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いかにして吾が菲亞特五百は赤耳を得たのか?(過去投稿の翻訳)

このブログ記事、以前は時々英語で投稿していた。FBも。この頃、ヒマにまかせて自分の書いたものを和訳してみる。(なんか恥の上塗りのような気もするが、、、。それにしても、英語ひどいなW)

元記事はこちら

2016-03-17 14.24.03 HDR

一般にチンクエチェントには様々なドアミラーが付いているが、それは単にチンクが生まれた1950年代のイタリアではサイドミラーが必須ではなかったから(だとか)。そんで、今日ではみんな何でも手近にあるものや好きなものを取り付けている。けど、たいていはいい結果が出ず、チンクたちのミラーは機能的でも美的でもないようにしか思えない。Cinquecentos in general have various door mirrors simply because side mirrors were (allegedly) not required around the time Cinques came out in Italy in the 1950s. So, they put on whatever available or their favorite stuff, today. However, it seems that most of their efforts have failed and the mirrors seen on the Cinques look neither functional nor aesthetical.

以前のオーナーの選択はもっといただけないものだった。平面鏡で小さすぎだから、見苦しいし危険でもある。で、クロームメッキのやつに取っ替えて、まあ見た目OKだけど、まだ小さすぎ。
The former owner’s choice was even worse: black, flat and too small– dangerous. I had replaced them with chrome-plated ones, and looked OK but still too small.

「今どきの」Fiat 500のドアミラーを取り付けたら良いんじゃね?と思い、試してみたんだけど、アカン、、、。大きすぎた。(現行車は普通のクルマより比較的小さいにも関わらずだ)
I thought it’s a good idea to install a pair of “present” Fiat 500’s door mirrors and tried, but in vain… They were too large (despite that the present one is relatively small compared with other ordinary cars).

ウェブで数週間におよぶサーチの後、ついにマツダ ロードスター初期型のミラーに行き当たった。その丸っこい形状は同様に丸っこいチンクにピッタリだったので、ネットオークションで一組買った。元々の色はなんかくすんだようで気に入らんから赤に塗ってやった。
Finally, after weeks of search throughout the web, I came across the door mirrors for the early Mazda Miata, whose rounded shape fits that of the Cinque, and bought a pair on the web auction. The original color was rather dull, so I painted them in red!

ミラーが着くべき場所のドア表面の角度がほぼ垂直に近かったんで、ミラーの角度を調整する楔形のスペーサーをデッチ上げなきゃなんなかった。スペーサーの裏面はドアのカーブに沿うように曲がってないといかん。古いマツダ ロードスターのミラーは電動じゃなくて小さいのでマイクロチンクにもピッタリだし、丸みもね。
The angle of the door surface where the mirror was attached was too close to vertical. I had to make a wedge-shaped spacer to correct the angle of the mirror. The spacer’s surface must be curved so as to fit the door’s curvature. The old Miata’s mirrors are not motorized and small enough to fit the micro Cinque, and their oval shapes go so well with round shape of my car.

というわけで、以下のように、、、
Here they are:


FIAT 500 せっかく右ハンドルなのに、、、

頼まれ仕事を抱えていて、納期がはっきり決まってないのを良いことに明日延ばしにしているのだけど、いよいよ放っておけないな、、、と思い始めている。が、そういうときに限って現実逃避の面白い作業を思いついてしまうのだった。

結論を先に言うと、FIAT 500のコラムスイッチを「日本風」に右手で操作するように改造してやったのだ。(作業内容だけ読みたきゃ、以下をすっ飛ばしてここからどうぞ

改造前。左ハンドル用コラムスイッチ。(上下が逆)
改造後。右ハンドル用コラムスイッチ。(上下が逆)
● 右ハンドル外車とコラムスイッチ(ウインカースイッチ)
チンクの電気系統

最近、チンク嬢はご機嫌がよろしい。長雨の後に残暑がぶり返し、空冷の彼女にとっては嬉しくない今日このごろだけど、コロナ禍で出歩く機会が少なく、走る機会が激減しているからか?

