「自動車・バイク」カテゴリーアーカイブ

Ciao フロントブレーキの効きが悪いので分解調整

タイトル通りですけど、何か?

冗談は置いといて、、、

以前、リアのオイルシールの傷んだギアボックスからオイルが漏れてリアブレーキの効きが極端に悪くなって、シール交換とブレーキシューの清掃を行った。ところが、モグラ叩きじゃないけど後を直したら今度は前。何かどうもしっくり、、、じゃなくきっちり止まらない。まあ、法定速度が30km/hの原付Ciaoでフロントがロックするようなストッピングパワーは不要なんだけど。後がバッチリ効くようになったので、いままで頑張ってくれたフロントにくたびれが出たのか。。。

ブレーキプレートのナットがどうにも緩まないのでダブルナットでえいやっ!

ともかく、2つあるブレーキが両方ともそれなりに効いてくれるようにしなくちゃ。ってんで、バラしてみた。そしたら、オイルとかは見当たらないが、なんかシューはサビの粉だらけ。しかもライニングが一部欠けている!これは想定外。

リーディング・トレーリングのライニング両方とも端が欠けている。つまり有効面積が減って制動力が落ちたと。しかもよく食い付くリーディングシューの先端が大きく欠落しているんだから、これでは効くはずもない。

1〜2千円ほどの安いものなので早速注文しよう。部品が来るまで、とりあえず今のを戻しておくことに。ただ戻すんじゃなく、リアでもやったようにライニングにグルーピング(溝)加工を施してキーキー鳴くのが止まるかどうか確かめることにした。

それと、、、ちゃちゃっと考えるに、欠け落ちたライニングが砕けて粉になり、摩擦力が減ったのではないか。フロントブレーキを分解したときに欠片が見当たらなかったし、内部が粉っぽかったのとドラムの側面やシュー全体がサビに覆われていたのはその影響かも。

とりあえず汚れを落とし、ノコギリでライニングに溝を切り、摺動部に耐熱性のあるグリスを施し、シューのリーディングとトレーリングを入れ替えて組み込み。ついでにワイヤー調整をして完了。試運転の結果は、ウ~ン、、、わずかに改善、、、程度。やっぱ新品に交換だな、こりゃ。


Ciao バリエーターVベルト、汎用品に交換

Vベルトの傷み

シングルスピードのCiaoを無理やりバリエーター(自動無段変速機)付きに改造して乗っているが、そろそろVベルトがヤバそうになってきた。スタータークラッチの交換時にベルトのサイドが毛羽立ち、エッジが一部剥離しているのを見てしまった。

前回の交換は1年半ほど前のこと。その時の記事がこちら。それより前に使っていたのはイタリアのチューニングパーツメーカーのMalossi製だけど、ちとお高い2400円也。食いつきが良いとか長持ちするとかが売りだった(ような気がする)が、ケブラーで強化されている必要があまり感じられなかったので、その時はCiaoの部品をよく買うところでDayco製のを調達。Malossiは結局丸2 年と少々もった。次のDaycoは1年半だから確かに長持ちしてる。距離はわからないが、、、。

Vベルトの選定

今回はMalossiでもDaycoでもなく、前々から汎用のVベルトを使うつもりだった。前の記事を見てみたら一度、呼びサイズ38を買ったら1インチほど長すぎて失敗したので37インチが良いんじゃね?と書いていたが、もうひとサイズ短くてもいけそう。MalossiもDaycoも取り付けるとベルトの張り調整でエンジンを目一杯前に出している。エンジンマウントの長穴は1/2インチほどの調節幅がある。輪になっているベルトがもう1インチ短くなれば動かせる距離はその半分だからエンジンの位置を逆に目一杯後ろにできる。ベルトが伸びたら少しずつ前に動かせば良い。もっとも、伸びる前にベルトがケバだっておしゃか寸前になるから今まで調整なんぞしたことはないのだが、、、。ともかく、36インチのものを買ってみた。

