良いのだけどさ。
    
室町のバアたんも、若いころよく「政治と宗教の話は親子でもするな」と言っていたしな。
    
ただ、商売をしているのだから自民党支持なんだとも聞いたことがある。それは彼女が住んでいた終戦直後の北京を開城し混乱なく治めたのが毛沢東の共産党解放軍ではなく、蒋介石の国民党軍だったということが(反共=自民として)関わっている。それに加えて戦後まもなく自分の娘(僕の実の姉、ただしいろんな都合で戸籍上は叔母)を亡くしたことで神も仏も信じないという無宗教の信条を持つことにも関連がある。だから想像を絶する体験をしたバアたんとは政治と宗教の議論などハナから僕にはできなかったけどね。
    
なのに、彼女は何故か老後はリベラルに先鋭化して「戦争肯定する人らは嫌いや」と自民党を非難するようになった。だから、はじめ僕には理解できない変節のようにも感じられて違和感があった。でも、思い返してみると「話はするな」と言いつつ、若いころに苦労を重ねた体験談は折りにふれ語ってくれて、それらの苦難はすべて戦争が背景になっていたのだから、よく考えると不思議なことではなかった。
    
僕の反戦的な思考回路はバアたんの話に加えて、賢治のおかあちゃんの影響に因るところも大きい。前にも言ったことがあるかもしれないけれど、あるときまだ結婚間もないころ、ほんとに突然「もしも戦争になって徴兵されたら、あなたは兵隊になるのか?」と訊かれた。僕は社会構造の矛盾に疑問をもっていて、どうにもならん時は最後には暴力的武力革命もアリかもと密かに思っていたから、兵隊になることは選択肢として完全には消えてなかったし、そのわりにチャランポランだったから深く考えずに「しゃあないのとちゃうかなあ、、、」という生返事をした。そしたらエライ剣幕で怒られた。彼女は「兵隊は人を殺す。そんなモノになるくらいなら徴兵拒否して牢屋に入れられるほうがまだマシだ。でなければ逃げろ。」と言った。生半可な新左翼のシンパでしかない口先だけの僕より、君のおかあちゃんは遥かに具体的かつラディカルな思考の持ち主だった。
    
バアたんと嫌戦的な話をするようになったのは彼女が亡くなる前の10年ほどだったと思う。聞きたいこと、聞いておくべきだったことは山ほどあるが、もうそれも叶わない。賢治のおかあちゃんとも、今となってはもう話をすることはないだろう。。。だからと言って、今すぐ賢治と「親子でも関わらないでおくべき事」を乗り越えようと、自分の考えを押し付けるつもりはない。ただ、バアたんが僕にしたように僕も思うことを問わず語りに折りにふれ話しておこうとは思う。そのなかには今回のようなこともあるだろう。そのへんは寛容であってもらえたら嬉しいな。
    
おやず
        ————————–  
 追記:忙しいから長メールにかまってられない、後で読む旨、返事が来た(彼なりの更に「大人」の対応)。ただそう言いつつ、思うところ、思う人があり、考えなしに「投票して来た」わけじゃない、とのこと(もう投票に行ったんだ!)。選挙を軽んじているわけでもない、とも。
  
こちらの話の半分(彼の思想信条がどうあれ)について、彼が選挙に行くかどうかは判明した。ただ、もう半分(つまり僕の今の状況にたいする危機感)は伝わったかどうか判らないし、どこに入れるかまでは、詮索できない。。。
投票は考えなしじゃない、と言う彼の言葉だけが救いだが、、、それは親の個人的心情で、現実をふまえて言うなら「自民に入れるなら選挙に行かないほうがマシ」だが、はたして、、、(彼の「投票してきた」というのは、これ以上ウザい追伸を拒絶するための方便なのかも知れないが、、、)

