はじめに
目次と概要
概要
- 中古のバイク用オイルクーラーとオイルフィルターマウントを入手し、オイルクーラーには取り付けステーの切除等の加工をした。
- 別にマウントを取り付けるためのベースをアルミ合金ブロックで制作した。ベースにはフイルターマウントやホースを取り付けるための切削加工と防錆処理を施した。
- オイルの取り出しにはタイミングチェーンカバーに穴を開け、ホース用フィッティングアダプターをロウ付けした。
- クーラー本体はエンジンベイ上部にあるルーバー内部の空間に、オイルフィルターはエンジンベイの天井に設置。
目次
目次と概要
実際の作業
素材と工法の選定
オイルクーラーを選ぶ
ベース
オイルの取り出し方法
設置場所
オイルクーラー
オイルフィルターマウントとそのベース
材料・工具
本体用
他に
工具
外注
作業内容
オイルクーラーの加工
車体の加工
オイルフィルターマウントのベース加工
オイルフィルターマウントの加工
タイミングチェーンカバーの加工
余談:低温アルミロウ棒HTS-2000について
タイミングチェーンカバーの加工(続き)
オイルポンプの加工
余談:ホースの加工について
取り付け
オイルクーラー本体
オイルフィルターユニット
クランクケースへのオイル戻り
ホースの接合
仕上げ
完成後の心配事
始動と試運転
結果
追記
実際の作業
素材と工法の選定
オイルクーラーを選ぶ
今回は、YAMAHAのXJR400のものがサイズ的にも手頃で、クーラーとフィルターマウントアを繋ぐホースが素直で加工せずに扱いやすそうだった。フィルターマウント内部にはリリーフバルブも付いているので、FIAT 500のような旧車が使用する硬いオイルが低温時にクーラーコアにかける高圧の負荷を減らすことができる。同じ形状のXJR1300のものはホースに付いている金属パイプ部分の形状が違うので使いづらい。
ベース
オイルの取り出し方法
(参考:http://www2.plala.or.jp/gara/oil.htm)
- ボルトオンのキットが売られているが高価だし、オイル経路以外に取り付けボルト用の孔を余分に穿つ必要があり、取り付けのボルトもオイルポンプと共用になるか、少なくともネジ穴を共有することになるのがあまり面白くない。上のサイトでも書かれている締め付けの不均衡でカバーに歪みが出ても困る。
- ねじ込みはタイミングチェーンカバーの厚みが十分でないと判断して却下。
- 溶接はアルミ用に高価なアルゴンガスを用いるTIGや半自動溶接機が必要で、家にそんなものは無い。
- 採用したのはロウ付け。それも低温(と言ってもハンダよりずっと高い)で融解し、フラックスも要らないという「HTS-2000」。調べてみたところ融点が380℃と、600℃前後のアルミ合金の融点よりかなり差があり、うっかり母材を融かしてしまう心配もなく、そのうえ引張強度も一般的なA5052が200N/mm2台に対して316N/mm2とかなり丈夫。これならシロートでも扱いやすそう。これでアルミのフィッティングアダプターをタイミングチェーンカバーにくっ付けて、ついでに強度を稼ぐために周囲をボタ盛りしてやれば溶接に負けず劣らずになる(はず)。
設置場所
オイルクーラー
- エンジンフードの上方にあるルーバーの奥(冷却ファンのエアインテイクダクトの開口部がある空間)で、右ハンドル車のドライバー側。ただし、ここが冷却機能上のベストとは言い難い。なぜなら走行中に自然に風が当たることがなく、冷却効率が悪いことと、エンジンの冷却ファンの吸気の一部がクーラーコアを通過するのでその熱をファン、ひいてはキャブが吸い込んでしまうからだ。冷却効率を考えるなら運転席と後部座席の間の床下か、後方から見てエンジンベイの框(かまち=バンパーの付く横桟)の左下が良いと思われる。それでもこの場所を選んだ理由は、完全に「みてくれ」の良さだ。もちろん床下より破損しにくいという利点もある。
オイルフィルターマウントとそのベース
- エンジンベイ内部の天井(オイルクーラーと同じ側)。XJR400の純正ホースが届く位置はここか、更に奥のバルクヘッドしかない。天井から吊り下げる利点はオイルフィルターの交換時に流れ出る廃油を受けやすいこと。これなら「オイルキャッチャー」なるカップ状の容器も売られているので、それが使える(高価だが、、、)。また、エンジンベイのこの位置は比較的空きスペースが大きく、滴る廃油を受ける洗面器などを置くことも可能。バルクヘッドに設置した場合この点で不利なうえ少し遠いのでフィルター交換作業がしにくくなる。