品名は「三ツ星ベルト e-POWER Vベルト ローエッジコグタイプ MITSUBOSHI-AX36」。Amazonで送料込みで2200円也。ありゃりゃ、Malossi製とあまり変わらんお値段じゃないっすか!これじゃ2年は持ってもらわないとねえ。若干心配なのはMalossiやDaycoのは厚みが6mmに対し三ツ星のはローエッジとは言え9mmもあるので、可変幅のプーリーが一番開いたときに底着きしてしまわないかということ。ダメだったらコグの頭を一個ずつ切り詰めてやるわ。

装着と試運転

さてと、手に入れた三ツ星のVベルトいよいよ取り付けてみた。幅は実測したら13.3mmもある。一方、すり減ったやつは12.2mm。すり減ったとは言え気がつかなかったほどだから標準の12.7〜13mmというのはさほど重要ではなさそう。前プーリーのベルト底づきもなさそげ。後プーリーは外周よりベルトが若干食い込んだ状態。滑ることはないだろうけど低速側の力が弱くなるかな。でも高速は伸びるだろうな。

せっかくわざと短いサイズを選んだのだけれど、とりあえずエンジンの位置は替えずにそのまま装着して試運転。スタートに違和感はない。平地での加速も以前と変わらず、フルスロットルで50km/hを越えても回転に若干の余裕がある(オーバーレブでもう堪忍して、というような音ではない)。急なスロープでの登坂力も以前と変わった感じはしない。これで良いかも。

でも一応以前のように、エンジンを一番後に動かしてベルトが後プーリーの外縁まで迫り上がるようにしてみた。これで加速と登坂力のアップが期待できる。そんかし最高速がトレードオフになる。

ところが実際に走ってみたら、特段加速が良くなったようには思えないし、急坂もグイグイって感じでもない。がっかり。しかも最高速は予想通り落ちた。50km/hあたりでエンジンは悲鳴を上げる。だめじゃん。

 

現状

静止状態でベルトが後プーリーの縁まで上がってこない。

もう一度元通りにエンジンを前いっぱいに戻す前に、丁度中間位置で固定してみた。加速や坂登りは変化なし。高速での回転もストレスになるほどじゃない、まあ予想通りの走り。でもこれじゃ単なる中途半端。一番前のほうが高速が更に伸びていたから、後で一番前までエンジンを引っ張ってやろう。(時間切れで、この稿を書いてる時点ではまだ中間位置のまま。調整後、長距離を乗ってみて後日報告する。)


追記:

エンジン中間位置と比べて若干深いところに落ち込んでいる。

やっぱエンジン位置を一番前に戻した。こうすると前プーリーの幅が最も広がった(つまり径が最商になった)状態でもベルトが後プーリーの外縁までせり上がらず加速や登坂で不利なんだけど、家の傍の急坂は問題なく登れることを確認しているので良しとする。てか、公道を法定速度(原チャは30km/h)で流すとき、あるいは事情や状況でそれ以上出すことがあっても、エンジンにオーバーレブしそうな無理を強いることにはならない(と期待する)。

結論:ていうか覚書

  • Vベルト品名:三ツ星ベルト e-POWER Vベルト ローエッジコグタイプ MITSUBOSHI-AX36
  • サイズ:36インチ
  • エンジン位置(張り具合):最も前

で決まり!