もう随分前からワイヤリングハーネスは買ってあるんだけど、、、

あまり走らない今なら、ワイヤリングハーネスの全面取り替えのチャンス。ただ、暑すぎてやる気ゼロ。(その前は、2週間続いた雨が言い訳だったし、そのまた前は、暑かった、、、)

2016-01-19 21.55.28
これ、アカンでしょう!(ま、承知で買ったくるまだけど、、、この8年間でこれが原因で火事になりそうになったことは、1回しかない。。。あるんかい!w)
これは古い写真。今はもうこの御札もないので、早いとこ配線を替えるか、愛宕山に登って御札をもらってくるか、、、

酷い配線は別として、エンジンなどは快調の中、唯一グズるのがウインカーとライトを制御するコラムスイッチ。元々くたびれて摩耗によるガタが出てるうえに、それを何とか調整しようとしてバラシかけたら、中からベアリング玉とバネがビックリ箱みたく飛び出すという漫画みたいな事故が発生し、どこかへ飛んでいってしまい見つからない玉とバネを、ベアリングから外した鋼球とボールペンの中のバネで代用してあるので、どうも「節度感」が乏しく、ライトのHigh/Lowがカチッと決まらない。

まだ壊れるほどクタビレてはいないけど、そのうちワイヤリングハーネスを交換する時にはいっしょにコラムスイッチも取っ替えようと、新しい部品を入手した。で、コラムスイッチ見てたら色々思い浮かんでくる。(てか、電線交換の方が先なのに、ここでもプライオリティ無視の現実逃避だな、、、)

外車あるある

右ハンドル仕様が用意されているのに、コラムスイッチまわりが左ハンドルのまま、というやつ。つまり左側の運転席がそのまま右へスライド移動しただけ。ペダル類はこれで全然かまわない。ていうか、アクセルとクラッチ、ブレーキのペダル位置が入れ替わったりしたら怖いがな。でも、ヘッドライトのライト上げ下げやウィンカーの点灯は右ハンドルの場合、やはり右手がよろし。街でエラそうな外車が交差点の手前でウインカー出す代わりに、雨でもないのにいきなりワイパーを動かしてるの、見たことどこかであるかもね。乗りなれない外車を運転するとほぼ全ての人がこれをやらかす。高級車を日本で売るんだったら、メーカーもレバーを付け替えるくらいのことできるだろうに。欧米の横柄さか?

 

といつも思っていたが、どうやら、ISOの際規格でウインカースイッチは左手操作と決まってるらし。しかも、それは右ハンドルのイギリスでも適用されるのだとか。旧大英帝国のインドやオーストラリア、ニュージランドはどうなってんのか知らんけど、ともかくヨーロッパではウインカーは左側。なら、もう日本もそれでエエやん、てな具合なんだろな。(ISOに準拠しない日本は顧みられない、、、って、やっぱ欧米の横柄や)

もっとも、僕自身はアメリカでの運転歴がそこそこあり、思い起こせば初めての自家用(っても母のを借りてたの)はFIAT 850 Sport Coupeだったし、今のチンクに乗り始めてもう7〜8年経つから特段不便は感じない。ただ、うちの右ハンドル仕様のチンクの場合、いかにシンプルとはいえコラムスイッチに加え、ダッシュのスイッチ類とトランスミッションのシフトレバーなど全てが左手操作。走行中、右手はハンドルを握る以外に仕事が何もない(ちなみに、ライトのオンオフも、ワイパーも、ハザードも左手側。走行中じゃないけど、イグニッションをONにするメインスイッチも、スターターのレバーも、チョークレバーも左、、、ほんと徹底的)。このままでも不便を感じないし誤操作もしないけれど、やはり作業を両手に分散するほうが良いんじゃね?