材料・工具
本体
- オイルクーラー:YAMAHA XJR400用(純正中古品)
- オイルフィルターアダプター:同上(ホース付き)
- オイルフィルターアダプターベース:ジュラルミン(A2017)ブロック 100 x 100 x 30mm
- ナイロン被覆耐油耐圧ホース:サイズ AN8 1m
- ホースエンドフィッティング:ストレートx1、L形 x3
- フィッティングアダプター:アルミ AN8⇔M12-p1.5 x4
- ドレンボルト:アルミ M12-p1.5 マグネット付き(メクラ蓋用)
- 耐熱・耐油ゴムマット:CR ペレマット 100 X 100 x 5t
- シリコーンラバーストリップ:キッチンカウンタートップのギャップカバー 60 x 400 x2(オイルクーラー上下の隙間埋め)
- シリコーンスポンジ角紐:(同じく隙間埋め)
他に
- タッピングビス:M6 40mm x4(ベース取り付け用)
- 六角穴付きボルト:M6 15mm x4(XJR400用ホースフランジ取り付け用)
- アルミ板:40 x 40 x t1.5 x2(オイルクーラー取り付け座金)、150 x 150 x t1.5 x1(仕切板)
- ビス;M4 10〜12mm x3(仕切板仮固定用)
- ボルト、ワッシャー:M6 15mm x1(オイルクーラー上部固定用)
- ステンレスビス、ワッシャー、ナット:M6 x1(フィッティングアダプターのロウ付け時にアダプターを固定する)
- イモネジ(ホーローセット):M10-p1.0 15mm(M10ボルトを切断して代用)
- Pクリップ:ゴムライニング付き(ホース固定用)
- ジョイント金具とボルト、ナット、ワッシャー:穴あき平形、またはL字形200〜250mm、M6 20mm x5(Pクリップ保持用)
- アルミ用低温ロウ:HTS-2000 45cm x2
- 接着剤:シリコーンゴムにも使え、硬化時間の短いスーパーX2、エポキシパテ(仕切板固定用)
- オイルフィルター:XJR用でなくても、外径φ65mm(Oリング径60mm)程度で取り付けネジがM12-p1.5であればOK
工具
- フライス用エンドミル:φ6mm
- ドリルビット:3.3mm、5mm、6mm、9mm、10.5mm、18.5mm
- ステップドリルビット
- リーマー
- 金工ヤスリ、サンドペーパー
- 電動ドリルとアングルエクステンション
- ネジ切りタップ:M4、M6、M10-p1.0、M12-p1.5、M20-p1.5
- ガスバーナー、ステンレスワイヤブラシ、ボール盤、各種レンチその他適宜
外注
- ジュラルミン表面処理:無電解ニッケル処理(無色)
作業内容
オイルクーラーの加工
- 上部固定用のアルミ丸棒を25mm程度に切り詰め、端面にM5の穴を開けM6タップでネジを切る。
- ラバーマウント用のフランジ2つをディスクグラインダーで削り落とす。
- 上下にシリコーンゴムのストリップを貼り付ける。
- 両サイドの保護カバーとコアの隙間をシリコーンスポンジで埋める。
- 40 x 40 x t1.5のアルミ板に孔を開けてワッシャーを作る。(孔はフレアコネクターのネジサイズに合わせる)
車体の加工
- オイルクーラーを仕込むために、エンジンカバー上方のルーバーを外し、右ハンドル車ドライバー側のエアインテイク開口部を一部切り取り、切断部分の出っ張りにヤスリがけし内側に曲げて、錆止めを施す。
- エンジンベイの天井にオイルクーラーとホースを結合するネジが通る孔を2ヶ所開け、錆止めを施す。(狭い場所なのでホルソーやステップドリルビットを使う場合、電動ドリルにアングルエクステンションなどが要る。あるいはリーマでコツコツ孔を拡大するか、、、)
- 室内のリアウインドウ直下、リアシートバック後方の鉄板に6〜7mmの孔を開ける。(オイルクーラー上部を固定するための孔)
- アルミの仕切り版をエアインテイク開口部がある空間に合わせて整形し、オイルクーラーの端に接する位置にエポキシパテで固定する。
- オイルフィルターマウントのベースを取り付けるネジ孔は現物合わせのため、ここではまだ開けない。
- ホースを固定するためのPクリップを留める孔はホースの取り付けが終わってから適宜穿つ。
オイルフィルターマウントのベース加工
注意!