このあたりは後の投稿で↓

Ciao バリエーターVベルト、汎用品に交換 その後

 


バキュームブロワーの袋を作ってみた

いつ買ったか思い出せないほど古いブロワーのダストバッグがボロボロになった。厚手の不織布でできた袋だけど、紫外線か酸化によるものか、少し引っ張るだけで枯れ葉のようにパラパラち砕ける。以前に一度、古布とダクテープを貼り付けて修理してみたものの、後から後から破けるものだから、それ以降は諦めてブロワー自体を使わなくなってしまった。

ボロボロのダストバッグ。すでに一度、古パンツで補修してある。

毎年、秋〜冬に向かいの山から大量の落ち葉が舞い降りてきてガレージに吹き溜まる。ブロワーがあればガレージ満杯の単車と自転車、トレーラーを引っ張り出したり動かすことなく枯れ葉を吸い取ることができるんで、なんとか袋を復活させたいと、常々思っていた。(が、めんどくさいので今日までほったらかし。もう春だし、落ち葉は来ないし、、、。イマサラ(笑))

そんで今日やっと重い腰を上げたと。実は、原チャリのCiaoを修理するための部品を待っていたんだけど、予定の午前中には届かなかったんで、それが来るまでちょっと時間つぶしに目の前にぶら下がっていたブロワーのダストバッグに手を伸ばしてしまった。これがイカンかった。型紙も作らず、破けた元の袋を使い古しのレースカーテン生地に当てがいマジックで見当線を引いてチョキチョキ切り出した。

玄関ドア用の「蚊帳」レースカーテンをバッグの上三に重ねて裁断。
古いダストバッグから使える部分(ファスナー等)を取り外して流用。
網のカーテンは縫いにくい!

それが、ちゃちゃっと簡単にできると思ったのに、レースカーテンの網目と、古い方から流用したジッパーやブロワーへの連結部の相性が思いのほか悪くてミシン掛けに苦労した。流用した部分を補強するために着古したパンツで当て布するのにも手こずって、ミシン針を折ってしまったり、、、手こずっているうちに、気づいたら陽も傾いていた。すでにCiaoの部品は届いていたが修理する時間がなくなってしまった。ったくぅ、何やってんだか。

さて出来上がった袋をブロワー本体に取り付け、紐を引き絞って結わえた。網のレースカーテンを選んだのは、木の葉を吸い溜め込んでも土や砂は溜まらないようにと。早速ガレージの隅に吹き溜まっている枯れ葉を吸ってみた。不織布の袋よりも風通しがよくパワーが上がったような気がする。うん、調子いい!

古パンツの当て布したジョイント部分を本体に被せて取り付ける。

ただ、、、土埃、砂埃が、、、。まあ、それは始めからわかっていたことだけど、マスクしないとちょっときつい。それ以外は実に力強く吸ってくれるんで、今年の秋は町内の掃除当番が楽になるぞ!ガレージももっときれいにしないとね。

枯れ葉が透けて見える。

 


ロックタイトでドライブシャフトのスプライン(仮)修復

これは「FIAT 500 ONLINE MANUAL」に僕が投稿した内容をそのまま横流ししている。自分の作業記録としてこのブログにも残しておく。


はじめに

この稿で紹介するのはあくまで一時凌ぎの実験的、応急的な処置であることをご理解いただきたい。この修復で、はたして傷んだスプラインがいつまで持つかも判らない。作業は2023年1月下旬だが、次回、異常が起きる(つまりスプラインが舐める!)か、あるいは不安に駆られてドライブシャフトを交換することになれば、改めてこちらで報告するつもり。(せめて1年は頑張って持ち堪えてほしい、、、)
  • はじめに(この項)・・・何が起きたか:ドライブシャフトのスプライン摩耗
  • 原因と対策・・・・・・・原因:Cクリップの脱落 対策:「はめ合い用接着剤」の充填
  • 本題・・・・・・・・・・下準備(予備実験):離型剤の効果確認 実地に応用(具体的には):作業手順
  • おわりに・・・・・・・・まとめ

何が起きたか

先日リアのフレキシブルジョイントとドライブシャフトを繋ぐドライブシャフトスリープにガタがあることを発見した。ドライブシャフトとスリーブを嵌合しているスプラインが摩耗していたのだった。一般的に、硬い鋼製のシャフトより柔らかい鋳物のスリーブの方が摩耗するので、スリーブのみ交換すれば事は簡単なはず。ところがスプラインをチェックしてみたら両方とも傷んでいて、スリーブのカップ状フランジ内部に鉄粉が付着していた。恐らくギアボックスを下ろしてドライブシャフトを交換する必要がある。