● コラムスイッチの改造
とりあえず図面

妄想だけしてるより、具体的な絵を描いてみたら俄然やる気がでてくる。昔から、欲しい物があると絵に書く。絵に書くと手に入ったような気がする。しかし、二次元の幻影でしかないのですぐ我慢ならなくなる。買えなきゃ(あるいは買ってもらえなきゃ)自分でこしらえる。子供の頃はせいぜいが3次元の模型を作る。。。というようなことで欲求を昇華していた。ま、それが高じて彫刻(3D)で大学院まで行っちゃったんだけど、世の中、何の技術が役に立つかは判らんもんですわ。それはともかく、、、

大人になってからも同じようなことを繰り返している。違いは模型ではなく「本物」を作ることもある、ということ。そんで今回はコラムスイッチと。

ColumnSwitch_LHDtoRHDのコピー
レバーの方向入れ替え問題

ということで、入手したのがこれ。半世紀も前のクルマの部品が今でも生産されていて新品が買えるのだから文句は言えないが、お世辞にも良い作りじゃない。大昔のプラモみたく盛大にバリがハミ出しているし、レバーのクリック感が右と左で違う。ま、バリは削ればいいし、クリック感は当たりが付けば直るだろう。プラスチックを侵さないシリコングリスをそこここに吹き付けておいた。

左ハンドル用のスイッチレバー

さて、左側にあるウインカーレバーとヘッドライト切り替えレバーを右側に移すには、単にハンドルポストの軸の周りをぐるっと回転させれば良い(180°ではないことに注意:例えば時計の10時の位置から2時の位置へというような感じ)。しかし実際にやるとなると問題は:

  1. ウインカーの指示方向とレバーの操作方向の整合性
  2. ライトのハイ/ロー/スモールのレバーポジション
  3. コラムスイッチが回転しないように留めている「キー」

であるが、以下のように解決。

1、今回は鏡像のような移動ではなく、ウインカーレバーをハンドルポストの軸周りをぐるっと時計回りに回転させて移動する。ウインカーレバーの操作方向は部分回転であり、レバーの位相が右手側に変わっても矛盾は生じない。(つまり、ハンドルを切る方向にレバーを動かすことに変わりはない)

ウインカースイッチ(左から右へ)

2、オリジナルのヘッドライトレバーポジションは(FIAT 500オンラインマニュアルWiki参照)下から上に向かって移設すると上下が逆になる。しかし、僕の個人的な感覚では逆になった方、つまりレバーボジションの真ん中がロービームで、レバを上に動かすとハイビーム、下にするとスモールの方がしっくり来るのだが、どうだろう。ハイが上、という直感的操作がしっくりくる

ヘッドライトスイッチ(左から右へ)
コラムスイッチをステアリンポストに固定する「キー」(金属部分の出っ張り)

3,レバー操作でコラムスイッチが供回りしないように固定するキーがあるので、素のままではスイッチ全体を回転させてもハンドルポストに差し込めない。キーは短い金属バイプをプレスして作ってあり、パイプは全体がプラスチックでできたコラムスイッチ先端に嵌合してある。キーを回すためにパイプを加熱し、プラスチックを柔らかくして外すことにした。プラスチックが変形しないよう内径にピッタリのアルミパイプを差し込んで作業。そのためかヒートガンでは熱が足りず、最終的にはガスバーナーで炙った。元々、高温で嵌め込むときにプラスチックが溶けてパイプに粘着していたらしく、相当溶けるまで動かない。今回は内部の様子見でパイプを抜いてみたが、熱してプラスチックが溶け始めたら、そのまますぐ捻って位相を変えても良いかもしれない。

回転止めのキーを回転させる作業↓

まだある問題

キーの移動でもう一つ問題がある。それはコラムスイッチ全体を右側へ回転させると、スイッチの胴のカバーが上下逆になり、しかも回転は180°ではなく154°しかないので、本来はカバーの真下で見えない固定ネジの頭が変な角度で露出してしまうこと。さらに、カバー自体は円錐台に近い回転体なのだが、先端だけ上面が平べったくなっていて、この部分のネジとは180°の位置で、やはり斜めって見えてしまうこと。この解決には一旦捻ったカバーをもう一度154°戻すことで、あたかも何も無かったかのような顔をさせる必要がある。(そしてそれは以下のように結構な作業量を要した)

カバーの中にはカバーが動かないようにするためのキー(上のキーとは別)が2ヶ所ある。これらを移動するのに行ったのは:

  1. 先端に近い方のキーを本体から切り取り、−154°の位置に移動してエポキシパテで接着。
  2. レバーに近い方のキーは動かさず、代わりにカバー側のキー溝(キーシート:この場合は溝ではなく「受け」)を削り取り、1と同じようにカバーの縁に沿って移動したところにエポキシパテで新たに溝を構築

という作業。

1、薄刃の導突鋸で出っ張りを削ぎ落とした。樹脂の正体が判らないのでエポキシパテがくっつくかどうか心配だったが、下地を荒らしてやれば、今のところ接着できているようだ。

2,同じく、エポキシパテの接着性に不安があったので、カバーの外側からパテのブロックに向かってビスを打っておいた。パテのブロックが完全硬化する前にカッターナイフやノミで整形。使い残しのエポキシパテはうまく混合せずムラができたが、強度は要らないし、見えない場所なのでOK。(とか言いつつ、黒く塗って恥隠しする姑息なことをした)

完成

まだ取り付けていないが、スイッチの接点や機構部分には手を加えていないので問題はないだろう。

完成予想図(Photoshopped)

BeforeとAfterの画像を比較してみ?W

右ハンドル、左手側コラムスイッチ(オリジナル)
右ハンドル、右手側コラムスイッチ(移設後)。ただし想像図!

追記:さて、実際に取り付けてみた。記事はこちら


手袋の中の何か、、、

Fiat 500 のエンジンマウント、というか正確にはギアボックスのサポートがずり下がっているような気がして、思い切ってジャッキアップ。

潜り込んで見たら、やはりボルト・ナットが長穴の一番下に。先日来、なにかギシギシという音がするので、これかもしれない、、、と、締め直しをしたのだが、結局、異音は直らなかった。ま、少々ズリ下がっていても、それを引っ張り上げても、性能や機能にはあまり関係がなさそげな場所ではある。

「ウマ」(ジャッキスタンド)をカマされたチンク嬢は、四つん這いで尻を高く上げたような、何かちょっと恥ずかしい格好。僕は仰向けになって後ろの方から下に潜り込んで、人間の躰で言えば下腹部に当たる場所をゴニョゴニョいじる、、、と書くと語弊があるが、時折すぐ傍を通り過ぎる近所の人たちはこれをどう見ていたんだろう。

ま、結局、炎天下の作業は何の結果ももたらさなかった。ただ淡々とネジを緩め、また締めただけ。ふう、、、。

途中で一度、ギアボックスとサポートのホルダーの間に敷くゴムシートと工具を取りに家に入り、戻って来てまたクルマの下に潜り、地べたに置いてあった作業手袋をはめ直したら、親指の先に何か異物を感じた。ゴムみたいなグニョっとした感触で、「あれ?何でさっき切ったゴムシートの破片が入ってるん?」と思って手袋を脱いだ。

親指を抜くと、一緒に出てきたのは15〜20cmくらいの黒光りするムカデ!!!

覚えてないけど、きっと変な声をだしただろう。慌てて手袋を振り投げ、クルマの下から飛び出した。それまで暑さでぼーっとしながらの作業だったけど、一気にテンションアップ。「ぼーっと行きてんじゃねぇーよ!」と怒られたのかも。

でも、もうシャキッとしたんだし、ムカデにその辺をウロウロされたら堪らないので、手袋を工具でつついてみたが居なさそう。クルマの下に滑り込むために敷いていたダンボールをめくったら、ゴムでできた作り物みたいにツヤツヤに黒光りした「奴」が慌てて、ガレージジャッキの下に走り込んだ。ガレージジャッキはギアボックスを支えていたが、仕方ないので一旦下げて、奴が潜んでいないか確認した。どうやら、直ぐ側の側溝の蓋の孔から逃げていったようだ。

しかし、あのまま手袋の上から押さえたりしていたら、恐らくムカデに噛まれて、作業どころではなかっただろう。毎年、一度や二度は家の中でも見かけるけど退治したりせず、いつも丁重に出ていっていただく。害虫を食ってくれるからねえ。でも、まさかほんの数分放置しただけの手袋の中に潜んでいたとは。。。 危ない危ない!(さすがにムカデの写真を撮る余裕は無かった)