- ジュラルミンブロックにM6タッピングビス取り付けネジ孔φ6.3mmを四隅に一つずつ開ける。
- フィッティングアダプターやメクラ蓋用にM12-p1.5の下穴φ10.5mmを4ヶ所開け、そのうち側面の3ヶ所にタップを立てる。
- オイルフィルターマウントアダプターのセンターボルトをねじ込むための下穴φ18.5mmを上面中央にできる限り深く(貫通してはいけない)開け、M20-p1.5のタップを立てる。
- オイルフィルターマウントのリリーフバルブがベースの上面に近すぎるので、エンドミルを使ってベース上面に逃げ溝を切る。
- 全体図面はこの項の最後に表示。
- 切削加工が済んだら防錆加工に出す。
オイルフィルターマウントの加工
- 外周部の廻り止めとおぼしき突起を削り落とす。(ベースへの組み込みを上手くやれば必要ない)
- センターボルトのフィルターとは反対側の下部をディスクグラインダーで削り、ベース内部でのオイルの流路を確保する。削る場所は、Oリングを装着した状態で十分ねじ込んだ位置で、メクラ蓋を着ける穴からペン等を差し込んでマークを入れて位置を決める。横穴はφ12mmだが誤差を考えて削る幅は少し余裕を持たせておくこと。
(AIじゃなく手仕事 ^^;)
- 防錆加工の終わったベースのブロックにオイルフィルターマウントのM20のセンターボルトをねじ込む。上記の流路が確保されているか再確認。(下の写真は茶色の保護シートが付いたままで、防錆未加工時に仮組みした状態)
- ネジ固定剤を付けたAN8フィッティングアダプターをねじ込む。オーバートルクで捩じ切らないように注意。
- ドレンボルトを流用したメクラ蓋を装着。(この孔は油温計のセンサーとかに利用できるかも、、、)
タイミングチェーンカバーの加工
- オイルポンプを取り外す。(取り付けボルトが一部見えないので、まずサークリップを抜いてリリーフバルブを外す。しかしマニュアルでは親指で押さえてスプリングを縮めるとあるが、反発が強くとてもできないのでFクランプを使用する)
- φ5mmの下穴を開け、M6のタップで雌ネジを切る。
- M6のビスをねじ込む。(フィッティングアダプターの位置決めとロウ付け時の固定用)
- AN8⇔M12-p1.5フィッティングアダプターのM12側のネジを切り落とす。
余談:低温アルミロウ棒HTS-2000について
タイミングチェーンカバーの加工(続き)
- 予めフィッティングアダプターの底面(ネジを切断した跡)とタイミングチェーンカバーそれぞれにロウを溶かしつけ、接合面を突き合わせた状態で加熱して確実にろうが廻るように溶着する。(1次ロウ付け)
- 気密性は1次ロウ付けで確保できるが、せっかく着けたフィッティングアダプターが肉盛するときの追加の加熱で外れないよう、予め立てておいたM6のステンレスビスにワッシャーとナットをねじ込んで仮固定する。(下の写真はロウ付け開始前の仮合わせ)
- ホースの重さとエンジンの振動で疲労破断が心配なので、さらに強度を上げるために、フィッティングアダプターの周囲にアルミロウをコッテリ肉盛りをする(2次ロウ付け)。
- アルミロウを盛り上げるためにステンレスでクッキー型のような囲いを作ったが、底部の隙間からロウが流れ出てしまった。耐熱性のある粘土や石膏で埋めておくべきであったが手持ちがなく、ロウ付け作業中に泥縄で買いに走っても、せっかく温めた母材が冷めるので別の方法を採る。
- 酷く難しいが、ロウが流れてしまわないように加熱具合を微妙に調整しながら盛り上げる(比熱が大きく冷めにくいステンレスワイヤで融けたロウを均しながら盛り上げるが、ステンレスのヘラ状のものの方が熱を保持するので更に良いかも)。うっかりすると全てが一度に溶けてしまうので火力や距離、加熱時間に気を使う。また、この方法だと「ス」が入るおそれがあるが、第1段階の面突き合わせロウ付けで気密性は確保されており、追加で盛り上げた外周に少々隙間があっても問題はない。
- ステンレスビス、ナット、ワッシャーを取り除き、ドリルで孔をφ9〜10mmに拡大する。(次の整形作業と順序が逆になっているが、どちらが先でもよい)
- 肉盛りしすぎた余分なロウをリューターや金工ヤスリ、サンドペーパー等で整形する。(見た目を気にしないなら不要)
- L字形のホースエンドフィッティングを仮留めして、手荒に捻ってみる。これでモゲてしまうようであれば使用に耐えられない。
- ロウ付けしたフィッティングアダプターにホースを取り付け、裏側には栓をして、タイミングチェーンカバーを水に浸ける。ポンプ等でロウ付け部分に空気圧をかけて気密性の確認。漏れがあれば1次ロウ付けからやり直す。(幸い泡は出てこなかった。)