原因と対策

原因

こうなった原因はドライブシャフトの先端に在るはずのCクリップが脱落していて、軸方向に大きな遊びができたドライブシャフトがギアボックス側に移動し、スプラインが半分ほどしか掛かっていなかったために過大な荷重が掛かり続けていたからではないかと想像する。(シャフトを正規の位置に押し込むとガタは無くなるが、仮にシャフトがその位置に留まってくれたとしても遅かれ早かれ傷んでしまったスプラインはオシャカになる。そして走行不能!)

外れたCクリップはスリーブのカップ状フランジの中にグリスでへばり着いていた。しかし腑に落ちないのは、前回整備したプロがクリップの付け忘れをするだろうかということと、忘れたのならクリップがその近辺に残っていたのはおかしい。そもそも溝にきっちり嵌ったクリップがそう簡単に脱落するのも考え難いのだが、自分でクリップを着脱してみたらどうも様子が変。クリップが開いてしまっているわけでもないのに指だけであっさり外れる。そこで反対側のドライブシャフトと比べてみたら明らかに溝が浅いことが判った。これではいくら復旧しても同じことの繰り返しになってしまう。スプライン復活以前にまずはヤスリでクリップの溝を深くすることから始めなきゃならなかった。

【下:きっちり嵌ったクリップ】

対策

作業概要:
本来なら交換すべきドライブシャフトだが、そのためにはトランスミッションを外して分解しないといけない。これを機会に太いシャフトに交換して、スプラインの負担を減らすとかも考えた。しかし、いずれはそれも必要になるとしても、当面の手間(と外注した場合は費用)を考えたらやはり躊躇してしまう。そこで何とか傷んだスプラインを修復できないものか、色々と思案してみた。
シャフトのスプラインを溶接で肉盛りして歯を切り直すという技もあるらしいが、当然ドライブシャフトをギアボックスから外す必要があり、そこまでするのなら補修部品が潤沢にあるFIAT 500ではあまり意味がない。http://usahato-blog.seesaa.net/article/407750490.html
昔、モンゴルやチベットの運転手たちが、傷んだネジのスレッドやスッピル(キー)の嵌合に出たガタをタバコの銀紙(錫箔)やアルミフォイルを隙間に巻き込んでその場凌ぎの応急処置をやるのを見たことがあり、自分もオルタネーターのプーリーハブの半月キーがナメて摩耗したハブのガタ取りに利用したが、流石に重い車体を動かす力が一手に掛かるドライブシャフトのスプラインには使えないだろう。https://okamoo.com/blog/2022/10/14/fiat-500%e3%80%80%e3%82%aa%e3%83%ab%e3%82%bf%e3%83%8d%e3%83%bc%e3%82%bf%e3%83%bc%e7%95%b0%e9%9f%b3%e3%82%92%e4%bf%ae%e7%90%86/
が、隙間を何かで充填してやれば暫くは持つのではないか。ただ、瞬間接着剤やエポキシ樹脂などは剪断や引き剥がしには強そうだけど耐圧荷重にはどうなんだろうとネットを探っていたところ、ネジの緩み止め剤のロックタイトのバリエーションに「はめ合い用接着剤」というものがふと目についた。https://www.henkel-adhesives.com/jp/ja/products/industrial-adhesives/retaining-compounds.html
中でも強力なのは「ロックタイト660」と「ロックタイト638」で、前者は隙間0.5mmまで充填できて硬化し、しかも能書きに「スプライン」に応用可能となっている。後者はスプラインとは書いてないが最強力と謳われている。今回は経済的事情から638を選んだが、隙間が大きい場合は660の方が良いだろう。