Fiat 500 の難儀

昨日、あまり走りたくない雨の中、街からの帰途を急いでいたら、谷底の千束を抜けてクマ、シカ、イノシシが闊歩する薄暗い府立大の演習林に差し掛かった時、突然「バンッ!」と大きな音がした。

直ぐに停車して、音が聞こえたエンジンルームを覗いてみた。「あ〜あ・・・」。ケモノたちもびっくりするような声が出てしまった。原因は一目瞭然。

切れたファン/オルタネータベルトが暴れて電気配線とか傷つけなくて良かった。

旧車に乗る以上こんなこともあろうかと予備のVベルトも工具も積んでいたが、削れたゴムの粉で手を真っ黒にして、心も辺りもタソガレる森の中で藪蚊に刺されながら小糠雨に濡れてまでやりたい作業じゃない。

幸い家まではあと数分。一か八かこのまま走らせようか一瞬迷ったが、エンジンかけてアイドリングしてみたら、油圧警告灯が点いてないから何とか帰り着けると踏んだ。冷却ファンも発電機も働かないまま走り出した。やや暫くは平坦で、家まであと200mのところから胸突き八丁ならぬ胸突き二丁の急坂。エンジンの音や臭を気にしながら登りきった。

家に辿り着いたが、ファンが回ってないからアイドリングでもエンジンはどんどん熱くなる一方で、まして坂を駆け上らせたのだからすぐにも止めたいのだけど、少しオイルを回らせてからの方が良いかも、、、とか、優柔不断で1分ほど様子見。

いつもの暑い夏なら街なかから帰ると、ファンベルトがあっても熱でオイルがシャバシャバになり油圧警告灯が点くときもあるけど、何故か今は、手負いのエンジンなのに警告も出ず、涼しい顔(は無いけど)でフツーに回ってる。今年の長雨のおかげで気温が低いせいか?それとも、切れたベルトが飛び散った弾みで警告灯の配線が外れているのかも、、、

とか何とか考えていたら、ふと我に返り、このまま回しておいたら確実に焼け付くわけで、いかんいかんとエンジンを切った。もう暗いし、雨降ってるし、もういいや、とエンジンフード開けずに家に入た。

夜のうちにVベルトの予備の予備を発注しておいた。明けて、(といっても夕方だけど、、、)さっき、まだベルトは届かないけど、いつ緊急でチンクに働いてもらわないとも限らないので取って置きの予備ベルトを取り付けた。

元々、Fiat 500 のファンベルトは10×800という欧州の規格(巾10mm、周長800mm。今回、切れたやつもそれ。

巾10mmは、日本ではM型というVベルトで、何故か(ていうか、まあ文化的植民地なんで)アメリカ的なインチ表示になっている。周長800mmはほぼ31.5inch。さっき取り付けた予備のも表示が「MPMF1315」だから最後の3桁からこれに当たる。

ところが、これ、ちょっと高かったような記憶があるので、スタンダードな安いのを探したが昨夜は寝ぼけ眼でこれを見つけることができず。三ツ星とバンドー化学というベルト専業メーカーのカタログにも、M型がほとんど出てこない。。。仕方ないので、なんとか行き当たった少し短めのM型31インチをとりあえず確保。結局、安いのはヤメにして、切れにくいちょっと上位品を買ったので元の予備のよりもっと高価に。(つっても送料込みで2000円しないんだけど、スタンダードのは500円くらいだからねえ、、、ちなみに、どうもM型というのは専ら自動車用らしく、汎用Vベルトカタログには出てこないのかもしれない)

気を取り直して、今日もう一度調べてみたら、「MPMF1315」そのものもあるし、他にもコグ(歯状の凸凹)付き省エネ型もあるし、、、何や、選び放題やん。でも、まあ『コグ付ベルトは切れやすい』という評価コメントを見つけて、高くても、省エネじゃなくても、長持ちしてくれりゃエエ、と自分を納得させた。(でもね、Vベルトの構造って、特に強度を保ってるのはゴムの部分じゃなく、背の部分の繊維レイヤーだから、ゴムに切り欠きがあろうがなかろうが、強度や耐久性には関係無いんだけどね、、、)