オイルポンプの加工
オイルポンプの分解手順については別に「オイルポンプとリリーフバルブの分解」に書くのでそちらを見てほしい。
- M10ボルトの六角頭を切断し、中心にドリルでφ2.5mmの孔を貫通させる。(近い長さの既成ホーローセットが入手できればこの作業は不要)
- M10ボルトを切断し 15mmのイモネジを作り、マイナスドライバーで回せるように端に金ノコ等で溝を入れる。(近い長さの既成ホーローセットが入手できればこの作業は不要)
- 内部の2つのギアの内、長い中空軸が付いている方の内径が丁度φ9mmで、ギア側の穴にM10のタップで深さ17mmほどの雌ネジを切る。(近い長さの既成ホーローセットが入手できればこの作業は不要)
- ロックタイトのネジ固定剤を着けてM10 のイモネジをねじ込む。
- オイルポンプをタイミングチェーンカバーに組み込む。
- タイミングチェーンカバーをクランクケースに復旧。
余談:ホースの加工について
NA8のホースをホースエンドフィッティングに組み付ける専用工具があるらしいが、テープを巻いて養生したホースをバイス等でしっかり固定して、薄手の切断砥石を着けたディスクグラインダーで切断し、被覆がバラけないよう丁寧にテープを外したら、ホースの端を被覆ごとナットに数ミリ食い込ませる。ホースを手で握って木の板などにナットごと思いっきり力を入れて、何度も打ち付けると問題なく着底する。そのホース+ナットをフィッティング本体にねじ込むときには薄くオイルを施しておくとスムーズに入る。ナットは最後まで締め込まず、2〜3mmの隙間を残す。
取り付け
オイルクーラー本体
- 密閉用のラバーやスポンジを付けたオイルクーラーを先の「車体の加工」の項で口を広げておいたエアインテークから差し込んで、ホース接続ネジがエンジンベイ天井の穴に通るように内部で所定の位置に立てる。
- クーラー上部の丸棒のネジ穴を後部座席のシートバック後方に開けた孔に合わせ、室内からM6 15mmのネジの半分ほどをねじ込んで仮止め。
- オイルクーラーの上部と天井の隙間が大きいので、その隙間を塞ぐようにクーラーに貼り付けてあるシリコーンゴムのストリップを捲くり上げて天井に接着する。シリコーンゴムにも使えて効果時間の短いスーパーX2を使用。
オイルフィルターユニット
- オイルフィルターのマウントとベース、XJR400のホースが一体化したユニットにAN8のホースを取り付ける。ホースエンドフィッティングのナットを締め込むときにフィッティングアダプターが供回りして捩じ切らないようオーバートルクに注意。
- XJR400のホースエンドフランジをオイルフィルターマウントに取り付ける。小さいOリングを忘れないように。
- 耐熱・耐油性のスポンジマットをベースに接着剤で貼り付ける。
- ホースの付いたオイルフィルターのユニットを装着場所に仮置き(-天井なので手で支える)して四つ角の孔にプラスドライバーを差し込んで傷をつけ、ネジ位置決めのマークをつける。
- 位置決めの印に従ってエンジンベイの天井にφ4.5〜 5mmの下穴を開ける。
- M6タッピングビス4本をスポンジマットにねじ込んで仮止め。
- タッピングビスを締め込んでユニットをエンジンベイの天井に固定。
クランクケースへのオイル戻り
- ディストリビューターのすぐ手前にM12−p1.5のホーローセットでメクラ蓋がしてある。これを取り除いてAN8⇔M12-p1.5のフィッティングアダプターを取り付ける。
- アダプターのM12雄ネジは当然中空でオーバートルクで容易にネジ切れる。本来ここはテーパーネジのようで、念のためにシールテープを巻いておく。(フィッティングアダプターにはシーリング用のワッシャーが付いていて、これも使用する)
ホースの接合
- XJR400用ホースの先端をオイルクーラーのフレアフィッティングネジに締め付ける。フレアで圧着しているだけなので油漏れが起きないように、少しきつい目に。(正規の締め付けトルクは不明。心配なので邪道かもしれないが若干の液体パッキンを塗っておいた)このとき、手製のアルミ角ワッシャーを共締めする。
- オイルクーラー下部が固定できたら上部の丸棒に仮留めしておいたM6ボルトを室内から本締めする。
- M8ホースのうちL字型ホースエンドフィッティングはタイミングチェーンカバーにロウ付けしたフィッティングアダプターへ、直線形のホースエンドはクランクケースのディストリビューター手前にあるオイル戻りのフィッティングアダプターへ、それぞれねじ込んで結合する。