本題

ロックタイト638は母材にかなり強力に接着するらしく、ドライブシャフトのようにスイングアームの上下動で軸方向に若干の摺動の余地が必要な場合、しっかり固着してしまっては面倒なことが起きかねない(先述のようにCクリップがあり、ドライブシャフトの先端に小さなバネが仕込まれているのはその動きを規制するため。軸方向の動きができないと荷重によりスイングアームが上下したらシャフトやジョイント、ひいてはギアボックス内部の歯車、特にディファレンシャルに異常な応力が掛かって、ダメージはシャフト交換どころではなくなってしまう。そこで、オス・メスどちらかのスプラインの歯に離型剤を塗布して接着を抑止することで軸方向の動きを確保することにした。

下準備(予備実験)

ロックタイト638に離型剤が有効かどうかを確かめないと、スプラインの嵌合は強固になったは良いが、二度と離れてくれないとなると厄介。手近に合ったボルト・ナットで離型剤の有る無しでどう変わるかの実験をしてみた。
  • 3/8のインチボルトとナットを2本用意。
  • コントロールとして1本のボルトは離型剤を塗らずにそのままロックタイトを垂らし、ナットを固定。
  • もう1本のボルトに離型剤のシリコングリスを塗布(一般的な油性グリスはロックタイトと変な反応をするかも知れない。シリコングリスが大丈夫という保証はないが、その不活性に期待して、、、)。
  • 離型剤の上にロックタイトを塗布し、ナットをロックタイトに部分まで回し込む。
  • 24時間放置(すべきだったが今回は十数時間)後に、夫々にトルクレンチを掛けて回してみた。
  • 離型材なし:約20Nm(固化したロックタイトが砕けたように白くなっている)
  • 離型剤あり:スルリと回って計測不能。
離型剤なしのほうは思ったより低い値だが、耐圧力荷重を重視した「はめ合い用接着剤」である638は「ネジ固定剤」ではないので剪断応力には力を発揮しないのだろう。だからといって実際のドライブシャフトのスプラインの接触面積はこのネジよりはるかに大きいので離型剤が不要なほど簡単に抜けないだろうし、抜けたとしても写真のように破壊的な分離の仕方では困る。
しかし一方、離型剤を使ったほうは目論見通りあっさり動いた、というかあまりに拍子抜けの無抵抗だったので、シリコングリスのせいでロックタイトが変質し、固化しなかったのではと心配になった。歯の溝をキリの先で突いたりしてみたがグリスっぽい表面の下はしっかり固まって剥がれなかったので使えそう。スプラインが固着せず、軸方向に摺動できることが判ったのはありがたい。(歯の傷みが酷くない場合はグリスでなくシリコンスプレーでも良いかもしれない)

実地に応用(具体的には)

  • スリーブブーツはギアボックス側に追いやっておく。
  • ドライブシャフトとスリーブ、両方のスプライン部分をパーツクリーナーなどできれいに洗浄する。
  • スプラインの歯にまくれや大きい突起などがあればヤスリで修正する。
  • 傷みの少ない方(今回はたまたまスリーブの方が歯がきれいだった)のスプラインにシリコングリスを薄く塗布。
  • 歯の谷間にグリスが多く残らないように、しかし完全に拭き取ってしまわないようにグリスの厚みを均す。(シリコングリスの白い色が見えないくらい。先述「下準備の写真参照」)
  • 傷みの多い方(今回はドライブシャフト)のスプラインにロックタイト638をたっぷり塗布する。はみ出ても空気に触れる部分は硬化しないのでOK。
  • スリーブをドライブシャフトに押し込み、Cクリップを嵌め込むための溝を少し行き過ぎたところで止め、はみ出て固まっていないロックタイトを拭き取って1昼夜放置しておく(まだクリップは着けない)。
  • 一日後、スリーブの前後にロックタイトが滲んでいたら拭き取り、シリコングリスをたっぷり塗布する。
  • ギアプーラーをスリーブのフランジとシャフトの先端に掛け、外れない程度にフランジを引く(抜いてしまわない)。完全に固着していたら失敗なので、ヒートガンやバーナーで250℃ほどに加熱して引き抜き、1からやり直すか、諦める。
  • スリープの後ろに露出したスプラインにシリコングリスを塗のばしてから、スリーブを奥まで押し込み、手前に露出したスプラインにグリスを塗る。
  • 押したり引いたりを繰り返しスプラインの当たりをつけてなじませる。必要ならグリスを追加したり、シリコンスプレーを吹き付ける。
  • スリーブが手で動く*ようになればスリープブーツを戻し、シャフトにCクリップを装着し、先端の穴にスプリングを入れて、スリーブとフレキシブルジョイントをボルトで結合(トルク2.8kgm)する。(*手で動かないくらいだと駆動系に負担が掛かる恐れがある)