そんなことまるで無関心に、当のチンク嬢はいつもの通りノホホンと微笑んでいるのであった。。。


Fiat 500 の点火系を更新

まず、コイルの交換。以前、2気筒同時点火のためにハーレー用のコイルに取り替えて、ディストリビューターによる失火が無くなり、以後、快調だった。ポイント点火用のコイルは一次側抵抗が5Ω前後あるのが一般的で、その時入手したのも5Ωのものだった。

が、最近になって、ヘインズのマニュアルで1次コイルの抵抗は3.2Ω以下はダメ、となっているのを見てしまった。てことは5Ωだとダメじゃないけど、抵抗大きすぎじゃね?と。抵抗が大きいと発熱しないのでコイルには良いんだけど、点火するための電磁エネルギーを溜めるのに時間がかかるから、高速回転では追いつかなくなる。エネルギーが溜まりきらないまま点火すれば、当然点火プラグのスパークは弱まる。普段、高速道路とか走らないからあまり気にはならなかった。むしろ、低速走行では機嫌よくエンジンが回ってくれる。

問題はコイルじゃなく、このコイルに溜めたエネルギーで一気に高電圧を発生させるために、ポイント(コンタクトブレーカー=一種のスイッチ)を開放するのだけど、このポイントが発生する火花で表面が荒れたり減ったりするし、またポイントを開閉するためのカムのヒールが摩耗したりして、数千キロごとにメンテナンスが必要になること。まあ、火花吸収のコンデンサがいかれたとかじゃない限り、ポイント自体は1万キロやそこらでは寿命にならないから、コマメな調整は苦にはならないんだけど、、、

先日もドエル角(ポイントが閉じて通電し、コイルに電磁エネルギーを溜めるための、カムの回転角度)やポイントのギャップの調整をやった。ポイント摩耗により点火時期も狂ってくるので、エンジンの回転に違和感が出るのだけど、少しずつ進行するから気が付きにくい。もともと、低速走行中にアクセルを踏み込むと少し息つきする傾向があったのだけど、踏み込み具合を微妙に調整することで回避できた。というか、症状が進行してもそれに慣れてくると、自然に足が対応してしまう。ただ、それも限界がある。

話が逸れてしまった。ポイントに不満や不安があったわけじゃないし、ポイントやドエル角の調整が嫌いではないけど、もっと効率の良いものがあれば試してみたい「性分」なので、電子式の点火機構を導入することにした。同時に、コイルも電子点火に適合した3Ω(2気筒同時点火)のものに変更する必要がある。

Fiat 500(に限らず、ポイント点火の古い車)を電子式の点火にするには大きく別けて、(ここではCDIは除外して)セミトランジスタとフルトランジスタがある。前者はポイント(コンタクトブレーカー)の機構を残して、その開閉で点火のタイミングを取るので、ポイントのメンテが必要になる。一方、後者は物理的な接触を伴うポイントを廃して、回転する磁石やLEDの光でタイミングを測るから、物理的な接触がなく、ポイントそのものが必要なくなる。また進角を元のディストリビューター内にあった遠心力やバキュームを使う原始的(だがシンプルな)ものから、電子回路を備えて単純な進角だけでなく、ドエル角の調整まで行うものもある。

トランジスタ点火を導入するにあたって、アンプと呼ばれる大掛かりな装置をディストリビューターの外に設置するものは高価で始めから除外したが、始めに検討したのはIgnition 123というものだった。これはディストリビューターの中身(ローターとコンタクトブレーカー、それに進角機構の一切合切)を全て取り払い、エンジンの回転数から点火に関すること全般をコントロールしてくれるので、たしかに効率は良くなるはず。ただ、少し高価なのと、出先でぶっ壊れた時に一時的にポイント点火に戻すには、ディストリビューターの主要部品をすべて元に戻さなきゃならないので、ちょと手間がかかる。