衆議院選挙

最近、僕はあまり政治がらみのことを書かなくなっていた。でも、品性の欠片も感じられないアベ政権の横暴さと狡猾さがまかり通る現状に、まして憲法を軽んじるばかりか踏みにじろうという輩にこれ以上の力を与えたらどうなるか、と考えたら危機感はつのるばかりだ。じゃあ選挙を目の前にして投票以前に自分は何ができるのかを思うと、その非力さと策の無さに自己嫌悪になりそう。

だからといって同じ種類の人間ばかりが集まってしまうSNSで今さら何か訴えたところで始まらない。ここはひとつ、僕とは思想信条的にかなり遠そうな(ていうかノンポリっぽい)息子にメールで声をかけてみた。それもまあ遠慮がちに選挙に行けとお願いし、でも改憲勢力に投票するくらいなら選挙に行かないほうがまだマシ、みたいなことしか書けなかったが。。。ウザったがられるのは覚悟だけど、これがやっとこさ精一杯。

ただ、あちらは岩手で一人区。候補3人から幸福なんちゃらなんてゲテモノは放っといて、残りで二択で話がしやすい。顧みて自分の足元はどうよ?と。。。京都は二人区だからややこしい。自民、民進、共産の三つ巴だが、野党で票の奪い合いになるだろう。

自民から野党へ票が流れることはないから、民進と共産のどちらかが多ければもう片方が減って、自民は安泰か、、、。だったら次善選択で自動的に前回トップだった民進の福山哲郎に入れることになるな。でもひょっとしたら自民蹴落として野党2党で独占ってのもあったらいいなあ、、、なんて妄想がついつい湧いてきて共産にもイロ気がでてしまう。

それに、仮に共産の候補が当選しなくても、自民はもとより民進も当確になるので結果が悪くなるわけでもない。普段は共産支持ではないが、あれこれグダグダな民進へのある種の批判票とも言える投票行動になるし。。。いやいや、白昼夢はいいかげんにして現実を見つめなきゃなんないのだろうなあ ーー とは思うんだけど、野党のどっちにいれても自民は落ちないという状況は、政治的な危機感とは裏腹に、やっぱ緊張感を削がれる。

それでも、投票は行いかなくっちゃ!


DVD from Sweden via Germany

スウェーデンからドイツ経由で日本着
スウェーデンからドイツ経由で日本着

ドイツに居る友人に頼んでDVDを送ってもらった。まだベルイマンもなにも知らない中学生のころに観たスウェーデン映画。原題は「Kungsleden」(王の道)という。

主人公の男性が元の恋人と10年前に交わした約束で、王の道と名付けられたトレッキング道をたどり先を行く彼女を追うが、その追憶と幻想がやがて妄想となり殺人を犯してしまう。半子共/半大人だった僕には難解な筋立てだった。日本では内容とはかけ離れた「太陽のかけら」という題だった。

性描写があるのに18歳規制はなく、毎朝鼻血を出すようなガキンチョだった僕は半分それが目的で行った。しかし見始めたら、色も明暗もネガ反転されて何がなんだか、、、なセックスシーンも、現実と妄想の区別が付かない複雑なストーリー展開もさておいて、舞台となった王の道の美しさに惹き込まれてしまった。山歩きが好きだった僕には、日本の山道とはまるで違うスウェーデン北部の岩と苔の大地の上を緩やかに延びるトレッキング道はまさに別世界だった。

以来ずっと、いつかスウェーデンに行かねば!王の道を歩かねば!と旅の幻想に耽ってきた。そして気がついたらいつまでも若いと思っていた自分が60代も半ばを過ぎようとしている。なのに若いころに映画の中で見た王の道の情景は半世紀を経た今も新鮮に蘇る。

それが新鮮なのは幾度となく思い返しては反芻してきたからかもしれない。記憶とはそうやって保たれるものだ。溜め込んだ思い出は、引き出しの奥で腐ちるのを免れたとしても、時とともに都合よく熟成されやがては変質するし、古びるのを防ごうと出し入れを繰り返せばその度に断片した記憶の再構築や美化がおきて、やはり変質する。ま、美化であろうが変質であろうが、記憶の精度を競う暗唱大会じゃないんだし、別にいいのだろうけど。。。