おわりに

繰り返しになるが、このその場凌ぎの応急処置が果たしてクルマにとって良いことなのか(財布には優しいが、、、)全くもって判らない。とりあえずやってみて、少なくとも「数日」経った現在、スプラインに異常はなく、クリップの脱落(とスプリングのヘタり)を放置しているままの状態よりは幾ばくかでもマシではある。
旧フィアット500でスプラインをナメて動けなくなったという記述はよく目にするも、これまではまるで他人事。知らぬが仏でずっと普通に走ってきたが、その前兆を見てしまったらもう放ってはおけない。とりあえずの手当はしたものの、この実験的補修の信頼性は全く不明であり、不安が無くなったわけではない。
「独自」開発の補修方法の信頼性を担保するものではないが、唯一、この「傷んだスプラインの隙間に何かを充填する」ということを報告している事例は自分の知る限り「しのはらプレスサービス株式会社」のスプライン補修システムがある。これはスプラインの途中に孔を穿ち充填剤を圧入して固化させるというもので、マツダが特許を保有しているらしいが詳細は判らない。当然自動車に応用できるからマツダが開発したのだろうけど、分解時にスプラインを抜くためにどのような方法を使うのか知りたいものだ。http://www.shinohara-press.co.jp/service/04.html
いずれにしてもある程度距離を走って検証が必要。やってみられるのなら人柱になる覚悟で。。。(笑)   そうでないなら続報を待たれたい。

追記:
Cクリップの脱落やスプラインの摩耗と関連があるかどうか判らないが、ドライブシャフト先端のスプリングが反対側のドライブシャフトのそれと比較して少し短く思えた。シャフトの穴からほとんどスプリングの頭が出ていなかった。新しいのを入手して比較したら下のように、単にヘタりによる長さの違いだけでなく、線の太さや巻数などバネレートも違うようだし、古いのは座面研磨もされていない。ウ~ン。。。

割れたTEXミラーの復活 FIAT 500

クラシックMiniによく使われている英国Tex社のミラーを取り付けて早半年。ナス形のスッキリした外観はとても気に入っていたのだが、ある日、角度を調節しようと鏡面を掴んで捻ったところ、パシッと音がしてガラスに亀裂が入ってしまった。シマッタ!バックプレートはぺらっぺらのステンレス薄板だからもう少し慎重に扱うべきだった。でも遅かりし。

Texはミラーヘッドだけ売っているし、日本でも入手可能だが、5〜7000円とやたら高い。ヤフオクで安く出ていたがコンベックス(凸面)ではなくフラットな鏡面。ただでも小さいのにフラットだと後方視界も狭まってやだ。