- 忘れない内に市販のオイルフィルターをオイルフィルターマウントにねじ込んで装着。
- エンジンベイの框を復旧。(ホースフィッティングとのクリアランスは数ミリ。フィッティングの種類は500の個体によっては干渉するかもしれない。その場合は、框の内側をプラハンマーや木槌で凹まさないといけない。実際、エンジンのスプリングマウントを復旧する以前に框を当ててみたら隙間はほぼゼロ。しかし、スプリングマウントでエンジンを吊り上げて框を取り付けたら、1cm程も隙間が広がっていた。)
- 壁面や部品との摩擦が起こりそうな部分はホースにコルゲートチューブを巻いて保護。
- ホースはブラブラするとよろしくないので、Pクリップでエンジンベイ内部の側面に取り付ける。(たまたま以前のオーナーがバッテリーをエンジンベイに移設するために開けた孔が2つあったのでそれらを使用)
- さらにホースとエンジンの接合部の負担を減らすために追加のPクリップとその支えをホームセンターで売っているジョイント金具を折り曲げて作り、取り付ける。
完成後の心配事
設置場所の項でも少し触れたが、オイルクーラーの取り付け位置はルーバーの後ろに隠れて見た目上スッキリはしている。しかしここは冷却ファンがガンガン空気を吸い込んでいる場所だから、当然クーラーのコアを通過して温められた外気がエアインテークのダクトに送り込まれることになる。ダクトの開口部に近い反対側にも取り入れ口があるので全部の空気が加熱されるわけではないけど、エンジンの冷却に使われるはずの空気の一部はエンジンの熱で温められるという熱の悪循環が起きてします。さらに、ファンシュラウド内の空気はエアクリーナーを経由してキャブレターにも行くから、結果的に密度の低い薄い空気で混合気が作られてしまう(夏季の熱対策のはずが、夏のように熱い空気を冷却と燃焼に使うという本末転倒!W)。これらがどの程度の悪さをし、出力低下を招くのかは判らない。電動ファンで強制的に吸い出す手も考えたが、下手をするとエアインテークダクトと電動ファンの空気の吸引合戦になり、オイルクーラーを通過する空気が返って減ったり完全に停滞してしまう恐れもあるので、当面は手を付けないで静観することにした。どうなることやら。
始動と試運転
結果
追記:
オイルクーラーどうのこうの以前に、この症状の原因で考えられるのは:
- 1,オイルの粘度不足(ここ1年ほどは、オイル交換してもしばらくすると警告灯が点くようになった)
- 2,油圧センサーの異常(わりと最近、不注意で壊してしまったので新品に取り替えた。が症状は同じ)
- 3,オイルポンプの異常
- 4,カムシャフトのメタル摩耗(シャフトは中空で、ここを通ったオイルがカムの潤滑と、ヘッド上部のタペットカバー内部の潤滑を担っている。警告灯のセンサーにも繋がっているから、シャフトエンドのメタルに隙間ができると油圧が逃げてしまうので警告灯が点灯すると思われる)
- 5,オイルリリーフバルブの異常
2は、交換した新しいセンサーの異常も無いでもないが可能性としては低いし、高粘度オイルを入れた直後は症状が収まるので一応は機能していると思われるから消去。(しばらくしてオイルが「こなれて」少し粘度が低下したら発症するが、、、)
3は、今回の作業でオイルポンプを分解したが、ギアなどに異常な摩耗などは見つからなかったのでまず無い。
4は、エンジンの腰下をバラさなきゃならないので当面は排除(ていうか目をそらした)。
で、5だが、リリーフバルブはオイルポンプにくっついているのでチェックしてみたら、いくつか気になることを発見。
- まず、刀の鍔(つば)のような円盤状の部分の外周に妙な欠けか噛りのような傷がある。
- 別の場所にはクラックにも見える線がうっすら、、、。
- またその部分は本来円筒形のはずが、どうも太鼓状に変形しているような感じがする。
- 更には鍔の表面に段差がある。ここは回転しないが、常に回転しているカムシャフトの後端フランジ部分に常に押し付けられていて、オイルが介在するとはいえ摩耗する消耗部品と考えられる。
- (上記に加えて、スプリングの自由長も予備の物と比較したがヘタリや歪みは無かった。)
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- って、じゃあこの間、他の用事を投げうってやってきたオイルクーラー取り付け作業は何だったん?ってことに、、、(;´д`)トホホ…
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