やがて歳を取り変質した思い出さえ失くしてしまう前にスウェーデンへ行き、王の道を歩き、映画で見たあの情景の中に身を置いて思春期の自分に会ってみたいと思う。子どもから大人への狭間に憧れた場所へ、成人から老人になりつつある今の自分が時空を超えて旅をするというのも悪くないタイミングだ。

北欧の短い夏が終わる前に、あの頃思い描いたシベリア鉄道に乗ってアジアとヨーロッパを横断して彼の地へたどり着くという夢を実現できたら、と思っている。そして先ず追憶の旅の手始めとしてあの映画「Kungsleden」を今一度観てみたかった。

日本で「太陽のかけら」のDVDやビデオテープのタイトルは出ていないようだ。英語圏では「My Love and I」という題名で公開された英語字幕版があったようだが見つからない。やっと探し当てたスウェーデン語のDVDは日本への出荷ができないという。そこで一旦ドイツの友人宅へ発送し、そこから日本へ転送してもらうことにした。友人はこの夏に日本へ一時帰国するので持って来てくれると言ってくれたが、とてもそれまで待てなかった。今、手元に届いたパケットを開封するのももどかしいくらいだ。一刻もはやく観たい!なのに、急ぎの仕事の真っ最中。ああ恨めしい!(しかし、これが我慢できる大人になったんだなあ、、、ふう)

今日明日にも仕事が一段落する。いや、させなくちゃ。そうすれば心置きなく映画に浸れる。せっかく大型プロジェクターを導入して150インチの大画面スクリーンを作ったのにせいぜいYoutubeしか観てなかった。本格的な映画(残念、ハイビジョン画質じゃないけど)を上映するのはこれが初めて。

(しかし、このダサいジャケットは何じゃ?せっかくの「美しい思い出」が台無しじゃん・・・ (@_@;)
間違えたかと思った。内容までこんな程度でないことを祈るばかり。。。)


今月10日(日)の参院選投票後、夕方から上映会をしたいと思います。一緒に観たい人があったら、どうぞ。無料です。著作権の問題で、たぶん不特定多数には公開できないと思うので小人数の「友人」に限りますが、、、(友人の定義は各自勝手に決めてください)。あと、ここ原谷は学校も郵便局すらもない僻地です。北大路ターミナルからのバスは日に5本しかありません。それでも来たいという希望者はこのメアド↓okaponkoji+kungsleden★gmail.com (★=@)
へ連絡ください。このブログコメントは不可、それにFacebookコメやTwitterもダメです。(Messengerは、、、まあ、OKかな)


ブータンのこと

テレビをつけたら、NHKで Asia Insight「すべての人に靴を~ブータン~」という番組の最後数分のところだった。   

最初から通して観てないから番組自体の意図は判らないし評価もできないが、ブータンの現実につて部分的ではあってもとても重要なことが見て取れる。   

スイッチ入れたとたん、先ず僕の目に入ってきたのは、普段ほとんどメディアで採り上げられることの無いネパール系住民とその村の場面。首都ティンプーの靴修理屋さんがボランティアで山間僻地の人たちに無料で靴を配り、修理を教えるという話でだが、そこに映しだされていたのは日本の巷に溢れている「ブータン=幸せの国」というでっち上げのイメージではなく、貧困で靴も買えない人たちの現実の姿だった。   

番組のメインのテーマではないにしても、テレビでブータンの少数民族や貧困ということについて隠さず伝えらるのは、これまで僕の知る限り極めて少なかった。再放送があるので最初から観てみたい。   

Asia Insight HP 
https://hh.pid.nhk.or.jp/pidh07/ProgramIntro/Show.do?pkey=001-20160710-11-07818   

追記:

ブータンでは王族も含めよく知られている「日本人に似た」顔立ちのチベット系住民が主要民族を構成している。でも実は他にもネパール系などの少数民族がいくつも存在する多民族の国で、その多くは貧困や劣悪な生活、差別に苦しんでいる。なのに日本のメディアはそんな側面には目を瞑り、「国民総幸福」が先代国王の提唱した「目標」にすぎないのに、あたかも実現されているかのように伝えてきた。また、日本の多くの人がそれを疑わず鵜呑みにする。僕がブータンに行ったことがある、と言うとたいていの人は「ああ、あの幸せの国ですね。いいなあ、、、」とくる。

僕が泊まったティンプーの宿には、10代半ばのお姉さんと一緒に住み込みでかいがいしく働く10歳くらいの少年がいた。ヨレヨレの服にゴム草履の彼に親のことを訊いたら「Mystery」とはぐらされた。あるとき部屋の掃除に来た彼は、僕の連れが捨てた破れ靴下をゴミ箱から拾い出して大事そうに持ち帰っていった。僕らは後ろめたさと恥ずかしさできまりが悪かった。彼らはブーティアというシッキム北部の民族の出だった。

インド国境のジャイガオン/プンツォリンの街からヒマラヤの懐に抱かれた首都ティンプーへの道すがらしばしば見かけた道路工事では、土埃とコールタールまみれになりながら働く人達が大勢いた。彼らはモンゴロイドではないネパール系の住民だった。ブータンの国籍をもつ国民かもしれないし、ネパールからの出稼ぎなのかもしれないが、その後、道路建設などのインフラが整うにつれ、余剰となった肉体労働者(=少数民族)は国外へ排斥されるこになる。(ネパール系でもブータン国籍を持つものはその限りではないと政府はいうが、元々戸籍などの制度がなく、貧乏であればあるほどそんな証明ができないから、十把一絡げに追い出された。体のいい民族洗浄ではないか。)

いずれにしても劣悪な環境で働き生活している人たちは、王様の思いついた絵空事の「Gross National Happiness」とは縁遠いところにおかれていた。あれから四半世紀経ったが、テレビに映った村のネパール系の人たちの暮らしぶりが格段に良くなっているようにも見えなかった。。。

 


Focalpoint⇒Le Petit Mec⇒出町うさぎ

2016-07-02 23.01.20Mod

今夜は、友人カップルと、そのお友達カップルと、独り者の僕で、叡電出町柳駅ちかくの出町うさぎへ。

ここはドイツビールとドイツ料理が美味しいので(僕は飲まないけど)以前、ソーセージは?って聞いたら、ここの主人が修行したドイツの地方ではあまりソーセージは提供されないのだとかで、出したくはないのだけど、まあここ(日本)じゃ需要もあるので、しぶしぶメニューにちょこっとだけ載せている、みたいなこと言っていた。が、今日行ってみたら、ソーセージの種類が増えている!その中に「和風」というのが混ざっていたので頼んでみた。豚のホルモンを本来は豚の胃に詰めるのだが、日本では切り開いた胃しか入手できないので、代わりに豚腸に詰めた、よってドイツ風ではなく日本風なのだと。ホルモンのニオイが好みの別れるところで、人によっては臭いと思うらしいが、ガツンとうまかった。(名前は忘れた)

出町うさぎに はハチハチのパンがあるので、ドイツパンとパテも頼んだ。ソーセージの和風とちがってドイツパテというのがあった。フランスではパテの材料はしっかり規定されていて、それ以外はパテと呼べないとのこと。ドイツはそんなこと知ったこっちゃないので、ここのドイツ式では鴨のレバーのすり身を乳化したものだって。もう一つは豚とイチジクのパテ。ハチハチのパンに乗っけたらどっちも美味しかった。

関係ないけど、ハチハチが左京に引っ越したので近いうちに行こうと思う。

今日は、昼に知り合いのFocalpoint、夜は出町うさぎ、、、明日の朝メシようにとLe Petit Mecでパンを買ってある。友人が来た時くらいしか外食をしないので、ここぞとばかりに食べ歩いた。ダイエットが台なしである。。。

2016-07-02 23.14.44Mod