Fiat-500
123 ignition for FIAT 500 123ignition.comより

次に検討したのは、進角に関しては元々の物理的な機構をそのまま利用するタイプなので、上記の123のような至れり尽くせりの機能は期待できないが、その分だけ電子回路も単純だろうから故障しにくそうだし、なにしろ値段が安い。このタイプはいろんな会社からたくさん種類が売られているが、なんか、どれも同じものに見える。多分、中のICかLSIか知らんけど、ほぼどれも中国製のワンチップで後は磁力センサー付けただけだろうからどれでも同じじゃね?と比較的安いものを買うことにした。(でも最安値はよう手をださん)。トレーラー牽引の登録で陸運局にエンジン諸元の提出を求められたときに、Italosportエンジンの資料を提供いただいた kitaさんに、苦しい時の神頼みで色々うかがった。が最終的に比較した2つのイギリス製、AccuSparkとPowerSparkは、やはり同じものだろうというご意見だった。

手に入れたのはPower SparkK35で、2気筒のFiat 500 用のもの。値段は£39.95、約6100円ほど(VAT抜き)。で、何故か1割引クーポンがあって、そこに送料が£9ほど。計£42.19、約6450円。他にも色々と似たようなものが売られているが、あれこれ比較の上、これをポチった。高いのか安いのか、ようわからんけど、とりあえずポイント周りをあれこれ調整したり、メンテしたりからは開放される。

K35 - Powerspark Electronic Ignition Kit for Magneti Marelli 2 Cyl Distributor
PowerSpark for FIAT 500 with Magneti Marelli distributor

コイルは上述のように従前のハーレー旧タイプ用5Ωではダメなので、同じくハーレー用のトランジスタ点火対応の3Ωのものを新古品をヤフオクで安く入手して取り付けた。ハイテンションコードはあまり安物を使うと電子回路に影響が出るらしいが、既にそこそこのシリコン皮膜にカーボンコアのものをおごってあるからこれで良さそげ。

ハーレー スポーツスター XLH883 1200
ハーレースポーツスター XLH883 1200cc 用点火コイル

この手の電子点火装置は、物理的スイッチであるポイントのみ電子スイッチに置き換えるだけなので、進角機構はオリジナルの遠心力/バキュームのコントロールを残している。取り外した部品を携行していれば、出先で故障の際にはすぐに元のポイント式に戻せる利点がある。ただし点火時期は簡易的な合わせ方しかできないし、コイルの抵抗が規定の3.2Ωより僅かに下回っていて、電流が多く流れ過熱するのであまり長くは走れない。それでも応急的に家まで乗って帰るくらいは可能だから安心感がある。

PowerSparkはイギリスから半月で届いた。取り付けは、ディストリビュータキャップを外し、コンデンサ(キャパシタ)とポイント(コンタクトブレーカー)を取り除いたあとに、何の加工も不要のポン付け。点火時期を調べたが、狂ってなかったので無調整。うちのチンク嬢は元々、エンジンのかかりがとても良い人だったので、始動性が変わった感じはないが、走らせてみると、最初に同時点火コイルに換えた時のように、エンジンの回転がまた一段とスムーズになったのが体感できた。高速走行からの加速も、登坂も力が増したように感じた。これで6500円でお釣りが来るのだから安い。あ、コイルは3500円。じゃ、計10000円か。。。それでも悪くない。

これで、ポイントギャップやらドエル角やら、それらの調整不足による不具合の心配はなくなった。調整サボリによる不調はともかく、旧式であればあるほど目視で故障箇所が確認し易く、修理対応も比較的簡単。しかし電子的な機構に頼る今度の点火システムは、物理的に壊れたり機械的摩耗による不調は起こりにくいが、半導体は熱に弱いかもしれないし、そうでなくてもICなどはポックリと突然死することもままあり、しかも外見からは何がなんだか判らないので修理のしようもないから、どちらが良いかは判らない。

ま、そんな「かもしれない」をいちいち気にしていたらFiat 500には乗れない。とりあえずエンジンは快調になったのだから、これでひとまず正解なんだと思う。