いつもの自作

そんで、安く上げるためにミラーヘッド全体ではなく、鏡面(ガラス部分)だけ取っ替えることにした。幸い割れた鏡面は粉々になってないからそれを型取りして、中古のミラーから切り出そうという寸法。前の赤耳ミラーから取り外す手もあったが、壊れてないのでまた使えるかもしれないし、ユーノスロードスターの初期型のミラーは少ないのでそれなりの値段で売っとばすことも可能。ヤフオクでドアミラーの鏡面のみなら送料込みで1000円もしない。

下準備

熱いお湯に割れたミラーをミラーヘッドごと浸してパッキンを柔らかくしてから引っ剥がすと鏡面はバックプレートから簡単に外せる。

Try 1(失敗)

まず手に入れたのはBMWのブルーレンズのミラー。しかし、切り方が解らず、ガラス屋さんがジジーッ、パリンとやってるダイヤモンドガラス切りを使ったが、敢え無く失敗。思った線で割れてくれない。曲線は難しい!

Try 2(失敗)

次にワゴンR用のを手に入れた。同じ失敗は繰り返さないため、小型のリューターを買った。1500円でもう一本タダって、2本も要らんし。ま、小さいので邪魔にはならない。今度はダイヤモンドカッターディスクで流水を当てながら慎重に切り出した。しめしめ上手くいった。(水が跳ねるのでペットボトルのネックを使った自家製カラーを取り付けた)

鏡は元のサイズかたちピッタリに作ったので問題なくバックプレートに嵌った。プラスチックのパッキンをお湯で温めて柔らかくし、鏡の周囲の隙間に詰め込んだ。うーん、、、あまり美しく納まらない。押し込んだパッキンが鏡の上下の長辺の中央部分でハミ出してくる。また熱いお湯に浸けて柔らかくしてグイっと押し込むと、パシっ!どっかで聴いたような音とともに鏡面にひび割れの筋が一閃。あちゃあ、、、 (;´д`)トホホ…

気づき

これって、あれじゃない?欠陥。凸面鏡を横長に切り出したら、緩い鞍形になる。ところがバックプレートは平面に作られている。パッキンがはみ出てしまうのはその鞍形の頂点とバックプレートの縁との隙間が狭くなっているからだ。それを無理に押し込んだら2mmほどのガラスは堪らず割れてしまう、と。元々の破損の原因もこれじゃね?

浅いお椀形にプレスされているバックプレートを鞍形の鏡に合わせて反り返るように曲げるのは容易じゃない。それで長軸に沿って凹ませるように曲げることにした。これは完全に曲線を添わせるわけじゃないけど、鞍形の両端を凹みに落とし込むことで狭まっている部分である程度の隙間を確保できるはず。(下の図では鏡の曲率やバックミラーを曲げた部分の形状を誇張してある)

下の画像は未修正のミラー。黒いパッキンがはみ出ている。

Try 3(なんとか、、、オッケー)

満を持して入手したムーヴのミラー。下1/4の曲率が大きくなっていて後方下部を見るための」無粋な補助ミラーを付けなくても良いし、願ったり叶ったりじゃん。先のワゴンRミラーでコツは掴んでるから手際よくカット。大きいので2枚取れるし。

整形したバックプレートは上下の辺の間が狭くなっているので、鏡も前2つより若干狭めておいた。その他、若干の修正を施してバックプレートに装着。パッキンも思い通りに嵌った。

めでたしめでたし。

車体に取付

散々あーだこーだの挙げ句、運転席側のドアミラーは復活。何か進歩とかがあるわけじゃなく、割れたミラーで不便だったわけでもなく、強いて言えば車検に通る状態に戻っただけ。曲率の変化も下方確認にはあまり役に立たない。無いよりマシな程度。

でも、まあ、バックプレートの修正で鏡自体は前より割れにくくなったかも。多分。


追記:

結局ミラーに3000円ほど、リューターに1500円。それでも5〜7000円もするミラーヘッドを買うよりは安い。(英国Tex社の直販ならミラーヘッドは3000円ほどだけど。2000円ほどの送料考えたら同じくらいか?)